以前、もう何年も前に、エグゼクティブコーチングというものを受けた時の話です。
当時オフィスは溜池山王にありました。2週間に1回、地下鉄で20分ほどかけてコーチのオフィスに足を運び、そこでほぼ終日コーチングを受けました。
ちなみに、そのコーチング費用は半年で100万円。
なかなかの値段ですよね。
オーナー経営者や超高所得の専門職が対象です。
100万円で新しい人格を買う!?
面白かったのはそのコーチの手法。
かなり独特なものでした。
自分の中に強力な新しい人格を作って、それを育てていく。
そして、現在の人格と統合して、「新しい自分」になるというもの。
人格を作るっていまいちピンと来ないかもしれませんね。
心理スリラーでもあるまいし、自分の中に人格を作ったり消したりできるものかな、と。
ちなみに、そのコーチによると、
そうなのです。
例えば、こんな感じです。
営業マンがお客さんから叱られた!場面を頭の中で想像して下さい。
営業マンA君は「あぁ、損したなー」と落ち込んでしまいヤル気を殺がれてしまう、
一方のB君は「自分の欠点を指摘して下さって有難うございます!」と深々と頭を下げ「いやぁ有難いなあ!」とますますヤル気を出すかもしれません。
というように、刺激に対する反応は必ず人によって違いますよね。
これらの、
だという解釈です。
これが正しいとすると、人格と言うのは、なにも確定したものではなくて、自由自在に設計できる!可能性を秘めているということになるではないですか!
例えば、最強のスーパー保険営業マンの人格に自分を作り変えてしまうこともできる。
自分改造マニアである私の大好物な話です。
平たく言えば、100万円払って新しい自分好みの人格を買うといこと!?
コーチの話にすごくワクワクしていたことを覚えています。
ソース派?それとも醤油派?
この「刺激→反応」ユニットをもう少し掘り下げてみましょう。
そもそものユニットの成り立ちにしても、実は、単に周囲の誰か、例えば両親が言った言葉を無意識レベルで覚えていて、それを自分の意見だと勘違いして、その反応を機械的に繰り返しているだけ、なのかもしれません。というかその可能性が非常に強い。
例えば、私が最近こんなことを経験しました。
あなたは目玉焼きにはソースをかける派ですか?それとも醤油派?
私はソース派です。
それも50年間ずーっと、目玉焼きにはソース以外かけた覚えがありませんでした。
たまに隣の人が醤油をかけているとするじゃないですか。
「ウエッ!目玉にはソースだろがよ」と横目で見ながら思っていましたもんね。
ところがつい先日、ひょんな事から一度だけ醤油をかけてみる気になったのです。
ものごころがついてから多分、初めてです。
そしたら、
「あれっ!美味しい!」
想像していたよりもびっくりするほどずっと美味しかったのです!
節操のない話ですがこの時点で転向してしまいました。
以来、ずっと醤油派です(笑)。
では、私の「刺激(目玉焼き)→反応(ソース)」ユニットができた経緯を探ってみましょう。
今となっては推定ですが、多分それは母親の影響でしょうね。
母親はガチガチのソース派だったのです。
つまり、子供の頃、母親が目玉焼きにソースをかけていたのを毎日のように見ていた私は、多分無意識に自分の中にそれを刷り込んでしまったというわけです。
で、そのユニットが実に50年間も機能し続けたわけです。
ある意味すごい話ですね。
では、その後、コーチングはどうなったかというと、残念ながら長くは続きませんでした。
あまりにも私が当時忙しすぎて毎回セッションに遅刻するものですから、怒ったコーチから契約解除を言い渡されてしまったのです(笑)
というわけで、そのコーチのもとで新しい人格を作るところまで進みませんでした。
しかし、この手法そのものはめちゃめちゃ気に入っていました。その後、自分なりにコーチングの勉強を深める中で身につけた、ゴールの再設定、とか、アファーメーション、セルフトーク改善などの手法で、自分なりに深めてきました。
また機会があったらこの話もしたいと思います。