悲観的なマインドから抜け出すカギは『鼻のあたま』にあり!?

新型コロナウイルス感染症に関する報道や自粛要請など、ネガティブな情報に長期的に触れてきたことで、私たちは通常時と違う心理状態におかれています。その結果、必要以上に悲観的な思考に陥ったり、無力感を感じてしまうことがあるのです。しかし、人は本来、どのような困難な状況からも立ち上がり、それを乗り越える力も持っています。その力を引き出すためにやるべきことをお伝えします。

悲観的思考が解決策を見失わせる

新型コロナウイルスによる影響は
私たちの生活、
そして経済活動に大きな影響を与えました。

学校が休校になり、
劇場、レストラン、ショッピングモールが営業を停止、

旅行やレジャーはもちろん、
仕事や買い物といった活動まで、
自粛に追い込まれ、

私たちが当たり前と思っていた
日常は失われました。

さらに仕事の減少や解雇などにより、
自分自身の収入が減少することは、

「食べていくことができない」

というより大きな恐怖を生み出します。

その強烈な恐怖によって、
私たちの心は、

悲観的で絶望的な感情を強くし、
自分自身を守ることに無力感を感じてしまうことがあります。

「この先も厳しい状況が続くだろう」

頭の中でそんな
ネガティブなイメージを描いてしまうと、
あなたのマインドは、
本当にそれを実現する方向に向かってしまうのです。

しかし、
実際には危機的状況から抜け出し、
立ち上がるための方法は必ず存在します。

今回のケースで言えば、
国や自治体からの支援策を活用したり、
仲間同士の協力や新しい取り組みへのチャレンジなど、

今だからこそできる様々なアイデアを生み出すことで、
困難な状況を乗り越えている事例はたくさんあります。

ただそれが見えなくなっているだけにすぎないのです。

にも関わらず、
そのような心理的状態に陥ると、

自分自身で

「もう無理だ」
「方法はない」

と決めつけて、
諦め、自ら道を閉ざしてしまいます。

あなたの脳はあなたのイメージを実現しようとする

例えばあなたが
会社の上司から仕事を頼まれたとき、

その仕事を

「絶対に成し遂げるぞ」

と思っていれば、

あなたの脳はそれを実現する方法を探そうとします。

ところが逆に、

「やりたくない」

と考えていると、

その仕事がうまくいかない理由や
やらない言い訳を探そうとしてしまうのです。

 

私たちの脳は、
実際にそれが存在するかどうかと関係なく、

自分自身の中にあるイメージに沿った
情報だけを認知しようとします。

 

その結果、
先の例では
やらない理由や言い訳ばかりが頭に浮かび、

成し遂げる方法は
見えなくなってしまう。

このような、
脳のフィルタリングによって見えなくなってしまう情報

”スコトマ”

と呼びます。

スコトマがあること自体が必ずしも悪いわけではありません。
私たちが生きていく上ではそれは必要なものでもあります。

例えば、
キャッチボールをしているときに、
ボールに集中し、

それ以外の目に映る情報をスコトマにしなければ、
ボールをうまくキャッチすることができません。

情報をフィルタリングして
その時々に必要な情報だけを認知することは、
重要なことです。

しかし、
普段、私たちはスコトマの存在を意識していません。

だからその機能をうまくコントロールできず、

本来”必要な情報”を認識できないといったことが起こりえます。

危機的状況下には、
特に悲観的な心理的反応と結びつくことで、
それが顕著となり、

過大に絶望的で無力感を感じてしまい、
生きる力を失ってしまうことにつながるのです。

自分自身が前向きに進んでいくためには

何をスコトマにして
何を認識にあげるのか。

それをコントロールすることが非常に重要です。

自分にはスコトマがあることを認識する

「自分の鼻の頭が見えていますか?」

このように言われると、
あなたには途端に自分の鼻の頭が視界に入っていることに気づくでしょう。

普段はあなたの脳が、
無意識にそれを消し去る処理をしています。

ところが、
言葉によってそれを意識することで、
見えるようになるのです。

スコトマを外し、見えるようにする方法も実はこれと同じです。

「自分にはスコトマがある」

それを意識することによって、

あなたは自分には見えていないものが存在する可能性を
感じることができるようになります。

「自分には見えていない方法があるはず」

そう考えることで、
あなたの脳は
未知の可能性を探し出そうと動き出します。

これまで触れてこなかった情報に当たる。

自分だけでは難しい場合は、
まわりの人に聞いてみる。

そうすることで
自分には方法がないとおもっていたことが
必ずしもそうではないということに気づきます。

それは

あなたの中に、
新しい可能性への期待とモチベーション
生み出すのです。

これまでの歴史で、
人類は多くの困難な状況を乗り越えてきました。

私たちの中には
どんな危機的状況からでも立ち上がる心の強さ

「レジリエンス」

本質的に備わっているのです。

見えなかった鼻の頭が見えるように、
その”強い力”が自分に備わっていることを
認識できれば、

あなたはこれまで以上に力強く、
未来を切り開くことができます。

今がどんな状況であっても、
明日はこれからつくっていくことができる。

あなたの可能性は無限に存在するのですから。

奈良有樹

この記事を書いた人

パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング認定コーチ 2happiness代表 町田コーチングスクール主宰 プロコーチチーム「レ・アーリ」代表 コーポレートコーチングチーム「FUTICE COACHING」 代表 社会福祉法人の経理、経営管理として部門別採算制度の導入を主導し、数値の見える化、部門ごとの目標設定サポートなどを通して、1年で赤字2,000万円の事業所を6,000万円の黒字に変える。また、社会福祉法人における会計士監査制度導入への対応など、財務、経営管理の分野で豊富な実務経験を持つ。 他方、コーチとしても就労困難な方の一般就労や社会不安障害の方の社会復帰を実現するなど、過去ではなく未来にフォーカスするコーチングで多くの方の夢の実現をサポートしている。コーポレートコーチングの社内での実践経験も豊富で企業研修や、コーチングセミナー、コーチ向けの勉強会など様々な場所で講師としても活躍している。