新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、世界中で経済がストップ状態。ダイレクトに生活に影響が出ている人も多くいらっしゃるでしょう。先があまり見えないので、ネガティブな感情に支配されつつある人もいらっしゃるかもしれません。とりあえず、ほどよく食べて寝て元気出しましょう。
有名な漁師とコンサルタントのお話
幸せとはなにか?
というテーマでときどき登場するのが、「漁師とコンサルタント」のお話。
結構有名な逸話で、似たようなエピソードは30年以上前からあるそうです。
…ということは、人間社会は30年以上大して変わってないのか。
メキシコの海岸沿いの小さな村に、MBAをもつアメリカのコンサルタントが訪れた。
ある漁師の船を見ると活きのいい魚が獲れている。
コンサルタントは聞いた。
「いい魚ですね。漁にはどのくらいの時間かかるのですか?」
「そうだな、数時間ってとこだな。」
「まだ日は高いのに、こんなに早く帰ってどうするのですか?」
「妻とのんびりするよ。一緒にシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しみ、それで、寝ちまうよ。」
それを聞いてコンサルタントはさらに質問をした。
「なぜもう少し頑張って漁をしないのですか?」
漁師は聞き返した。
「どうして?」と。
「もっと漁をすれば、もっと魚が釣れる。それを売れば、もっと多くの金が手に入り、大きな船が買える。そしたら人を雇って、もっと大きな利益がでる。」
「それで?」と漁師は聴く。
コンサルタントは答える。
「次は都市のレストランに直接納入しよう。さらに大きな利益がうまれる。そうしたら、この小さな村から出て、メキシコシティに行く。その後はニューヨークに行って、企業組織を運営すればいいんだよ。」
「そのあとはどうするんだ?」漁師はさらに聞いた。
コンサルタントは満面の笑みでこう答えた。
「そこからが最高だ。企業をIPOさせて巨万の富を手に入れるんだ。」
「巨万の富か。それで、そのあとはどうするんだい?」と漁師は最後に質問した。
「そしたら悠々とリタイヤさ。小さな海辺の町に引っ越し、家族とのんびりシエスタを楽しみ、午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、夕暮れにはワインを傾けながら妻と会話を楽しむ。のんびりした生活を送れるのさ。」
漁師はため息をつき、やれやれ、という顔で一言を付け加えた。
「・・・・そんな生活なら、もう手に入れているじゃないか。」
引用:有名な「漁師とコンサルタント」という話。お金よりも自由に使える時間が何よりも大切。
結果だけみても、ちっとも楽しくない
この漁師とコンサルタントのお話は、どちらかといえば
「コンサルタントって、幸福とはなにかをわかってないよね。漁師の方が真理をわかっている」
というニュアンス・意図として広まっていると思います。
結果だけみれば、確かに「すでに手に入れている幸せ」ですよね。
足るを知る者は富むという言葉もありますし、その解釈もわかります。
しかし、見方を変えれば
毎日、シエスタとギターとワインを愉しむ生活を数十年続けた人
と
リスクを取って起業し、人を雇い、苦労しながらも事業を続けて海外展開やIPOを目指し、実現したのちに余暇を愉しんでいる人
では、重みが全く違うのではないでしょうか。
結果だけに焦点を当ててしまうと、なんだかもったいないし、つまらない。
人生の結果が死でしかないなら、ただ生まれて死ぬだけになってしまいますしね。
評論家になりたいのか? 実践者になりたいのか?
アフターコロナ時代の経済論・人生論のような話題は、多くのメディアで出てきています。
いつの時代・どの業界にも、未来予測学者風な人はいるものですが、視聴率やアクセス数、再生回数が取れやすい話題だからなのでしょうね。
インターネットが出てきたときも、「紙のメディアは消える」「都市一極集中がなくなり、地方が活性化する」「地方の活性化で、港区や中央区の地価が下がる」と言われていましたが、実際はそうでもありません。
ウィズコロナ・アフターコロナ時代の未来予測を見ていると、気分が落ち込んでしまう人もいらっしゃるでしょうから、半分娯楽と思ってみた方が精神衛生的には良いと思います。
AIとかの話題も一緒ですね。
確かに、保険営業(保険募集人、保険外交員)や税理士、事務職などは「将来なくなる職業」として挙げられることが多い仕事です。
しかし、多少形が変わっても、保険営業の仕事はなくならないでしょう。
信頼関係があってこそ成立する仕事ですからね。
コロナ禍で厳しい状況が続いていますが、今は貢献の時期。
保険商品を売っているわけではなく、情報を真摯に提供して信頼関係を築いているのが保険営業パーソンなのだと思います。
未来を予測する学者や評論家になりたいわけでもなし。
貢献する実践者で在り続けましょう。