観察→推論→仮説→検証→考察の科学の5段解法でイノベーションを起こそう!

Business photo created by freepik – www.freepik.com

書評家・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。

今日はビジネスでイノベーションを起こすための、科学的手法について考えてみたいと思います。参考にしたのは、京都大学農学博士の篠原信氏の「ひらめかない人のためのイノベーションの技法」です。

 

3つの科学的メソッド


科学には3つの異なる手法があると著者は言います。

1、実験科学
実験で検証を重ね、新現象を把握し、新技術開発につなげる。
2、観察科学
観察しては仮説を立て、別の観察結果で検証することで、信頼性の高い「仮説」をあぶり出す。
3、理論科学
数学や理論物理のように、正しいとされる理論から論理を伸ばして新たな理論を構築する。


著者はビジネスにおいては観察が重要だと言います。

 

観察→推論→仮説→検証→考察の科学の5段解法


観察することで、未知の世界を既知の世界に変えることができます。この観察科学はビジネスの世界でも活かせます。たとえば、「人気のカフェを開店したい」と考えたなら、まずは、人気店をたくさん訪問して「観察」しましょう。観察することで、人気店にはこうした秘訣があるのではないか、と「推論」が働き、「こうした店づくりをすれば人気店になるかも」という「仮説」が思い浮かびます。その仮説が確かめるために、次に不人気店を訪れます。素晴らしい内装が成功の秘訣だと考えたにもかかわらず、実際にはお客が少ないことが「検証」できます。住民構成をチェックすると高齢者が多く、内装とのミスマッチが起こり、失敗していることがわかります(「考察」)。

観察→推論→仮説→検証→考察を繰り返し、立地やターゲットの視点を加えるうちに、成功店のルールがわかるようになります。

観察→推論→仮説→検証→考察の科学の5段解法を繰り返すうちに、未知を減らすことができ、アイデアの幅が広がります。自分が間違えた時には間違いを素直に認め、仮説を紡ぎ直しましょう。実験と観察を繰り返し、「知らない」を「知る」に変え、「できない」を「できる」に変えることで、課題を解決できるようになります。

理論科学は絶対に正しいと信じると落とし穴に陥ります。今までの理論が全て正しいわけではありません。理論に頼るのではなく、実験科学と観察科学の手法を上手に取り入れ、科学の5段解法で物事を見るようにすべきです。「知らない」ことを減らし、「知る」を増やして、自分の可能性を広げましょう。

 

ひらめかない人のためのイノベーションの技法
著者:篠原信
出版社:実務教育出版

徳本昌大

この記事を書いた人

複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。  サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。 https://tokumoto.jp/