営業マンがどれだけ口達者に交渉相手を丸め込むことができるか、営業活動における商談というのは、ここが重要ポイントであると思っている人も多いかもしれません。丸め込むという表現はいささか語弊があるにしても、確かに営業マンのトークスキルで契約まで持っていけることは十分に考えられるでしょう。しかし、それだけでは今の時代、大きな契約を獲得するのが難しいのも事実です。
商談をよりスムーズなものとし、交渉相手を契約させる気にさせるには、いくつかのツールを駆使する必要が出てきます。その一つが「アプローチブック」。文字通り、営業担当者が顧客にアプローチする際に使用するツールですが、ここではそのアプローチブックについて掘り下げ、いかに重要なのかを説明していきたいと思います。
商談ツールの一つ「アプローチブック」とは
商談に必要なツールには、アプローチブックや企画提案書などがあります。ここで取り上げるのは前者、アプローチブックです。
まず、この両者がどう違うのかというところからですが、アプローチブックは顧客ごとにこしらえるものではなく、営業マンが商談を含む営業活動に活用するためのものであり、一方の企画提案書は、顧客ごとに作成するものという違いがあります。
顧客ごとにこしらえないとは言っても、そこには営業マンの個性が反映されてくるでしょう。アプローチブックは組織内で統一されたものを使用することもありますが、営業マンそれぞれが独自のもの作成しても構いません。それをベースに顧客に対してアプローチし、自社や商品・サービスを知ってもらう、そんな目的を有しているのです。
顧客ごとに作成している企画提案書とは違い、一度アプローチブックが作成されれば、それをどの顧客に対しても活用することが可能です。もちろん修正や調整を加えたり、時には内容を一新することもあるでしょうが、しっかりとした作りになっていればそれを活用し多くの顧客に対して効果的なアプローチをすることができるようになるでしょう。
商談を行う時には欠かせないツールの一つとなりますから、自分なりのアプローチブックを作成し、また、営業マネジャーは営業マンに対してアプローチブックの作成を促し、より効果的に商談が行えるような指導を行っていかなければいけません。
アプローチブックの効果を知る
アプローチブックを作成し、それを駆使して商談を進めていくのと、こうしたツールを持たずにありきたりな資料やトークだけで商談を進めていくのとでは、効率や結果には大きな差が出てきてしまうでしょう。アプローチブックは営業マンを助けてくれるツールです。これを十分に理解していれば、アプローチブックの作成はもちろん、準備も怠ることができないとわかるのではないでしょうか。
アプローチブックは、営業マンが独自のものを作り上げることで、競合他社の営業マンとは異なったイメージを顧客に抱いてもらうことができます。人同士の商談なわけですから第一印象が商談の結果を左右するのは当たり前。アプローチブックは、その第一印象を良くする効果も期待できるのです。また、そのアプローチブックがとっつきやすいものであれば、初対面の相手であっても聞く耳を持ってもらいやすくなるでしょう。
アプローチブックを持ち出すことで、主導権を握りやすくなるというメリットもあります。
相手はそれを見たり読んだりするわけですから、その瞬間は少なくとも相手は自社の商品やサービスに意識がいっているはず。そこでトークなども絡めていけば、完全に主導権を握ることができるでしょう。
アプローチブックを元に説明を進めていくことで相手も理解しやすくなりますし、トークスキルをあまり持っていなくても、商品やサービスの魅力を伝えやすくなるという効果も得られます。言葉のみに頼れば、どうしても伝え漏れなどが出てきてしまうものの、アプローチブックがあれば、それもかなり減らすことができるでしょう。だらだらとした説明にもならず、商談相手を飽きさせることもなくなりますし、少ない時間でも効率よくアピールすることにもつながるはず。
こうしたあらゆる効果やメリットを持っているのがアプローチブックです。内容にも当然工夫が必要になってきますが、それ以前に、このアプローチブックを用意せずにアプローチや商談に臨むことはないようにしましょう。このツールがあれば、きっと営業活動を助けてくれるはずです。