見込み客を商談に持ち込みたい!でも破談が怖い…板挟みの感情を克服する方法とは?

人柄もよく、羽振りの良さそうな見込み客と知り合えたけれど、本格的な商談に持ち込んで失敗しないだろうか…
保険営業でこのような悩みや不安を感じたことはありませんか?
現在進行系で困っているFPの方もいるのではないでしょうか。

相性が良い見込み客との破談は、FPにとって非常に手痛いもの。回避したいと思うのは自然なことです。
しかし、怖がってばかりでは成果には繋がりません。
この板挟みの状況を脱却するには、どうすればよいのでしょうか。

今回は「商談を持ちかけたいけど破談が怖い」という気持ちを克服する方法について解説します。

 

相反する気持ちに拘束されてしまう

 

期待できる見込み客に、正式に顧客になって欲しい。
でも良い見込み客だからこそ、破談になるのが怖い。

こうした相反する感情に縛られ、決断を出せないまま身動きが取れなくなってしまう人には特徴があります。

①すぐに「できない」と思ってしまう
②行動する前に考え込む癖がある
③自信がない
④自己肯定感・自尊感情・自己受容感が低い
⑤人に相談できない、人に頼れない
⑥否定的自動思考の刷り込み
⑦優柔不断な性格
⑧周りの人間に依存している
⑨失敗することに恐怖心・トラウマがある

⑥の否定的自動思考については、こちらの記事で詳しく解説しています。
上記の通り、ネガティブな性格的特徴が見て取れます。
このような性格になる要因として、過去のダブルバインドの影響が考えられます。
ダブルバインドによって、どんな影響が表れるのか。詳しく見ていきましょう。

 

ダブルバインドの影響

 

まずはダブルバインドについて簡単に説明しましょう。

ダブルバインドとは、日本語で「二重拘束」という意味があり、矛盾した2つの命令・メッセージを出して相手を混乱させるコミュニケーションのことです。
矛盾した2つの命令とはどういうものか、例を紹介しましょう。

◆母親に「好きな玩具を買ってあげる」と言われ、好きなものを選ぶと「それは高いから駄目」と断られる
◆「何でも相談して」と言われていたので、分からないことを聞いたら「自分で考えろ」と返される

特に後者の例は、「自分で考えろ」と言われた後、相談しなくなると「なぜ相談しないんだ」と更に矛盾したことを言われる場合があります。

上記のような矛盾した話を伝えられると、受け手は混乱する上に、どんな行動をしても否定される状態になります。
自分の行動が否定され続けることは、精神に多大なストレスを与えます。
そして次第に「何をしても評価されない」「自分は能力がない」と自己肯定感や自信が低下してしまいます。
この状態が酷くなると鬱病や不安障害などの精神疾患を発症するリスクが高くなります。

更に、ダブルバインドによって混乱した脳は、情報や思考をまとめる対応力が低下するため、統合失調症に似た症状を呈することがあります。

このように、ダブルバインドは受け手の精神に多大な悪影響を及ぼす話法なのです。

 

思い切って行動してみよう

 

過去に受けたダブルバインドなどの影響で、失敗するだろうと思ってしまう。
自信がなく、行動に移すのが怖い。

これらの性格的特徴を抱えたままでは、保険営業で成果を伸ばすことは困難です。
では、板挟みの気持ちをどう克服すればよいのでしょうか。

まずは、2つの感情が何故発生するのかを理解しましょう。
「商談を持ちかけたい」願望も、「破談になりたくない」渇望も、根底にある深層心理は同じです。
それは「人生をより良いものにしたい」「今より仕事を充実させたい」という思いです。
だからこそ、成果を伸ばしたいし、失敗もしたくない。

根底が同じならば、深層心理を主軸にして2つの感情を統合することが出来ます。
更に、行動の方向性を1つに絞ることが出来れば、格段に動きやすくなるはずです。

そのためにも、思い切った行動に挑戦してみましょう。
思い切った行動とは、とにかく行動量を増やすことを意味します。

「失敗が怖いのにそんなことは出来ない!」と思う人もいるでしょうが、1週間だけでもやってみてください。
この思い切った行動の要は、結果の良し悪しではありません。行動量の維持・増加に意味があります。
断られた回数は記録し、自分のどんな行動が良くなかったのか考えるヒントにしておきましょう。
どうしても尾を引いてしまう場合は、信頼できる同僚や先輩に相談し、客観的な意見をもらいましょう。

 

少しずつ自信を付けていこう

 

思い切った行動と言っても、明らかに可能性がない案件に挑む必要はありません。
成功確率五分五分の案件に挑戦し、試行錯誤を繰り返し、経験値を溜め、経験を基にした知識を身につける。
これが思い切った行動をする意味の本質です。

経験値と知識を吸収すれば、臨機応変に策を講じることが出来ます。
適切な事前の対策、柔軟な対応が取れるようになれば、商談の成功率も上がるでしょう。
そして、地道な積み重ねを続けている内に、自信が身についているはずです。

自信は突然得られるものではありません。
苗木を育てるように、自分自身がコツコツと経験を積むことで得られるものです。
そうして自信を持てるようになった頃には、自己肯定感や自己受容感も改善していることでしょう。

 

今回は「商談を持ちかけたいけど破談が怖い」心理を克服する方法について解説しました。
頭では分かっていても、なかなか実行に移すのが難しい内容ですよね。
まずは無理のない期間・行動量から始めてみてください。

また、行動に移す以前に不安感や恐怖心、憂鬱な気分によって動けない。
仕事について考えると、息苦しさを感じる。涙が勝手に出てくる。
こうした症状は不安障害や鬱病などの精神疾患が原因かもしれません。
もし、このような症状で悩んでいたら、すぐに専門の病院に相談してください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

【編集部】

この記事を書いた人