夫婦の歩みは山あり谷あり。長い人生の中では、「離婚」の危機に直面することもあるでしょう。
今回は、実際に「離婚」を互いに同意し、その協議から一転、再び夫婦関係を構築する道を選択したYさんに、女性の立場からの「原因→再構築」の過程を伺いました。
【家族構成】Yさん(30代後半) 夫(40代前半) 子ども2人(4歳・1歳)
私たち夫婦の離婚問題になった要因は、「お金」です。
もうずいぶん長い間、夫に「生活費が足りないからもう少し欲しい」と伝えては、価格交渉失敗……そんなことを繰り返していました。
夫は自分では十分な金額を渡しているつもりでいたので、交渉の余地なしだったのです。
しかし、現実にはそれではまかないきれず、貯金に手を付けるようになりました。
もちろん、夫には何も言わずに。
それが知られると夫は「離婚」を突き付けてきました。
私も今の生活から脱却したかったので、十分な生活費を渡してくれない夫との離婚に応じ、離婚のための話し合い、離婚協議へと進みました。
ところが、数日後に「やはり夫婦関係を再構築したい」と夫から申し出がありました。
正直、再構築の道を選ぶ気力はそのとき湧きませんでした。
そう伝える私に、「話し合おう」と言う夫。
気乗りはしませんでしたが、話し合いには応じることにしました。
そのときなぜ、話し合いに応じたのかは分かりません。心のどこかで私も再構築したかったのかなと、今振り返ると思います。
話し合いをする前に夫は、「自分が話を聞かなかったことが原因だ」と気づいたと話し、続けて「やり直せるならやり直したい」と言いました。
今まで、喧嘩をしても私を責めるだけで「自分には非がない」と一点張りだった人が、自分の非を認め、謝罪までしてきた事に驚きました。
夫との再構築の話し合いの前に、私は友人に相談をしていました。
もらっていた生活費で生活できないことを恥じていたら、「その金額で、家族4人生活なんてできないよ」と言われました。
そのとき、夫に対して強気に出てもよいと気づいたのです。
「お金の使い方が荒い! 」とかつての価格交渉の時に責め立てられ、私は自分自身を責めていました。でも、私が恥じる必要はないのだと気づき、夫に対して強気の姿勢で話し合いが進められたのです。
夫の性格上、私が弱気の姿勢で話し合いを進めていたら、再構築の話し合いはうまくいかなかったのだと思います。
夫は自分の非を認め謝罪をし、考えを改めた……。
私は「お金の使い方がおかしい! 」と言われ続けたため、自身で「お金の使い方が荒い」と思い込んでいたことに気づいた……。
私たちはお互いが変わることで、再構築の道を選ぶ事ができたのだと思います。
でも、お互い「相手を大切に思っている」事が根底にないと、再構築についての話し合いはできないと痛感しました。
このできごとから半年ほど経ったYさんの現状をうかがいました。
「今は夫のいいところを見つけようと思えるまで信頼は回復しましたが、100%信頼できるまではもう一歩という状況です。でも、夫を信じていいかなと前向きな考えになっています。」
責め合いから話し合いへ。向き合う勇気を持てたからこその関係修復。
Yさんご夫妻は再構築の道を歩み始めました。でももし別れを選択していたとしても、きちんと向き合ってからの判断は、その納得感が大きく違ったと考えます。
Yさんのお話を伺いながら、向き合う勇気の大切さを思いました。
【文責:編集部】