ライバル企業、つまり競合他社のことを知ることは、自社のことを改めて知ることでもあります。他社を知ることで、自社の戦略に変化が必要であることもわかるかもしれません。
完全に独自の路線を貫いて成功できる企業はほんの一握り。企業が大きくなればなるほど、独自の路線を貫くのは難しくなり、どうしても他社に影響を受けざるを得ないのです。
ライバル企業の情報を獲得することの重要性を理解した上で、非常に有効な情報収集の手法を紹介します。また、その情報を元にした分析に関しても少し触れていくので、それを新たな営業戦略へと反映させながら自社の成長をさらに加速させていきましょう。
専門家に企業調査を依頼してみよう
競合他社の情報を獲得するのに非常に有効な方法に、企業調査があります。調査のプロフェッショナルに、他社情報の収集を依頼するのです。
自分たちでライバル企業の情報を獲得するのには限界があるでしょう。市場を眺めながら情報を集めることもできるかもしれませんし、顧客とのコミュニケーションを通じてライバル企業の情報を獲得することも可能です。しかし、そうした手法で得た情報は表面的なものであることがほとんどであり、また、顧客の主観であることも珍しくはありません。本当に必要な情報が手に入らない可能性があるのです。
調査会社などに依頼をし企業調査を行ってもらえば自社では知り得ない情報を手に入れることができます。しかも主観ではなく客観的な情報を受け取ることができるはず。調査のプロフェッショナルに依頼をしてみましょう。この手法よりも確実でスピーディーにライバル企業の情報を獲得する手法はないと思っておいて間違いありません。
調査会社に企業調査を依頼する際の注意点
調査会社にライバル企業のことをリサーチしてもらうことは非常に有効な手法ではありますが、注意しなければならないこともあります。当たり前のことですが、法律違反を犯した調査は行わないこと。調査を依頼する会社や組織のことを事前に調べ、違法調査などを行っていないかどうかを確認した上で依頼しなければいけません。
もし違法な手段を用いて企業の機密情報を入手してしまえば、それは全て自分たちに跳ね返ってきてしまいます。その代償は非常に大きなものとなりますから、むやみに調査を依頼するのではなく、入念にチェックをした上で調査依頼を行う会社を選定しましょう。
企業調査には、これも当たり前のことですが、ある程度のコストはかける必要があるでしょう。短期間の調査では、あるいは簡素な調査では入手できる情報は限られてしまいます。できるだけコストをかけたくない気持ちはわかりますが、調査費用をあまりにも意識し過ぎてしまうと調査そのものが適切に行われず、逆に無駄なお金を使うことになってしまうので、この点にも十分に気をつけておきたいところです。
自社の戦略策定に役立てるための競合他社の分析
ライバル企業の情報を集めただけで終わってしまってはいけません。むしろ重要なのはその後。集めた情報を元にどう分析していくか、そして、その分析結果を経営戦略や営業戦略にどう活かしていくか、ここが最も重要なポイントとなってくるでしょう。
市場と顧客の分析を行い、それと同時に、自社と競合他社の分析を行った上で「3C分析」を行いながら、顧客のニーズやウォンツなどを探っていきます。また、3者の状況や立ち位置などを分析していけば、それを戦略の立案に役立てていくことができるはず。そのために集めるのが競合他社の情報なわけですから、ここでそれを存分に活かしながら、細かな戦略を立てていきましょう。
競合他社のことを知れば知るほど、自社の強みや弱みも見えてきます。市場の大きさに対してライバル企業のシェアが低ければ、その市場のシェアを一気に獲得するための戦略を練るとか、逆に、ライバル企業のシェアが大きな市場では無理に勝負をしないとか、そうした思い切った戦略も生まれてくるでしょう。ポジショニング・マップを作成することで、さらにこうしたことが視覚的に見えやすくなります。
集めた情報を有効に使いながら戦略を立てていけば、必ず業績アップへと繋がり、企業としての成長も間違いないものとなるでしょう。
