私たちは自分で自由に思考をしているように見えて、実はそうでありません。あなたの思考や行動はあるものに束縛されています。普段はそんなことに気づきもしないかもしれません。でも、それを知ることが人生を望むものにする大きなカギとなります。今回はあなたの人生を決めるそのあるものについてのお話です。
あなたを動かしている力
ステイホームでできたおうち時間の過ごし方としてゲームをプレイしていた方も多いのではないでしょうか?
日経新聞によれば任天堂スイッチの「あつまれどうぶつの森」が記録的な大ヒットとなりました。
“「あつ森」スイッチ売上歴代1位に 400万本突破も”
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58936450R10C20A5X30000/
もちろん、たまたま話題だから買ってみたという方もいると思いますが、
「どうぶつの森」というタイトルを聞いた時点で、購入を決めていたファンの方が非常にたくさんいたことでしょう。
実はこれ、「言葉」の力によるものなんです。
「どうぶつの森」という言葉を聞いた瞬間に、頭の中に、“欲しい”、“やりたい”、“買わなきゃ”という思考が自動的に浮かんでくる。
だから買わずにいられないのです。
これに限らず、自分が好きな物で必要性に限らず発売されたらついつい買ってしまうという事が皆さんの中にもあるのではないでしょうか。
私たちは自分が自由に思考し、判断、行動していると思っているかもしれません。
しかし、実はこのような「言葉の力」によって、多くの行動が自動的に行われているのです。
あなたの中の言葉の集まり「信念」
「わたしって〇〇な人だから」
そんな言い方をする人がいますね。
「勉強が苦手」「人付き合いが苦手」「音楽が好き」「スポーツが得意」など、ネガティブなものもポジティブなものもあるでしょう。
自分の中に持っているこれらの「言葉」の集まりを「信念」といいます。私たちはこの「信念」もとづき、判断し、行動するのです。
例えば、「勉強が苦手」という信念を持っている子が難しい問題に取り組むとき、無意識に「自分は勉強が苦手だからできっこない」という言葉が頭に浮かんできて、なんとかそこから逃れようとします。
でももし、逆に、「自分は勉強が大好きだし得意」という信念を持っている子であったとすれば、
「自分に解けない問題があるのは気が済まない」
と思って必死に取り組み、解答にたどり着くでしょう。
これは本人の能力の違いではなく、信念による違いです。
スポーツ選手には才能を期待されても活躍できない選手もいれば、評価がそれほど高くない中から驚くほどの成長をみせる選手もいます。
能力の差は、努力によって埋めることができます。しかし、努力できるかどうかは、その人の信念によって決まってしまいます。
自分自身がどんな信念を持つか?
それがあなたの人生に大きく関わっているのです。
信念は生まれ持ったものではない。
信念は生まれながらのものではありません。あなたが生まれてから今日までの間に後天的に作られたものです。
先の例に挙げた「勉強が苦手」という信念は、過去にそれが形成されるプロセスがあったのです。
その大きな要因は「他人の言動」です。
例えば、過去に算数のテストので点数が悪かったときに親や先生に「算数が苦手だね」などと言われ、
「そうか。私は算数苦手かもしれない」
と頭の中に言葉を浮かべてしまうとそれが信念として形成されてしまうのです。
もし、あなたが人から言われたことを素直に受け入れてばかりいると、あなたの信念は周りの人の言葉によってつくりあげられたものとなり、あなたの人生自体が周りの人によってつくられた人生になってしまうのです。
大切なことは、あなたが周りの人に言われたことに対して、自分自身にかける言葉です。
「算数が苦手だね」と言われても、
「全然そんなことないけど」
という言葉を頭の中で浮かべることができれば大丈夫。
さらに、今ある信念を変えることもできます。
「自分は算数が苦手」という言葉が頭に浮かんでも、
「なんちゃって、ほんとは得意ですけど」
なんてそれを打ち消すような言葉を意識的に思い浮かべればいいんです。
それを繰り返すうちに、新しい信念がつくられていきます。
人が頭の中で浮かべる言葉を心理学の用語で「セルフトーク」と言います。
伝説のコーチ、ルー・タイスは、このセルフトークを人生をより良くするための最強のツールであると言いました。
自分に対してどんな言葉をつかうのか? 意識して考え、変えてみましょう。
それを続けるうちにあなたの中に新しい信念がつくられれば、あなたは新しい人生を歩むことができるのです。