マーケティング本の分析方法
マーケティングに関する学習本を読むことは、企画を考える上で非常に役に立ちます。学習本を読んだ分だけ、マーケティングに関する知識が増え、自分自身で企画をする際にプラスになります。ですが、忙しいビジネスパーソンは、販売されている全てのマーケティング本を読む時間を作り出すことはできないでしょう。スキルアップや発想力向上のためには、学習本を読まないわけにはいきません。どうすれば良いでしょうか?
1番良い方法は、学習本の1ページ目から最終ページまで全てを読まないことです。マーケティング本に限らず、学習本は作者によって特定の意図の元に構成されています。つまり本の流れがあり、その流れに沿って読むのが、1番理解しやすいということになります。時間が足りない場合は、こうした作者の構成に従って読む必要はありません。どのような観点でマーケティング本を読むのかというと、企画のための技を見つけるというものです。この方法で学習本を読むことで、特定の分野におけるマーケティングの技を盗むことができます。
例えば製品開発や改善に関する部分のみをじっくりと読むなら、この分野における企画力を身に付けることができます。それは製品やサービスの価格設定などの面においても同じ事です。5冊のマーケティング学習本の、製品規格の部分のみを重点的に読むなら、それぞれの学習本から数個ずつの技を学ぶことができます。つまり1部分だけの読破になるものの、20以上の技を身に付けることができます。
ビジネスパーソンは立ち止まるのではなく、新しい視点を常に取り入れることで、新しい発想を生み出すことができます。そのためには、マーケティング本の特定の部分を「技を盗む」「どんな技が含まれているのか」という観点で見てみましょう。
本を読むというスタイルではなく、学習本を眺めるというスタンスの方が技を見つけやすくなります。
企画のコツは4Pを細分化すること
4Pとは、すでに何度も説明しましたが、PRODUCT(製品)、PRICE(価格)、PLACE(流通)、PROMOTION(販売促進)という4つの要素の事です。商品やサービスには、この4つの要素が必ず関係しているため、商品やサービスを改善や改良するのであれば、まず4点を考えます。しかし製品部分で企画を考えるようにという指示の場合、4つの要素ではまだ範囲が広すぎます。細分化した分野で商品やサービスを考えていくなら、改良や改善などの企画を考えやすくなります。
例えば、PRODUCT(製品)についてさらに分類してみましょう。製品については、品質、デザイン、サイズ、パッケージ、商品名、保証期間、保証内容、返品対応というように、さらに細かく分類することができます。ただ単に製品という大きな分野で新しい企画を考えるよりも、細分化された内容で考える方がより新しい発想を生み出しやすくなるでしょう。これを同じように他の3つの分野でも行なうことができます。
PRICE(価格)については、消費者希望価格、優遇条件、割引条件、商品値引き、支払方法、支払期限、信用払いなどに細分化することができます。こうすると価格分野において、優遇条件でさらに向上させる余地があるのではないかなど、いろいろと考えることができます。
PLACE(流通)面でも同じ事で、保存場所、運送方法、在庫量、扱う品目数、流通範囲、チャネルというように細分化していきます。流通面でさらに企画するという状態よりも、細分化した方が考えやすいということに気付かれるでしょう。保存場所に関して再考することができるでしょうか、在庫量に関して改善の余地があるでしょうか、こうした点を考慮することで、流通面に新しい企画を生み出すことが可能です。
PROMOTION分野でも、広報、広告方法、販売促進、販売方法、人的販売、ネット販売などの分野に細分化できます。これまでとは異なる公告方法を考えるなら、プロモーション分野における新しい企画となります。
このように4Pをさらに細かく分類するなら、より新しいアイデアを生み出しやすくなります。新企画で悩んでいるなら、まず4Pをどのように細分化できるのかを検討してみる必要があるでしょう。その後、細分化されたそれぞれの項目に従って、新しいアイデアを考えていくなら、多くの企画を思いつくようになります。
ここまでで、有能なビジネスパーソンであれば、細分化された項目をさらに細かく分かられることに気付かれたでしょう。例えば、製品項目を細分化しデザインという項目を作り、さらにこのデザインをどのように細分化できるでしょうか?カラー、形、材質、重さなどの分野に、分けることも可能です。細分化すればするほど、新しい企画やアイデアが生まれてくるでしょう。
ですから4Pについて考慮しただけで満足するのではなく、4Pをどのように分解するのかという所から、新しい企画を検討していきましょう。可能であれば、分解の分解まで行なうことで、より具体的なアイデアを複数出すこともできます。