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テリトリー制の一つである「複数テリトリー制」を紹介します

テリトリー制の一つである「複数テリトリー制」を紹介します

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テリトリー制は、営業活動範囲を地域特性や商品・サービスの特徴、顧客の数量や質、あるいは営業戦略や営業担当者の能力などによって設定・制限し、効率化を図る営業手法の一つですが、それをさらに細かく分けることが可能です。ここではその一つである、「複数テリトリー制」について深く掘り下げてみましょう。

全ての企業や営業部門が複数テリトリー制に適しているわけではありません。その利点や欠点を整理しながら導入を検討し、準備していく必要があります。しっかりとこのシステムの中身を理解した上で、取り入れるかどうかを決めていきましょう。

「複数テリトリー制」の概要と種類

テリトリー制は、最初に説明したように、営業を行うエリアを最初に設定・制限し、そこに営業担当者を配置し、戦略に沿いながら目標を達成するために活動を行なっていくためのものです。そのテリトリー1つに対して複数の営業担当者を配置する、それが「複数テリトリー制」と呼ばれる手法です。

また、この複数テリトリー制はさらに2つのタイプに分類することが可能です。1つは、1つのテリトリーに対して4、5人の営業担当者を置く形。これは「グループテリトリー制」と呼ばれ、人数はテリトリーの範囲や顧客の数・性質などによっても変化しますが、ある程度の人数の営業担当者を1つのテリトリーに配置するのが特徴となっています。

もう1つは、「ダブルテリトリー制」と呼ばれる手法で、1つのテリトリーに配置するのは2人の営業担当者であり、また、この2人の営業マン達はそれぞれ異なる特性を持っているところがポイント。異なる特性とは、例えば性格や経験、実績や能力などのこと。これらが異なる2人の営業担当者を1つのテリトリーに配置することで、片方の足りない部分を他方が補うなど、ダブルテリトリー制ならではのメリットも得られることになるでしょう。

この複数テリトリー制は、例えば顧客がある一定以上の規模を持つ企業であったり、取引先の企業が複数の事業所や店舗を持っている場合などに有効となる営業システムです。1人では対応や営業活動に限界があるケースなどでは、このシステムが採用されることが多くなっています。

負担や顧客への対応面に大きなメリットあり

営業活動は非常にストレスの溜まる行為ですが、複数テリトリー制は1つのテリトリーを何人もの営業マンで管理するため、そのストレスを軽減する効果が得られます。なぜなら業績等の責任を1人で丸抱えする必要がなくなるためです。

顧客などに関する情報を収集しやすくなる点も、この複数テリトリー制のメリットの一つ。
1人では情報収集の量にも質にも限界があります。複数の営業担当者が情報を持ち寄れば、1人では気付かなかった点に関しての情報も集約できるため、より多角的な情報収集が可能となるのです。仮に1人の営業担当者が顧客に対応できない事態となっても、他の人がそれを補える点も大きな利点。注文が多発したとしても対応できますし、問い合わせに対しても顧客や消費者にストレスを与えずに対応することが可能となるでしょう。

企業に入社した新人営業マンを育成しやすいというメリットもあります。ベテランの営業担当者と同じテリトリーで学ばせることで、企業独自のノウハウや顧客の情報を得やすくなるため、営業活動を通じて効率よく新たな営業マンの育成ができるはずです。1つのテリトリーに対して1人の担当者しか配置しない場合には、顧客との関係が密になり過ぎ、それが馴れ合いやマンネリへつながるリスクがありますが、複数テリトリー制であれば、そうしたリスクも軽減できるでしょう。

メリットがこれだけあるからこそ、多くの企業で取り入れられている複数テリトリー制。これらのメリットを欲しているのであれば、この営業システムの導入は有効に働くのではないでしょうか。

責任の所在や顧客との関係性に関する欠点も

営業活動の成果やそれに伴う業績等の責任を1人で丸抱えする必要のない点が、この複数テリトリー制の1つのメリットだと上でお伝えしましたが、これがデメリットとなることもあるので注意したいところです。責任の所在が不明瞭となれば、問題やトラブルが起こった時、誰がその責任を負うのか、これもわからなくなってしまいます。複数テリトリー制を導入する時には、責任の所在を明確にしておくことが求められるでしょう。

営業担当者が多くなり過ぎると、1人1人の活動は楽になりますが、それに甘えてしまうという弊害も出てくるかもしれません。逆に、それぞれがしっかりと仕事をこなしても、例えば営業先が重なり無駄な営業活動が出てくる可能性も。同じテリトリー内であっても、誰がどのエリアを担当するのかを慎重に考え、あるいは顧客や消費者の属性によって担当先を分けるなど、細かな調整が必要となりそうです。

同じテリトリー内で別々の営業担当者が切磋琢磨し合うのは素晴らしいことですが、それが過剰になり過ぎると余計な競争が起き、営業担当者同士の関係のヒビが入る可能性も否定はできません。営業マネジャーやそのテリトリーの管轄責任者がしっかりと他の営業マンの管理をすることが求められるでしょう。

さらに、顧客との関係が希薄になるかもしれないリスクも、この複数テリトリー制にはひそんでいます。毎回異なる営業担当者が対応すれば顧客も戸惑うはず。そうした顧客の不満や不安をいかに解消するのか、ここも一つの課題になると思っておかなければいけません。

これら複数テリトリー制を導入することで生じうるデメリットは、しっかりと対策を講じておけば回避することが可能です。テリトリー制度の中でも1つのテリトリーに複数の営業担当者を配置する手法を採用する時には、こうした欠点にも目を向け、問題やトラブルが発生しないための組織づくりを強く意識すること、これを忘れないようにしましょう。

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営業マネジメント

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