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「質より量」という討論

「質より量」という討論

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会議をするのであれば、できれば質の高い会議をしたいと考えるもの。ですが、ブレーン・ストーミングでは質より量だとしています。質より量ということは、質の低いアイディアが出てくるかもしれません。それでも尚、「質より量」なのでしょうか。

高い質を求める代償

質の高い会議をしたい。会社組織であればこのような志を持つのは分からない話ではありません。会議とは時間を割いて行われているのです。それだけに、かけた時間分は有意義なものを生み出そうという気持ちがあって当然です。「質の高い会議をしたい」と思うのはよく分かりますが、ブレーン・ストーミングでは「質より量」です。一体なぜなのでしょう。「うちの会議は質の高いものにしたい」と発言することは、会議に参加している人間に、ある種の「フィルター」をかけてしまう危険性があるのです。

たとえば何かアイディアが浮かんだとしても
「こんな意見では怒られる」
「質の高いものをと言っているだろう、と言われて終わりだな」
「何を言われるか分からない」

と言ったように、会議の参加者に対して威圧感を与えてしまうのです。これでは「いろいろな意見を出してくれ」とアナウンスしても、「質が高くないから」と思われてしまい、結果意見など出てこないのです。結局これといった意見が出ないおかげで「時間の無駄だった」と感じてしまう。そもそも時間の無駄にしたのは「質の高い会議をしたい」とアナウンスしたことも関係しているのです。

質より量でよい理由

会社としても予算や時間などいろいろな限界がありますので、量より質でいく方針は間違いではありません。ですが、会議に関しては質より量で良いのです。なぜなら、量がたくさん出てくると、それらを組み合わせるなど工夫することによって、新しいものを生み出せるかもしれないからです。会議で出てきた意見は、YESかNOかの二元論ではないはずです。
正直、あまり有効ではないと思った意見でも、他の意見と上手くミックスすることにより、「質の高いアイディア」になる可能性が出てくるのです。初めから「質の高い会議だから、質の高いアイディアを出してくれ」とアナウンスしたら、誰も何も言えません。ですが「何でも良いから意見を出してくれ」と言えば、質に関係なく、様々な意見が出てくるはずです。
そして、意見がたくさん出てくることによって、誰もが自分の意見を言いやすい雰囲気にもなります。なかなか意見が出てこないような会議だと、自分の意見を言おうにも「この雰囲気では言いづらいからいいや」となってしまうかもしれません。
ですが、誰もが気軽にアイディアを出し合っていると、「自分も多少なりとも何か言おう」という心理が働くようになるのです。

質より量でも厳禁なこと

質より量だとアナウンスすることによって、参加者にとって会議のハードルが低くなります。そのため、活発な会議になるのですが、そこでも厳禁なことがあります。それは意見の否定です。質より量だとアナウンスしているのに出てきた意見に対して「それは違うだろ」「それはおかしい」「無理だな」といったように、否定的な意見を投げかけては、「どうせ否定される」になってしまいます。どのような意見であれ否定するのではなく、肯定的にとらえること。それによって、会議そのものがより活発なものになります。質より量とアナウンスするのであれば、否定的意見の禁止も徹底しておくべきでしょう。
否定的な意見ばかりになると、会議そのものに停滞感を生まれ、結局はどれだけ数が出ても「時間の無駄」だと感じられる時間になりがちです。いろいろなアイディアを生みたいなら、否定的な意見を言わないルールもまた、大切なのです。

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