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意外とデメリットが大きくリスクの高い「マトリックス組織」

意外とデメリットが大きくリスクの高い「マトリックス組織」

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組織形態にはいくつかの種類が存在し、それぞれがメリットやデメリットなどを内包しています。また、企業規模や理念、予算や目標、取り扱い商品や業界などによっても、それらメリットやデメリットの出方等が変わってくるものです。

組織形態の中でも少々変わった特性を持つ「マトリックス組織」と呼ばれる形態が存在しています。これはどのような組織形態なのかを知っていれば、改めて組織を見直したり再編する際にも役に立つことでしょう。デメリットや問題点などマイナスの要素にも目を向けつつ、この組織形態についての理解を深めていきましょう。

複数の組織形態からなる「マトリックス組織」の特徴

組織形態にはいくつかの種類が存在していると言いましたが、代表的なものを挙げると、商品別組織、顧客別組織、地域別組織などがよく知られているところでしょう。商品別組織は、企業で取り扱う商品やサービスごとに担当者がおり、それぞれの専門知識を有しながら顧客に対して営業活動を行う形を主とする組織形態です。他の2つも同じように、それぞれ顧客、地域といった部分を主なる対象としてアプローチし、自社の商品やサービスを販売・提供していきます。

マトリックス組織は、こうしたいくつかの組織形態をまとめて取り入れた企業体のことを指している点で、他の組織形態とは異なるのです。商品別組織と同時に地域別組織の特徴も持ち合わせる、そのような組織形態をマトリックス組織と呼ぶわけですが、2つではなく3つの組織形態を合わせた形もマトリックス組織と表現することができます。

これはかなり大きな規模の企業やグローバルに展開している企業が取り入れている形であり、規模の小さな、あるいは非常に限定的な商品・サービス展開を行なっている中小零細企業にとっては、あまり効率的な組織形態であるとは言えないでしょう。

マトリックス組織のメリットと問題点

商品別組織や地域別組織など、どこかの分野に特化して組織を編成する際、これにはどの形態にも一長一短あり、必ずメリットとデメリットが生じてしまうのですが、複数の組織形態を組み合わせることで、双方の、あるいは3つの組織形態のメリットを同時に確保できるという利点があります。それがマトリックス組織を取り入れる企業が存在している理由です。
また、各組織形態の持つデメリットをカバーできる側面もあるでしょう。これもマトリックス組織を採用する利点の一つ。自社のある商品に関しては知識も豊富で市場のニーズもわかってはいるけれども、地域ごとの特性に関しては疎い、その足りない部分を、地域別組織も取り入れることで補おうという考え方がマトリックス組織なのです。

この組織形態には、もちろんデメリットや問題点も存在しています。まず、営業部の責任者が1人ではなく2人以上になってしまう点です。一方は商品に、一方は地域に、もう一方は顧客にと、それぞれ専門性が異なるため、このようなことが起こります。責任者が複数になれば、指示・命令系統が統一できず、現場が混乱するリスクが出てきます。責任者同士のコミュニケーションが欠かせず、しかし、この点の調整は非常に難しく、何らかの衝突が発生することも考えられるでしょう。

この調整や問題を解決するためのコストがかかることも無視はできず、派閥争いなどが生じれば、マトリックス組織のメリットを享受することは一切できなくなります。当然、効率の面でもメリットがなくなるので、とてもリスクの高い組織形態と言えるでしょう。しかも、規模の大きな企業では個人間の感情や利害がぶつかりやすいですから、なおさら採用が難しい組織の形となりそうです。

現在ではさほど主流ではない組織形態の一つ

このマトリックス組織は大企業やグローバル企業で採用されやすいことはお伝えした通りですが、しかし、現代社会においては決して主流とは言えない組織形態となっています。その理由は先述したように、コストがかかることと、組織管理が難しいこと、組織内での対立が発生してしまうことなどが原因です。

マトリックス組織と呼ばれる形態を取るのであればカンパニー制と呼ばれる形にしたり、持株会社の形を取った方のメリットが大きいと判断され、今ではこれらを選択するところが多くなっています。主流ではない組織形態を選ぶのであれば、それ相応の理屈が必要となります。確かにメリットがあり、これしか選択肢がないという状況でなければ積極的に選ぶべき形とはならないでしょう。

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営業マネジメント

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