数字を伴った具体的なものに仕上げていかなければならない営業目標。そのためには入念なリサーチや他の部署などとの連携も重要な要素となってきますが、その前に、営業目標を設定する時には、いくつかのことを意識しておかなければなりません。それらを意識しながら作り上げる営業目標と、そうではない目標とでは、全く質の異なるものとなるでしょう。
その営業目標設定時に意識しておくべきこと、考えておくべきことを2つ紹介します。これを押さえておけば、より綿密で具体的な、そして各営業マンの成果に直結する営業目標を構築することができるはずです。
プロセスを構築してこそ目標設定となる
目標という言葉だけを聞けば、それは達成したいと考える数値や到達したいと考えるゴールのことと考えがちですが、目標というのは決してそれのみで構成されているわけではありません。もちろん、数値やゴールなど明確な目標も立てなければなりませんが、それと同時に、プロセスにも気を配り構築していく必要があります。
プロセスとは、設定した数値やゴールに達成・到達するためにはどのように活動していけばいいのか、という過程のこと。営業活動は、一般的な企業であれば、人数に違いはあるでしょうが、複数の営業マンがそれぞれ行っていくはずです。その複数の営業マンがバラバラの方向を向き、また、全く異なる手法を用いて活動していては、効率のいい営業活動は行えないでしょう。
プロセスまで含めて目標設定をしておけば、全員が同じ方向を向きながら、また、同じ手法で取り組むことができ、もし問題があればそれを指摘・修正しやすくなるのです。さらに、プロセスまで含めて目標を設定していくことで、その営業目標が適切なものになる、あるいは適切なものへと近づくというメリットも生じます。無駄に大きな目標にもなりにくくなりますし、その逆もなくなるため、非常にリアルで現実味のある目標を掲げることができるでしょう。
リーダーは特に、このプロセスに気を配ることを忘れないようにしてください。プロセスが明確になっていれば、これはリーダーにとっても非常に楽ですし、問題があった時にもそれが明確化しやすくなります。是非、ゴールまでの過程、ここにも着目しながら、営業目標を設定していきましょう。
営業マン一人ひとりの活動の末にあるのが営業目標
複数の営業マンが同じ方向を向いて営業活動を行う必要があると言いましたが、しかし、営業マンはロボットではありませんし、一人ひとり異なる個性を持っています。それを理解した上で営業活動のプロセスを考えていき、目標を達成するための道筋をつけていくのがリーダーの役割です。
ポイントとなるのは、その各営業マンの特性を把握するとともに、それにマッチした目標を設定していく、あるいは設定させることです。
高いハードルを軽々と超えられる営業マンもいるでしょう。低いハードルでもなかなか超えるのが困難な営業マンもいるはずです。それらすべてが同じ方向性を向くことはもちろん大切なのですが、高いハードルを超えられる営業マンにはさらに高いハードルを、低いハードルが超えられない営業マンには、頑張れば超えられそうなハードルを設定し、それぞれの身の丈に合わせた目標を考えていくこともリーダーに任された仕事となります。
低いハードルも超えられない営業マンに優秀な営業マンと同じ目標を掲げさせても、能力など発揮できるわけがありませんし、成長も見込めません。
それぞれの営業マンがそれぞれの目標を達成するとき、おそらくその企業は大きな利益を上げることができているのではないでしょうか。リーダーはそのことを理解し、営業活動や営業目標を通じて営業マンが成長する、そんなプロセスとゴールを設定しなければなりません。
ここを強く意識することができれば、非常に有意義で企業にとっても大きな利益をもたらす営業目標を設定することができるはずです。