商品を説明し、納得して購入してもらう。
セミナーや教材の内容を理解し、参加申し込みのボタンを押してもらう。
これらを達成するために欠かせない要素のひとつに「バックグラウンドストーリー」があります。
バックグラウンドストーリーとは、商品を販売に至った経緯、セミナーを開催する理由、プロジェクトを立ち上げたいきさつなどを指します。
例)
この講座を開催するに至ったのは、ある50代男性ビジネスマンの「広報チームを束ねる役職に就くことになったが、そもそも文章に自信がない。部下を納得させられるだけの文章スキルを身に付け、きちんと指導できるようになりたい」という相談がきっかけです。彼は、長年営業を担当しており、話術には長けているものの、文章となるとさっぱり。文章に苦手意識があり、書く仕事を避けていたというのです。「そんな私が、ここにきて文章に関する仕事をしなければならなくなった。いよいよ本腰を入れて学ばなければ……」と切実な表情で語る男性に、文章講座の重要性を感じました。
バックグラウンドストーリーがある文章とない文章とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
以下のふたつの文章を読み比べてみてください。
アパレルサイトにはよく「スタッフが試着してみました」という項目があり、例えば「透け感がなく、ゆとりのあるデザインでした」「ビジネスカジュアルにもオフにも使えるデザインで、毎週着ています」などのコメントが掲載されています。
同様に、スタッフにも試させてみて、生の声を集めてみましょう。
生産者、研究開発者、企画担当者、バイヤーといった役割の人が、どのようにして商品を開発したのか、その商品と巡り合ったのか、企画を立ち上げたのか。
その人たちでしか体験しえないことであり、彼らの生の声はよりリアルに読者に届きます。
「刺さりやすい」のです。
私は会社員時代、研究開発者に話を聞きに行ったり、バイヤーが同席する会議に参加したりしていました。
そして、彼らの会話から「これは訴求ポイントになる!」という言葉を拾い集めていました。
同様に、彼らにインタビューし、刺さりやすい声を集めてください。
リリースして時間が経っているものなら、カスタマーレビューを活用しましょう。
実際に利用したり体験したりしている人の生の声も、非常に参考になります。
思いもよらない表現を使ってその商品やサービスの魅力を教えてくれることもあります。
ユーザーは優秀なコピーライターでもあるのです。
「訴求したい内容に説得力を持たせたい」「親しみを感じてもらいたい」「自分も申し込まないと、と思わせたい」というときは、バックグラウンドストーリーを入れることを意識してみましょう。