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売り上げを予測するために活用したいいくつかの手法

売り上げを予測するために活用したいいくつかの手法

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営業目標を決めていく上で参考にしたいのが売り上げ予測です。参考という言葉以上に重要な意味を持ってくるのですが、この売り上げ予測が正確かどうか、そして現実的かどうかによって、営業目標の数字やあり方も変わってくるため、これを適当に考えることはできません。

その売り上げを予測するために活用可能な手法をいくつか紹介していきます。これらの手法以外にもさまざまなものがあると同時に、どれか1つの手法のみに依存するのも危険であると認識しておきましょう。あくまでも一つの数値を算出するための手法であり、他のあらゆる手法やデータ、状況や環境なども考慮しながら売り上げの予測をしていかなければいけません。

「移動合計値」を割り出し月単位で予測する

過去の実績データが残っている場合には、それを利用し「移動合計値」を算出することで売り上げの予測をすることが可能です。

例えば、ある年の11月から翌年の10月までの売り上げを合計し、それを次の年の10月の移動合計値とします。このように過去のデータを元に1ヶ月ずつずらしながら1年分を合計し移動合計値を出していくと、売り上げの差を月ごとに算出することができるので、傾向を掴めるようになるのです。こうして割り出した次の月や年の売り上げ予測をグラフとして書き出すと、よりその傾向をつかみやすくなるでしょう。

もちろんこれはあくまでも傾向を割り出したに過ぎません。しかも、過去1年間の数字を元にしているだけなので、その予測がどれだけ正確なのかは実際に次の年が終わってみないとわからないのです。ただ、一つの傾向として参考にできることは確かですから、移動合計値を積極的に算出しながら次の年の月ごとの予測を割り出してみましょう。

エクセルを活用し売り上げを予測する

エクセルの分析ツールを活用しても、売り上げの予測を行うことが可能です。また、適当なグラフを用い、同じように予測を行うことができるでしょう。もちろん、これらの手法を有効化するには必要なデータを集める必要がありますが、それがあれば、あとは分析ツールに入力したり計算式(一次回帰式やグラフを書き出すのに必要な数式)の適切な箇所にそのデータを当てはめて計算すればいいので、さほど難しい作業とはなりません。

まず整理しておきたいのは、従属変数と独立変数です。これらはそれぞれ目的変数や説明変数と呼ばれることもあります。回帰分析において従属変数には売上高を、独立変数には時系列番号を指定。それらから割り出された数値が出力されます。一次回帰式の計算式を「y=ax+b」とした場合、aにあたる偏回帰係数が、bに当たる切片がともに割り出されるので、それぞれを先の計算式に当てはめていき、xに年次を入力すれば、y、つまり売上高の予測を算出できるわけです。

また、グラフを用いる場合には、「散布図」を活用します。散布図には複数のパターンがありますが、それぞれの数値を線で繋がないパターンを選択するといいでしょう。「近似曲線の書式設定」の「オプション」を選択します。さらに「グラフにR2乗値を表示する」と「グラフに数式を表示する」にチェックを入れると売り上げの予測に必要な近似曲線と計算式が出てきます。これらがわかれば、あとは必要な数字をその計算式に当てはめていくことで、次の年や月の売り上げを予測することができるでしょう。

計算式を用いて売り上げの予測値を算出する数ある手法の中の2つを紹介したに過ぎません。他にも関数を用いる方法など、まだまだたくさんの手法があります。併用することも検討しながら売り上げの予測を立て、それを予算や目標の設定に役立てていきましょう。

売上高目標設定のための市場動向データ

市場がどのように伸びていっているのか、あるいは縮小しているのか、さらにはシェアの状況などを考慮しながら売り上げの予測をしていく方法もあります。自社の実績データを用い、過去と比べどの程度成長したのか、どの程度シェアを拡大したのかを割り出せば、それを元に次の年や月の売り上げ目標値を設定しやすくなるはず。予測というよりも目標の設定の参考となる値を割り出すという考え方ですが、大きな参考値となることは間違いありません。

ただ、それだけを目標や予算の設定に用いるのではなく、それに市場のニーズや環境の変化なども勘案した上で調整を行うようにしてください。

名目伸長率を算出するには、当期売上高を前年の売上高で割り100を掛けます。実質伸長率を算出するには、自身の企業の伸長率を業界の伸長率で割り100を掛けます。市場拡大率は、当期市場シェアを前期の市場シェアで割ります。このように、とても単純な計算式でそれぞれの率を割り出すことは可能ですが、単純な計算式だけに、これだけを頼りに売り上げなどの目標値を算出することはできません。

また、前期の売上高に名目目標伸長率を掛けることで総売上高目標を算出し、これを名目伸長率にフォーカスした目標とすることが可能で、次期の名目伸長率を、次期の名目伸長率を同じく次期の市場の伸長率の予測値で割って出てきた数値で割り100を掛けることで次期の実質伸長率を算出することも可能です。

さらには、前期の売上高と先ほどの計算で算出した次期の実質伸長率を掛け合わせることで総売上高目標が割り出せますし、次の年の業界売上高と前期の市場シェアと市場拡大率の全てを掛け合わせることでも、総売上高目標を算出することができます。前者は実質伸長率を利用し、後者は市場シェアに視点を置いて総売上高目標を算出する計算式です。

どこに視点を置くのかによって、算出される数値が変化してくるでしょう。だからこそ何を重視し、どれを採用するのかを慎重に考えていかなければいけません。繰り返しますが、どれか1つのみで目標や予算を設定することはあり得ず、あらゆる角度からアプローチしながら、営業部としての目標を設定していくことが求められます。

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