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究極の男磨き道とは? 零時レイ著『究極の男磨き道・ナンパ』

相変わらず毎日本を読んで、
いつも目をしょぼつかせていますが、

最近読んだ本の中で大ヒットはこれです。

「究極の男磨き道・ナンパ
コミュ障ひきこもりがストリートに立った日」

文字通り「ナンパ」の本です。

著者は、慶応大学の大学院を出てフランスに留学しますが
向うに溶け込めず、軽い鬱になり帰国してしまいます。

ちょっとこの辺り、夏目漱石チックです。

しかし、漱石が文学に向かったのに対し、
著者が向かったのは「ナンパ」でした。

著者は帰国後も日本社会にも馴染めず
5年間ひきこもってしまいました。

そして、引きこもりから「社会復帰」するため、
毎日公園に行き知らない人に声をかけるという、
対人恐怖の克服メソッドを33歳から始めたのがきっかけでした。

そして、
それがなぜナンパにつながるかというところは本書に任せるとして、

読みどころは、
もともと学者の卵であり、心理学やNLPも学んだ筆者の、
「ナンパを仕掛ける男」と「ナンパを仕掛けられた女」双方の詳細な心理描写です。

テーマがテーマだけに自慢話に堕しがちだと思うかもしれませんが、

そのかけらもなく、
淡々と科学的にここを描き切った筆力は素晴らしいです。

自身の対人恐怖と格闘する著者の
「挫折と復活のストーリー」にかなり感動しました。

最近の
薄味のビジネス書に慣れ切った私にはかなり新鮮でした。

また、
ビジネス書は著者の成功ストーリーでもあるはずなのだけど
(そうでないとビジネス書として成立しない)、

結末は必ずしもハッピーエンドではないところがオモシロイ。

久々に「著者に会いたい!」と心から思わせる本でした。

ところで、
私がかつて何度か体験した不思議な体験で、

飛び込み営業や無差別テルアポなどの新規開拓手法は、
どう考えても紹介営業に比べて非効率なのですが、

それにもかかわらずこれを続けていると、
全然違う方面で大きな成果が上がったりする、
という現象がありました。

(ベテランの人は似たような体験をしているのではないかと思います)

当時は、この理由がわからなかったのですが、
この本を読むことで二十年ぶりにその謎が解明できました。

大坪 勇二

この記事を書いた人

【仕事のプロを育てるプロ】 コンテンツプロデューサー。人脈術と交渉術の専門家。

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