保険営業マンが、資産家になって悠々自適に暮らしているという話をついぞ聞いたことがありません。年収数千万円以上を取っている高給取りがゴロゴロいるのに、不思議なことです。なぜなのか考察してみました。
保険営業マンは資産家になりにくい職業なのか?
売れている保険営業マンは、サラリーマンなど他の職業より年収が高いケースが少なくありません。中には、プロ野球選手や上場企業の経営者並のお金を稼いでいる場合すらあります。
しかし、その割には、資産を作って悠々自適の暮らしをしている人の話はついぞ聞いたことがありません。
それどころか、かつてエグゼとして大活躍したある先輩が、引退後生活保護を受けているという悲しい話すらあります。うーん、身につまされます。
この現象、データがあるわけではないので私の仮説に過ぎませんが、実態とそうは外れていないと思います。
この仮説が正しいとして、その理由には次の三つが考えられます。
保険の収入がフロー収入であること
フロー収入というのは、ストック収入に対する言葉です。
ストック収入とは「自分が動かなくても自動的に入ってくる収入」のことです。
フロー収入とはその逆。すなわち「自分の時間や労力を提供してその対価として得られる収入」のことです。
だから、労力の提供が少なくなれば当然収入は減ります。また、自分の時間が収入の上限となってしまいます。このことに悩む保険営業マンは少なくありませんよね。
だとすると、知力体力のピークがすなわち収入のピークになるわけです。
一般的にいってそれは、40代後半くらいでしょうか。
若い頃は、自分が衰えていくなんてイメージが湧きにくいかもしれませんね。実際、私がそうでした。成績なんて右肩上がりで上がっていくイメージしかありませんでしたもの。
でも違いました。間違いなく、いつかは衰えの時期を迎えます。
私が身をもって味わいました(笑)
だんだん動くのがしんどくなってきます。すなわち、収入も下降線をたどってくる。
一方で、支出の方は、かつて自分が最も高い収入を得ていた頃の水準からなかなか減らすことができません。
収入が減っても支出がそのままなら、当然手元に残るお金は少なくなるのは道理です。
これが理由の一つ。
税制上不利であること
二つ目は、税制上の理由です。
保険営業マンのほとんどは個人事業主です。
個人事業主は法人オーナーに比べて、節税の手段が限られています。
例えば、法人を持っていると所得の配分ができます。
これだけで税制上もかなり有利になります。
仮に1,000万円の所得があったとしましょう。
個人事業の場合は、所得税の税率はざっと43%(住民税を含む)といったところです。
一方、法人オーナーの場合は、法人の所得500万円と個人の所得500万円に配分すれば、それぞれ法人税が約30%、個人の所得税も約30%、すなわちざっと30%で収まってしまいます。
また、住宅規程を作ることで家賃を法人の経費に計上したり、出張旅費規程をきちんと作るなどすれば自分に出張旅費や日当を支払うなど、損金に算入できる範囲がぐっと広くなります。
それ以外にも法人オーナーには有利な制度がまだまだあります。
私も実際に、個人事業主と会社経営者の両方を経験してわかりましたが、圧倒的に法人オーナーの方が、手元にお金が残りやすい構造になっているのです。
これまた、保険営業マンの手元にお金が残りにくい理由の一つです。
そもそも資産運用に疎いこと
三つ目の理由は、意外に資産運用に疎く、実際にお金を投資で増やしている人が少ないということです。
「意外に」というのは、保険営業マンのうち多くはFPの資格を取得しており、一応は「お金の専門家」であるからです。
しかし、お客さんにはお金のアドバイスをするものの、いざ自分のお金は資産運用しているかというと割とそうでもない(笑)
もちろん、一般のサラリーマンの方と比べればその比率は高いと思います。
しかし、私の実感値ですが、それでも実際に資産運用をしている人の割合は10人のうち2人くらいではないでしょうか。
というわけで、10人のうち8人は普通の人とマネーリテラシーは変わらないということになります。
これでは、お金を増やしていくことは難しいですね。
さて、以上が、私の考える「保険営業マンに資産家が少ない理由」です。
もちろんこれを読んでいるあなたは、できれば資産家になれなかった先輩たちと同じ道は歩みたくない(笑)とお考えだと思います。
ではどうすればいいか。
その逆をすればいいのです。
すなわち、
フロー収入をストック収入に変えていくことだし、
法人を持って節税メリットを活用することだし、
資産運用の腕を磨くことです。
もちろん、それなりの努力は必要です。
正しい情報もね。
今後もそんな記事をアップしていきますので、そこで勉強して、ぜひ資産家への道を歩んでくださいね。