営業を担当する者は、その行動を逐一日報に残しておかなければなりません。その営業担当者を管理する営業マネジャーなどは、そうした作業を各々に徹底させることが必要となってきます。営業担当者の行動や活動を把握・管理することで、営業ノウハウを見出すことができるはずです。もちろん、問題点も見つけやすくなるでしょう。
営業担当者の行動を把握し管理するためには、それをデータとして残しておく必要があるのですが、その理由と、データで残すからこそ見えてくる営業担当者の特徴や傾向などの一例をここで挙げてみます。いかに営業担当者の行動管理が重要な作業であるのかも見えてくるのではないでしょうか。
なぜ営業担当者の行動管理をデータベース化するのか
かつては、営業担当者の日々の行動をペーパータイプの日報に残していました。今でもそのような形で営業日報を作成している企業はあるかもしれません。しかし、今の時代にはそぐわないと言ってもいいでしょう。
せっかくパソコンやインターネットツールが発達しているにもかかわらず、未だに日報の全てをペーパーで残すのは非効率であり、本当の意味での営業担当者の行動管理とはならない可能性が高いのです。
データとして残しておくことで、あらゆる視点からそれを分析することが可能となります。
訪問件数、訪問時間、成約件数、商談時間、移動時間、具体的に何をしているのか不明な時間などなど、こうした要素を全てデータ化しておけば、それぞれにどのような相関関係があるのかが認識しやすくなり、紙に書きファイリングしておくタイプの日報では掴めなかった情報やノウハウ、問題点も発見することができるようになるでしょう。
データを分析することで、意外な事実がわかることも珍しくはありません。コンピューターが処理をしてくれるわけですから、その分析の時間短縮にも寄与しますし、ペーパーレス化が進むため、経費のコストカットにも一役買ってくれるはず。営業担当者の行動管理をデータベース化しコンピューターで行うことで、あらゆる恩恵を受けることができるのです。
いい成績を残している営業担当者の傾向とは
営業担当者には、いい成績を残す者と、目標を達成することができない者とに分かれます。これは仕方のないことでしょう。しかし、この結果を「あの人は能力があるから」とか「あの人は雰囲気が良くないから」などという言葉で整理してしまうのは少し違うのではないでしょうか。
もちろん、能力や雰囲気といったものは営業活動や商談にも大きな影響を与えるため、それが原因であることもあるかもしれませんが、データを分析することでそれらとは異なる点にも着目することができ、それによっていまいち結果が残せない営業担当者の成績を改善させることもできる可能性が生まれるのです。
例えば、成績のいい営業担当者は、社内にいる時間が少なく、商談時間をたっぷりと確保できる傾向にあります。会社内での作業を最小限とする努力をし、その分を商談に当てていることがわかるはず。これは、意識次第でどの営業担当者もできることではないでしょうか。それが自然とできるのか、それとも営業マネジャーなどの指示によってできるのかの違いだけであり、営業担当者の行動管理を徹底して行うことでこうした事実が浮かび上がるとともに、改善へとすぐさま動き出すことができるようになるのです。
また、「社内にいる時間が短い」とか「商談時間が長い」といった曖昧な言葉だけではなく、成績のいい営業担当者と悪い営業担当者にはそれぞれ何分の違いがあるのか、といった細かい数字もデータベース化によって即座に叩き出すことができるでしょう。これによって明確な時間配分が可能となり、より根拠を持った行動管理や営業活動の戦略を練りやすくなると考えられます。
成績や効率の悪い営業担当者の特徴とは
営業活動を日々行ってはいるけれども、なかなか契約を勝ち取ることができない営業担当者は、上で紹介した、いい成績を残す営業担当者とは逆の傾向を持っています。つまり、社内にいる時間が長く、商談時間が非常に短い傾向があるのです。
また、本来働くべき時間以上に働いている傾向も見られます。通常、働く時間が長くなると成績がアップすると思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。もちろん、どのような営業活動をしているのかにもよるものの、成績や効率の悪い営業担当者は時間の使い方がそもそも上手ではなく、長い時間働いているのに成績が悪い傾向が見られるのです。
ここからわかることは、成績の残せない営業担当者は時間的自己管理能力に乏しい者であるということ。ここを意識的に改善させていけば、もしかしたら成績を上げることができるかもしれません。他にももちろん原因はあるでしょう。プレゼンテーションそのものに問題があるケースもあります。また、成績が年々下がってきている営業担当者がいれば、そこには必ず何かしらの問題があり、そしてその問題がどこにあるのかはデータベース化することで探りやすくなるはずです。
あらゆる要素の関係性をチェックし、営業担当者の効率や成績のアップを目指していきましょう。