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コロナうつの原因!?不安増幅のメカニズムと回避法

新型コロナウイルス感染症対策として様々な社会活動の自粛が叫ばれ、連日ネガティブな情報のシャワーを浴び続けている私たち。「コロナうつ」と呼ばれる状態に陥る人も増えているといわれます。この長期的な危機を乗り越えるたの心の整え方をプロのコーチが教えます。

 

多くの人が陥っている”不安増幅スパイラル”とは?

このところ「コロナうつ」という言葉を目にする機会が増えました。

“「コロナうつ」防ぐために…守るべきいくつかの自己管理術” 読売新聞オンライン 2020年4月21日 

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200421-OYT1T50213/

 

外出自粛や在宅ワークなど、これまでの日常から大きな変化が生じている中、心身ともにストレスを感じている人も多いことでしょう。

TVを付ければ、日々、私たちの目に飛び込んでくるのはネガティブな情報ばかり。そんな情報を浴びるうちに私たちはどんどんと不安になっていきます。

不安を解消しようと情報を調べれば調べるほど、逆に不安を増す情報ばかりが飛び込んでくる。それがますます心にのしかかってくるのです。

このような“不安増幅スパイラル”は心だけでなく、身体にも悪影響を及ぼします。

長期的に続く危機的状況を健康に乗り越えるためには、この“不安増幅スパイラル”から抜け出さなくてはなりません。

そのためにまず、私たちがなぜ不安になるのか?そのメカニズムから理解することが非常に重要です。

 

なぜ不安がどんどん増していくのか?

あなたは1日に何回と開くスマートフォンの「ホーム画面」を、実際に見ることなく、記憶だけを頼りに紙に書き写すことができるでしょうか?

恐らくほとんどの方は無理ですよね。

よく使うボタンの位置は覚えていても、それ以外のものや、細かい形など、普段何気なく扱っているものなのに、その記憶は恐ろしくあいまいです。

実は私たちの脳は目から飛び込んでくる情報すべてを認識しているわけではありません。そこにはある種の“フィルター”が存在しているのです。

フィルターを通り抜ける情報は2種類あります。

一つ目は自分にとって重要な情報。

時間を調べている時の時刻やお腹が空いている時の食べ物のように、その時々に重要な情報や、あなたが興味を持っているもの、目標としていることにつながる情報なども含めて、あなたが重要だと考えている情報がフィルターを通り抜けます。

そしてもう一つが命に関わる情報です。

例えば地震の揺れや、爆発音のような大きな物音は他のことをやっていてもすぐに感知してそちらに意識を向けます。

そのような瞬間的な情報だけでなく、今回の新型コロナウイルスのように、自分たちの生命の維持に関係してくる情報は、他の情報を差し置いて、フィルターを通り抜けてきます。

つまり、あなたが不安になるような情報を私たちの脳は、「優先的に認識してしまう」のです。

 

バランスを取るために意識して客観的な情報を手に入れる

テレビの報道では絶対的に、ネガティブな情報が多くなります。何故ならTV局は、沢山の視聴者が見てくれる情報を発信しようとするからです。視聴者はネガティブな情報の方が認識に上がりやすいのですから当然です。

「新型コロナウイルスから1,000人の方が回復しました」というニュースよりも「新型コロナウイルスに1人の方が死亡しました」というニュースの方が、圧倒的に視聴者の興味を引くことができます。その結果、ネガティブな情報が増えすぎ、バランス過多になってしまう。これが不安増幅スパイラルの原因です。

このような状態から抜け出すためには、“客観的な情報”を意識的に取り入れることが必要です。

新型コロナウイルスの感染者の推移や、回復者の状況、すでに封じ込めが成功している国の成功事例など、客観的なエビデンスに基づいた基礎的な情報がいいでしょう。さらには、一般的なウイルスの仕組みや過去の事例など、文脈情報に触れることも非常に効果的です。

不安な情報だけでなく、冷静で客観的な情報や未来への前向きな情報、そういった情報に、あなたが自ら重要性を持たせることで、認識にあがるようになります。

「病は気から」

食事や運動と同じように、情報もバランスよく取り入れて前向きで健やかなマインドをつくりあげることが、今回のような長期的な危機を乗り越えるためのカギになります。

奈良有樹

この記事を書いた人

パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング認定コーチ 2happiness代表 町田コーチングスクール主宰 プロコーチチーム「レ・アーリ」代表 コーポレートコーチングチーム「FUTICE COACHING」 代表 社会福祉法人の経理、経営管理として部門別採算制度の導入を主導し、数値の見える化、部門ごとの目標設定サポートなどを通して、1年で赤字2,000万円の事業所を6,000万円の黒字に変える。また、社会福祉法人における会計士監査制度導入への対応など、財務、経営管理の分野で豊富な実務経験を持つ。 他方、コーチとしても就労困難な方の一般就労や社会不安障害の方の社会復帰を実現するなど、過去ではなく未来にフォーカスするコーチングで多くの方の夢の実現をサポートしている。コーポレートコーチングの社内での実践経験も豊富で企業研修や、コーチングセミナー、コーチ向けの勉強会など様々な場所で講師としても活躍している。