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コロナに負けないための読書術 「不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀」の書評

書評家・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。コロナウイルスが東京でも猛威を振るう中で、私も外出する時間が減っています。保険営業マンのみなさんも自宅で時間を過ごす時間が増えていると思います。私は読書と散歩とネットフリックスの時間が増えていますが、今日はそのネットフリックスの創業者の話を紹介します。

参考にしたのは、不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀です。今では最強な会社のネットフリックスですが、創業時はいつも問題を抱えていました。

ネットフリックスはアイデアを実行することで、成功した。

ネットフリックスはご存知のように動画のサブスクリプション・モデルをスタートすることで、顧客からの圧倒的な支持を得ます。当初、彼らはオリジナル動画ではなく、DVDのレンタルサービスのサブスクリプション・モデルを行っていました。創業者のマーク・ランドルフとCEOのリード・ヘイスティングスは、創業から絶えずキャッシュに苦しみますが、サブスクリプション・モデルには今まで以上の大量のキャッシュが必要でした。

新規顧客が勢いよく流れ込んでくるほど、キャシュが勢いよく出て行ってしまうのです。ネットフリックスのビジネスモデルは潜在顧客に説明するのが難しいのですが、サービスを試せばハマってくれるのはわかっていました。そこで、サービスを利用してみようという人全員に初月無料を提供したのです。

ネットフリックスはサブスクリプション・サービスであったため、申し込み時に年間利用料を請求するのではなく、月ごとに少額課金していました。これらの条件が重なって、キャッシュフローは悪化していったのです。最初の無料トライアルのコストは全額同社が負担しなければなりませんし、支払いに充てるお金は毎月少しずつしか入ってきません。顧客獲得のペースが上がるほど、最初にかかるコストが月額課金として回収する少額の売上を上回っていったのです。

ここで彼らは倒産を避けるために、宿敵ブロックバスター(DVDレンタルの最大手)にアタックします。ようやく相手との面談が設定されましたが、ブロックバスターからは全く相手にされず、彼らを倒すことがマークとリードの次の目標になりました。

レイオフが会社を強くした!

無駄なタスクを徹底的にそぎ落とし、最終的に固定費を削減するためにレイオフを断行します。やめる人を選び、会社をスリム化する作業はとてもつらいものでしたが、マークはレイオフが会社を強くしたことに気づきます。

「つらかった9月のレイオフから数週間、数カ月が経つうち、あることに気づき始めた。会社が上向きになっている。効率が改善し、創造性が向上し、決断力が上がった。スタッフをふるいにかけたおかげで会社はスリム化し、集中力が増した。もう無駄にできる時間はなかったから、私たちは時間を無駄にしなかった。十分に優秀な人々をレイオフしなければならなかったのはたしかだが、それだけに残った社員はスーパースターぞろいだった。スーパースターばかりで仕事をするのだから、仕事の質がきわめて高くなるのは当然だ」

スタートアップは、少数の献身的な人々の集中力と献身と創造性のおかげで事業が軌道に乗ると、会社を大きくするために採用をします。しかし、オフィスや人件費の固定費問題が起こり、会社は一旦縮むことが多いのです。

レイオフによって、スタープレーヤーだけを会社に残せば、競争しながら力を磨く文化が醸成されます。自分が選りすぐりのエリート集団の一員だという自覚があれば、仕事はもっと楽しくなります。成功したベンチャーは多くの困難を乗り越えていきますが、良いチームを作れれば、大概の問題を解決できるのです。その後、ネットフリックスはナスダック市場に上場し、GAFAと並ぶ存在になったのです。

今、多くの経営者が、コロナウイルスが引き起こした問題に悩んでいます。キャッシュを確保し、倒産を避けることが経営者の課題です。保険営業パーソンは今こそ、会社の社長に寄り添うべきです。そのとき、本書の主人公の話が、皆さんの参考になると思います。コロナの経営危機を乗り越える会社を増やすためのヒントがこの一冊に隠れています。ぜひ、ご一読ください。

 

不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀

著者:マーク・ランドルフ
出版社:サンマーク出版

 

徳本昌大

この記事を書いた人

複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。  サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。 https://tokumoto.jp/