成長していこうとすると、うまくいかないかもしれないという不安、自分のイメージ通りにいかないという不満、常にこれらにつきまとわれます。これは苦しいのです。このために行動を起こすことを諦めたり、せっかく行動をはじめたのに辞めてしまうということが起こります。
これにどう対処していくかについてお話ししていきます。
うまくいかないかもしれないという不安
セルフコーチングという「心の使い方」をまだ学ぶ前の私は、ブルーな気持ちで朝目覚めることが多かったですね。
朝起きるとその日の保険の商談が頭に浮かびます。
当時はルールとして週15面談を自分に課していましたから、平日であれば3個か4個の面談は必ずあるわけです。
そうすると、不安がわきあがってくる。
「今日の商談はうまくいくかな」
「来週はうまくいくかな」
「来月はどうかな」
「今年うまくいっても来年はダメなんじゃないかな、いや、いつかダメになるに違いない」とか。
今考えたらもう最低のセルフトークで朝から頭の中をいっぱいにしていたわけです(笑)
これって、冷静に考えたら、起こってもいないことを心配しているわけで、1万時間考えても状況は一つも前に進展しない。だから完全に無駄なんですけど、理屈はわかっていても気持ちはそういかないわけですね。
このように、何か始めようとするときに、常に付きまとわれるのが、うまくいかないかもしれないという「不安」です。新規開拓は常に新しい人との出会い、チャレンジですから、どうしてもそうなる。
特に、男性は根源的に「自分が無能かもしれないという恐れ」がありますから、女性よりも不安が強い。
つまり、うまくいかなくて、自分が無能であることが証明されるのが何より怖いのです。
今までやったことのないことは失敗する可能性が常にあるわけですから、新しいことを始める際に恐れを感じるのは当然です。
この不安があまりに強いと、そもそも挑戦しなくなります。
私の肌感覚ですが、外国の人に比べて、日本人には失敗を恐れる人が比較的多いような気がします。
自分のイメージ通りにいっていないという不満
また、思い切ってチャレンジをしたのにうまくいっていない場合、自分の頭の中のイメージとどうしてもギャップがありますよね。そんな時に「不満」を感じます。
そんな時、保険営業で言えば自分の周りの同僚と比べて、数字が上がっていない時、このままじゃダメなんじゃないかと思ってしまう。
「あ、やっぱ俺ってダメじゃん」と落ち込んでしまうのですね。
うまくいかないかもしれないという「不安」。
イメージ通りうまくいっていないという「不満」。
こういうフラストレーションは本人にとっては結構ツライ。
で、それがあまりに強いと、チャレンジすることをやめてしまったり、せっかく始めたことでも途中でやめてしまうわけです。
それは勿体無いですよね。
でも実際そういう人って少なくないのです。
ではどうしたらいいのか。
これに対処する私の方法を公開しちゃいましょう。
それを受け入れる
まず大事なのは、そういう「不安」と「不満」が自分の心の中にある、ということをまずは認めることですね。
これは結構大事なんです。
例えば、なんとなくドヨーンと暗くなっているなんていうときに、「あ、オレはいま不安なんだ。だから落ち込んでるんだ」と認識する。
情動に振り回されている時は情動の奴隷だけど、なぜ自分がその情動を持つのかということがわかれば、ちょっとだけ冷静になれる。
これが結構大事。
一番いけないのは、ないふりをすること。
男性の場合は、無意識に自分の弱さを認めない人もいるのだけど、ほとんどの人間は弱いよね。
私もそうだ。
「不安」と「不満」があることを積極的に認めてしまおう。
その上で、衝撃的なニュースを伝えたい。
人間として成長を目指すのであれば「不安」と「不満」は常について回る。
だから、上を目指している限りは「不安」と「不満」から解放される日は、多分来ない。
というわけで、一生こいつらと付き合うことを覚悟して下さい(笑)
じゃあ、成長することを諦めたら、ゲームから降りたら、不安から解放され心の平和が手に入るかというと、そうでもない。
また別種の不安に苛まれることになる。
保険営業パーソンにはキャンペーンというやつがつきものですよね。私の在籍していたソニー生命では、社内コンテストなんて言っていましたが。日本社さんでは「6月戦」とか「12月戦」とか言っているアレです。
コンテストが始まると壁には成績グラフが張り出され、支社全体がピリピリします。
私はどうにもこの緊張感が苦手で、途中で入賞を諦めた、つまり「コンテンツを降りてしまった」ことが2回ほどあります。
コンテストを降りて、心の平和を得られたか。いいえ、答えは「No」です。
得られないどころか、罪悪感さえ抱いていました。
支社の仲間は頑張ってるのに、自分だけこっそり降りてしまったことに対する罪悪感でした。
いや、もう気分は最悪でした。
話を戻しますと、チャレンジを続けている限り、「不安」と「不満」は常に付きまといます。
これとは一生つき合う、そう覚悟を決めて下さい。そう、
つまり「受け入れる」ということです。
自分の努力を認め、褒めてあげる
その上で、よくやっている自分を褒めてあげて下さい。
特に自分は褒めることがない、なんて思うかもですが、保険営業というとびきり難易度の高い仕事を3年以上続いた人は、それだけですごいのです。考え方を変えて下さい。
そのすごい仕事を日々やり遂げているのですから、褒めるところがないわけがない。
商談がうまくいった、お客さんに喜んでもらえた、仲間を喜ばせた、家族を喜ばせた・・・
なんでもいいじゃないですか。
仏頂面しているよりも「俺は頑張っている」と自分を褒め、労って下さい。
- 不安と不満とは一生付き合っていくと覚悟する
- 自分の努力を認めて、褒めてあげる
これが私にはすごく効果がありました。
一週間もすると、周囲の景色が変わってきますよ。
自分にかける言葉を意識して変えていくと、明らかに周囲の状況が変わってきました。
で、実はこれ、変わったのは周囲ではなくて、自分なのだと後で気づきました。
騙されたと思って、ぜひお試しあれ。