傾聴力や行動力、持続力など、時代が変わっても変わらない必要なスキルがある一方、リモートワーク・テレワークが普及することで新たに必要になるスキルもあります。リンクトインの日本代表・村上臣氏によれば、新時代の必須スキルは「オンライン根回し」とのこと。
オンライン根回しとは
名刺交換や、訪問による商談が当然のビジネスマナーだった数カ月前。いまや在宅勤務が主流になり、直接会うことなく「初めまして」が画面上で交わされる。
コミュニケーション方法の文化レベルでの変容は、私たちにどのような働き方を求めるのか。
(中略)
アフターコロナの世界で必要になってくるビジネススキルは、大きく分けて2つあると思います。
一つ目は「オンライン根回し」による人脈づくり。旧来は、ゴルフなど同じ趣味を持っていたり、同窓の間柄だったり、飲み会によく行ったりする関係のなかで人脈が培われることが多かった。しかし、それらは必ずしもビジネスに直結しません。
ほとんどの社会人がリンクトインアカウントを持っている米国では、会社名や役職名を検索してピンポイントにオンライン上でつながり、信頼関係を作ったうえで、自分の企画や会社のサービスを提案する人が多い。言わば、オンライン上の根回しです。
営業は足で稼げ、と言われてきた時代から、オフィス内で営業が完結するインサイドセールスの流れも一気に加速する。誰とどのようにつながっているか、人脈の「質」が問われるようになる、ということです。
かつては、飛び込み営業ができる度胸や実行力が保険営業のスキルだったかもしれませんが、今ではすっかり「飛び込み営業なんてもってのほか」という世の中ですよね。
商談もオンライン化が進んでいますから、「根回しもオンラインで」ということになるのでしょう。
他愛もない話をしたり、悩み事を聞いたり、ビジネスとは関係のない話をしたりして、まずは信頼関係を築くこと。それをオンライン上で行い、関係が温まったところで自分の企画を提案するというのは、王道な方法かもしれませんね。
もう一つ必要なスキルは発信力
二つ目は「発信力」です。今後、発信力のある人が生き延びていくと思っています。社内の人同士でもミーティングを設定しなければ会話ができない状況になり、誰に何を伝えるかはより意識されるようになりました。社外に対しても同様です。市場において自分がどのようなバリューを出せるかを考えながら発信する。それができる人のもとには、自然といい人、いい情報が集まります。
こうしたポジティブサイクルを生み出せる人は、転職市場でも強い。会社の名前や肩書きよりも、その人が何を発信できるかが評価基準になる時代が来ます。インフルエンサーのようなSNS上での情報発信が、今後ビジネスパーソンにとっても必須スキルになるでしょう。
オンライン根回しの他に、もう一つ必要なスキルは発信力であると村上氏は言います。
直接人と会う機会が減り、パソコンの前で仕事をする時間が増えるとなると、自然とネット検索やSNS・動画などで情報収集する機会が増えます。そうなると、ネット上に存在していない(=情報発信していない)人を知る機会は激減してしまいますね。
頻度は別として、少なからず何らかの情報発信はしておいた方が良いでしょう。ご自身に強みがあるのでしたら、その情報を小出しにすれば良いと思います。ニッチであればあるほど、今の時代は良いでしょうね。