企業経営や営業活動を円滑かつ効率的に行うためには、取引相手との関係性をつかむことが肝心です。取引相手との関係性を良好に築き、その状態を保つためには、相手の情報を獲得する必要が出てくるでしょう。すでに顧客となっている企業があれば、何かしらの情報は持ち合わせているはず。そんな顧客の情報を整理していくことで顧客の管理が行えるわけですが、まず整理しておかなければならないのが、顧客のプロフィール情報です。
顧客のプロフィール情報は大きく2つに分けることができます。それぞれどのようなものか、また、その情報を扱うときの注意点も合わせて考えてみることにしましょう。
取引相手企業の基本的な情報を整理
顧客が企業である場合、まず整理しておきたいのが、その企業の基本的な情報です。企業情報は営業活動を行うために、あるいは関係性を良好に保つために必要なものであり、顧客管理をする上でも重要な項目となってきます。
具体的には、企業名や所在地、電話番号などの情報が挙げられるでしょう。当然、FAXの番号やEメールアドレスなども、企業の基本的な情報の中に含まれます。代表取締役は誰なのか、いつ設立・創業されたのかなど、企業としての沿革も情報として把握しておいてください。歴史がわかれば、その企業の理念などをつかめることもあるかもしれません。創業時とは異なる事業を展開している企業も多く、それも絡めながら営業活動を行うことで、より関係性が深められることもあるでしょう。
現在の従業員数や平均年齢、男女比、役員の構成など、働いている人の情報もまとめておきましょう。当然、資本金や子会社、関連企業なども整理しておく必要があります。事業内容や業界での立ち位置・シェア、ターゲットにしている層や市場、分野は何か、こうしたことも知らなければ営業戦略を練ることができません。
非常に細かいことですが、その企業が他社と取引をする場合、どのように購買を決定し進めていくのか、あるいは、取引している銀行や、市場での企業に対する評価なども情報として持っておくと参考にできるはずです。経営実績に関する情報も獲得しておきたいのですが、これには、売上高や経常利益、部門や部署が分かれているなら、それぞれの売り上げ、そして財務状況が把握できる財務諸表なども押さえておきたいところ。
企業を相手に営業を仕掛けるわけですから、これくらいは集めておかなければ、有効な営業戦略を組み立てることはできません。基本的な情報として、しっかりと収集し整理しておいてください。
自社の営業マンと接する取引相手の担当者情報
顧客のプロフィールに関する情報には、上で紹介した企業情報と、自社の営業担当者が直接接しながら交渉等を行う、相手企業の担当者の情報があります。その、実際に面と向かってコミュニケーションを取ることになる、あるいはすでに取っている担当者の情報もしっかりと集めながら整理をしておきましょう。
例え取引相手が企業であっても、結局は人と人が交渉をしながら物事を決定し、取引が成立します。その決定権を持った人物の情報を握っておけば、それを利用しながら交渉を有利に進められることもあるのです。
名前や年齢、性別などは、比較的楽に手に入れられる情報となるでしょう。住所や電話番号、Eメールアドレスなどの連絡先も、すでに取引をしているのであれば知っていてもおかしくない情報です。コミュニケーションを取る中で獲得できる情報としては、学歴や趣味・嗜好などがあります。家族に関する情報や、普段どのような人と遊んだり関係を持っているのか、こうした情報も得ておくと、さらに関係性を深める際に役に立つことがあるでしょう。
もっと言えば、取引企業の担当者や決定権を持つ人物と接したときには、その都度メモを取るなどし、その人物の情報を蓄積しておかなければいけません。
何がいつどこで役に立つかはわからないため、ちょっとしたことでもしっかりとメモに残し、顧客管理のための基本情報として整理しておきましょう。
2つの情報は慎重に取り扱うこと
ここで紹介した顧客のプロフィール情報というのは、公にされているものもあれば、機密情報であったり、非常にプライベートなものであることもあります。特に取引企業の担当者の情報は完全な個人情報であるため、慎重に取り扱う必要が出てくるでしょう。間違っても外部に漏洩することなどがないようにしなければいけません。
顧客管理のために、相手企業や取引担当者の情報をデータベースなどに整理しておくことは必要な作業となります。顧客カードなど、ペーパーにまとめる場合もあるでしょう。いずれにしても、そうした情報を複製するのは厳禁。複製を許してしまうと外部に漏れ出すリスクがそれだけ高まります。当然、社外へ持ち出すこともNGであり、このあたりは企業内、あるいは営業部署内で徹底しておかなければいけません。
もし個人情報や機密情報が漏洩してしまえば、大切な顧客を失ってしまうことになるでしょう。企業にとっては大ダメージですから、過剰と言ってもいいほど慎重に取り扱うことを心がけるようにしてください。