営業マンがいても、営業活動を行わなければ意味がありません。その営業活動は、商品そのものや生産性などと並んで非常に重要なものであり、企業の業績自体にも大きな影響を与えます。営業活動にはどのような意義があり、そして、現代ではどのような形が主流となってきているのか、それをまとめてみましょう。
営業組織や現代の営業活動の潮流とは
営業活動を行う組織は、利益を上げるために重要なものであり、しかし、営業担当者などの人件費がかかるため、非常に多くの資源を投入しなければならない部門でもあります。それだけ企業の命運を握る組織であるとも言えるでしょう。
高度経済成長時代の日本や、少し前までの日本社会であれば、例えば営業所を全国に増やしたり、営業マンの数を大量に投入したりなどすることで、ある程度は売り上げを上げることが可能でした。また、営業マンを厳しい環境に置くことで、あるいは、成果を上げれば褒め称えることでうまく成長してもらうこともできたでしょう。
しかし、今はそのような時代ではありません。経済状況や現役世代の価値観も移り変わりゆく中、昔のようなやり方では利益をあげられない企業が増えてきているのです。また、根性などの精神論や、経験や勘の有効活用、取引相手に対するブラフ、こうしたものも昔は通用していたかもしれませんが、今の時代には決してマッチしません。
営業拠点を減らす、営業マンの数を減らす、褒めて伸ばす、こうして営業利益を上げていくことが、現実的な営業活動の方向性なのではないでしょうか。時代の流れを考えれば、こうした営業組織、そして営業活動が主流となってきており、これからもその傾向は続くと思われます。
時代にマッチした営業活動を行うためには
現在の日本の状況を考えた時には、上で説明したような営業組織と営業活動の考え方が最も現実的であり有効性もあるはずですが、もう少し具体的な話をすると、「企画を提案できる営業組織」、これはこれからの時代に最もマッチするスタイルとなるのかもしれません。
自社で取り扱う商品をただただ売り込むのではなく、そこからの広がりさえも提案する複合的な営業活動を行うことができれば、少ない顧客をしっかりと獲得することができ、シェアを伸ばすことができるのではないか、という考え方です。
もちろん、これは簡単なことではありません。顧客によって価値観も資金も異なります。だからこそ、顧客管理を徹底し、それぞれの顧客に合わせて企画を提案するのです。あくまでも顧客目線を重視した営業活動が展開できれば、これからの時代も生き残っていくことができるでしょう。
こうした営業活動は、根性や気合いなどの精神論で生み出されるものでは決してありません。これが可能な営業組織を作るためには、一人一人の営業マンの育成が重要であり、どうモチベーションを保ちながらその理念を植え付けていくのか、営業組織のあり方や営業マネジャーの手腕が問われる部分となるでしょう。
営業活動の管理も軽視できない重要な課題
企画提案できる営業組織を作り上げるのは、なんだかんだ言っても営業マンたち。この営業マンたちをしっかりと管理してこそ組織としての統一性が図られ、どのような顧客に対しても対応できるほどの組織とすることができるのです。
営業活動の管理が非常に重要であるという話ですが、これも今の時代を考えれば、コンピューターを活用しながら行っていくべきでしょう。営業活動をトータルでどれだけ管理できるのかに加えて、スピードも求められます。リアルタイムな活動管理と情報整理ができなければ競合他社に遅れをとってしまいかねません。それは負けを意味するわけですから、可能な限り素早く対応するためにも、データベースやネット技術などをフル活用することは欠かせないのです。
古い企業の場合には、こうしたものを取り入れることに抵抗感があるかもしれません。しかし、今の時代はそうも言っていられないでしょう。厳しい現代で勝ち抜くためには、最新のテクノロジーも取り入れながら革新的な営業活動とその管理をしていく必要があると認識しておくべきです。