新型コロナ感染症の拡大によって私たちの生活は大きな変化を余儀なくされました。これまで固定的と思われてきたものが崩れ、新しい常識「ニューノーマル」が次々と生まれていく。そのような変革の時代。最も重要なことはその変化に順応することです。これまでの常識や方法に固執してばかりいては大きな成果をあげる機会を逃してしまう可能性があります。では変化に順応できる人と過去に捉われる人、その違いはなんでしょうか?
私たちのマインドは変化よりも安定を求める
生物の歴史は絶滅の歴史
WWFのWebページによれば、1600年以降に絶滅した種の数は700種類にのぼるといいます。
いずれも地球環境の変化によって数を減らした結果です。
人間も含めて動物のほとんどが、変化よりも安定を求めます。
同じ環境、同じ関係性の中にいれば、安心できるからです。
そしてそれは、私たちのマインドの仕組みにも組み込まれています。
コンフォートゾーンという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
私たちは自分が慣れ親しんだ場所や関係性に接している時は不安やストレスを感じることなく過ごすことができます。そして、その状態を可能な限り維持しようとするのです。
例えば、行きつけのレストランに家族と行くとき、あなたは特に不安や緊張を感じることもなく、リラックスして食事ができます。
ところが、新しい契約の話を初対面の社長とするため、指定された超高級レストランに行くとしたら、どうでしょう。
この文章を読んだだけで緊張し、胃がキリキリ痛む感覚を覚える方もいるかもしれません。
私たちのマインドは無意識に、変化よりも安定、昨日とそれほど変化のない今日を求めるのです。
私たちは過去に生きている
私たちのマインドが本質的に変化よりも安定を求める以上、変化に順応することは非常に難しい事でもあります。
この瞬間もたくさんの生物がこの地球上の変化に順応できず、絶滅の危機に瀕しています。
かつて地上を支配した恐竜でさえ滅び去りました。
変化を受け入れ、それに順応するためにはある特殊な能力が必要なんです。
その能力とはIQ。
私たち人間が最も得意とする能力でもあります。
ベトナムにバインセオという料理があります。
米粉とココナッツミルクにターメリックを混ぜた生地に様々な具をはさんで食べる大変美味しい料理なのですが、日本人に写真を見せるとほとんどの場合、卵焼きやオムレツと勘違いします。
実際には卵はまったく入っていません。
しかし、黄色い生地に具が包まれている様子が、これまでに食べてきた卵料理に似ているため、その記憶をもとに認識してしまうのです。
私たちの思考はこのように過去をベースに行われます。
ということは、過去にやってきたことがより強くイメージされやすいのです。
実績十分なこれまでにやってきた方法に対して、新しい方法は常にハンディキャップを背負っているといえます。
だからこそ、変化に順応する事は難しいのです。
この壁を乗り越えるために必要なもの。
それが高いIQです。
IQを磨くことで未来への順応力が生まれる
新型コロナウイルスによる学校の休校の際、オンライン授業に切り替えるということにスグに取り組んだ学校は驚くほど少ない数でした。
過去に前例がない。オンラインでやった経験もない。実現には課題がたくさんある。そんな現実をベースに考えればやらない理由はいくらでも思い浮かびます。
しかし、目の前の現実から少し離れて、この国の未来という少し高い次元から考えてみると、長期化する休校期間にオンライン授業を行うことが子供たちやこの国の未来に非常に重要であることは容易に想像できます。
結果として目の前の困難な課題を解決し、一日もはやく素晴らしい授業を子供たちに届けようという想いで行動することができるようになるのです。
このような未来を見通す創造性と、より高い次元で物事を考える抽象度の高い思考を行う力がIQの高さです。
IQは決して生まれながらにして決まっているものではありません。訓練次第で高めることができます。
最も簡単な方法はあなたが今までに学んだこととは全く違うような、多様な知識にふれること。そうすることであなたの中で、これまでの知識と新しい知識を結びつけようとする働きが生まれます。それがIQを高めてくれるのです。
普段読まないようなジャンルの本を読む。過去に体験したことの無い事にチャレンジする。そんな新しい知識に出会う活動を通して、あなたのIQは自然と高まっていきます。
まずそれらに意識的に取り組む。そうすることで、結果としてあなたはこれまで以上に多様性に富みクリエイティブな、IQの高い思考ができるようになっていくのです。
変化に順応できないものは滅びます。でも大丈夫。あなたには変化に順応するための能力が生まれながらに備わっています。それをどんどん高めて、活用していきましょう。