メニュー

顧客管理の1つである顧客評価と格付けに有効な分析手法とは

顧客管理の1つである顧客評価と格付けに有効な分析手法とは

投稿者

顧客を管理する際に忘れてはならないのが、顧客の評価と格付けです。格付けというと少し誤解を与えてしまうかもしれませんが、要は、顧客をカテゴリー分けし、それぞれで戦略の方向性を分けながらアプローチしていきましょうということ。そのために必要なのが評価であり、格付けなのです。さまざまな顧客がある中で、それを一緒にまとめてしまうと非常に危険。営業戦略とは、個別に練るからこそ戦略となるわけで、評価なしでは個別の戦略など練られるわけがありません。

この顧客評価と格付けのやり方は、企業ごと、あるいは営業部ごとに異なるでしょう。さまざまな分析手法を用いる企業もあれば、営業担当者の感覚を頼りにカテゴリー分けをしていくこともあるはずです。それらを合わせながら評価をし、格付けをするのが理想ですが、ここではそれに活用できる分析方法を1つ紹介していきましょう。

顧客の評価に活用可能な「ABC分析」

顧客を評価する際に、あるいはランクをつけて格付け作業を行う際に、非常に多く用いられている分析方法に「ABC分析」があります。ABC分析は、顧客となっている企業のABCの3つに区分し、それぞれで戦略を練っていくという手法。ざっくりとした分け方ではありますが、どこに重点を置くべきかなどがわかりやすくなるため、戦略の練り直しや新規で営業アプローチを考えていく際に非常に役に立つでしょう。

例えば、顧客ごとに売上高を算出し、それを多い順に並べます。すると、全体の売上高のうち、それぞれの顧客がどの程度の割合を占めているのかがわかります。それをパーセンテージで算出。それを上から順番に足していったのが累積構成比と呼ばれる数値なのですが、これが70%から80%までをAのカテゴリー、80%から90%までをBのカテゴリー、それ以下をCのカテゴリーに分けると、それぞれ、主力の顧客、準主力の顧客、それ以外と分けることができます。これがABC分析の基本の形。

Cのカテゴリーに入った顧客は、決して主力の顧客ではありませんし、すぐにそれに食い込むような顧客ではないものの、だからと言って排除をしていいというわけでもなければ、アプローチを一切しなくてもいいというわけではありません。逆も然りです。Aのカテゴリーに入っているからといって新たな営業戦略を練らず、放っておいても大丈夫だという慢心は抱くべきではないでしょう。

横軸に顧客を売上高順に配置し、縦軸に売上高を配置した上で、それぞれの顧客と売り上げの関係をグラフにして表示することが可能です。このグラフの書き方は、顧客の売上数値そのものに点を打って繋げる方法と、顧客同士の売り上げを加算して点を打っていき、売上高の最も低い顧客の上に顧客全体の売上高の数字がくるように線を結ぶ方法とがあります。後者の場合、それぞれの顧客の売上高を棒グラフなどで書き込んでおくと、より、カテゴリーごとの顧客の姿が見えやすくなるのではないでしょうか。

この分析結果はあくまでも過去のもの

ABC分析は顧客を評価する際に一定の役に立ってくれる手法です。しかし、これはあくまでも過去の顧客ごとの売り上げを数値化し、大雑把にカテゴリー分けしたものに過ぎません。単純にAのカテゴリーに分類された企業が重点顧客となるとは限らないですし、Cのカテゴリーに分類された企業が重点顧客となるケースも出てくるでしょう。これは上でも少し触れた通りです。

また、売り上げ以外にも利益や販売数量などでもABC分析を行うことができ、顧客を評価し格付けを行うことが可能です。これを同時に行えば、必ずしもすべての顧客が同じカテゴリーに分類されるわけではないことがわかるはず。もちろん、数字に表れない部分も出てくるでしょう。それを完全に無視して顧客を評価することはできず、数字に表れない部分も合わせて総合的に考え判断すべきです。

過去のものだから意味がないというわけではありません。それを未来へと活かすためには、過去のものであると認識した上で戦略を立てていく必要があるということ。市場環境も変わりますし、顧客側の環境も変わるでしょう。それに対応した、あるいは、それを予測しながら戦略やアプローチ方法を生み出すことができなければ、こうした分析や顧客の評価、そして格付けは意味がないと理解しておくべきなのかもしれません。

投稿者

この記事を書いた人



カテゴリー

営業マネジメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です