自分1人だけで仕事をしている人など、ほとんどいないでしょう。会社勤めをしていれば、当然会社の人間と関わりながら仕事をしているはずですし、取引先企業や顧客を相手に仕事をしている人も少なくないはずです。
会社内や工場内で黙々と仕事をするような職種でも、やはり人との関わりを無視することはできません。先輩や上司、あるいは後輩などとの関係があり、その中で自らも仕事をこなしているのではないでしょうか。
そのような人たちとの関係性、渡り合い方、関わり方、こうしたことに関するスキルをアップさせることができれば、きっと仕事の効率も上げることができます。人や企業との関係が円滑になれば、それが成果となって現れてくることは、社会人であれば認識できる現象のはず。
では、どのように、取引先企業や顧客、仕事仲間などと上手に渡り合っていけばいいのでしょうか。それをここでは考えてみたいと思います。
相手の意図を汲み取れる人は仕事ができます
相手に全てを求める、あるいは委ねるという考え方は今日でやめましょう。自分の意図を相手に汲み取らせようと思っても、無理なものは無理です。であれば、相手の意図をこちら側が汲み取る努力をする、この考え方に今からでも転換すべき。
仕事で成功を収める人は、常にこの考え方で動いています。相手の意図を汲み取り、取引先企業や顧客が何を望んでいるのか、逆に何を望んでいないのかを正確に判断することが成功への第一歩と言えるでしょう。
携わっている職種によって異なりますが、リストをいくつか作成し、相手をそのリストの中に分類してみてはどうでしょうか。
営業職で例えてみますが、この職種は顧客に契約をさせる、商品を販売することが最終的な目的となります。誰かと知り合うことができたら、自社の商品などに「興味を持ってくれている人リスト」、「もしかしたら興味を持ってくれるかもしれない人リスト」、「全く興味を持ってくれていなさそうな人リスト」のどれかに分類していきます。
こうすることで、誰がどのような意図を持ち、あるいは性質を持っているのかを簡単に把握できるようにするのです。これだけで次の行動に出やすくなるでしょう。
これは他の職種でも当てはめることが可能です。社内の人間をリスト化してもいいですし、仕事で接することのある企業そのものをリスト化してもいいでしょう。
自分で作り上げたリストに的確に分類するには、相手をよく観察する必要が出てきます。人と話している時に、その仕草や表情、言葉の使い方や距離感などから、相手の意図や性格、性質などをしっかりと汲み取るよう努力してください。
的確に分類できれば、仕事をする上でそれは必ず役に立ってくれます。
相手によって変化させたい行動やアプローチ
作成したリストに分類しただけで終わりでは意味がありません。大事なのは、そのあとのアプローチ。
なぜわざわざリストを作りそれぞれの取引相手先や顧客、社内の人間や企業などを分類したのかといえば、それぞれに対して的確にアプローチしていくためです。
上で挙げた営業職の例で言えば、「興味を持ってくれている人リスト」と「全く興味を持ってくれていなさそうな人リスト」に分類されている人に同じアプローチをしても時間の無駄であることはわかりますよね。
前者にはより積極的にアプローチをし、後者には程よい距離を保ちながら自社の商品等の情報をさりげなく流す、あるいは連絡を取りながらたわいない話で興味を自社の商品等に持っていくというアプローチの仕方が必要になってきます。
より重要視することは、「興味を持ってくれている人リスト」に分類されている人との契約です。契約が取れる可能性が大きいからこそこのリストに分類したわけです。まずはここの人と契約しなければ、いつまで経っても成果など挙げられるわけがありません。
それぞれの相手によって異なる行動をとり、異なるアプローチをしてください。その中で相手に変化が現れてきたらリストを移し変える作業も随時行っていきましょう。
これによって誰に対して何をすべきかが明確になるため、無駄な時間を消費せず、効率的に仕事を進めていくことが出来るようになります。
成功者に必要な推察能力と行動力が身につきます
ここで説明したようなことをしていけば、自然と推察能力が身につきます。誰がどのようなことを考えているのか、その意図や性質をつかむことができるようになるのです。
そして、行動力も身につけることができるでしょう。しかも、誰に対しても同じ行動ではなく、相手の性質によって異なる行動を起こすことができるようになります。
これが、仕事相手や取引先企業、あるいは顧客といった人たちと上手に渡り歩くための考え方であり、その方法です。闇雲に行動すればいいというわけではありません。
人は、しばしば自分本位になりがち。その考え方を変え、相手の思考やメンタルにフォーカスしてみれば、必ず新しい発見が出てきます。リスト化するという作業を加えれば、さらにそれを明確化させることができ、本当の意味での正しい行動に出られるようになるでしょう。
正しい行動に出られれば、それは成功への階段を登っているということにもなります。これが継続できれば、いつの間にか仕事のできる人間になっているのではないでしょうか。