今回は「稼ぐ保険営業マンは知っている、マーケティングの常識」ということで、「マーケティング」をテーマにお話をしていきます。
まずパート1としては、「マーケティングの常識を知っておこう」ということで、マーケティングの基礎知識、基本的なお話をまずしていこうと思います。
一括りにマーケティングというと、情報や知識の幅が非常に広くなりますので、「稼ぐ保険営業マンは知っている」ということで、保険営業マンが知っておくべきマーケティング、保険営業マンのためのマーケティング、というものに絞って、情報をお伝えしていきたいと思っております。
2つ目は、「稼ぐ保険営業マンのためのマーケティング」ということで、保険営業マンのマーケティングの手法というものを改めて具体的にお話をしていこうと思います。
最後、3つ目のパートで、マーケティング力の磨き方、いろいろどうやって磨き上げて実際のお客様を掴んでいくかというところで、マーケティングのスキルを上げていくというようなところ、このパート1,2,3の3つで情報をお届けしていこうと思います。
目次
1保険営業マンなら覚えておきたい「マーケティングの目的」
そもそも「保険営業マンのマーケティング」とは何なのか? どういうことなのか? なぜ保険営業マンにとってマーケティングが必要なのか? というお話をしていこうと思います。保険営業マンにとってのマーケティングですので、大企業がやっているようなマーケティング活動というのとはちょっと一線を画すものです。
究極、われわれ保険営業マンの言うところのマーケティングのゴールは何かというと……。
「お客様を目の前に座らせること」
以上。――だと私は思っています。
お客様を自分の目の前に座らせる、要するに保険の商談のステージに乗せる。これがマーケティングのゴールでしょう。
そのために、「あとは商談のテーブルに乗せるだけ」という人たち…いわゆる「見込み客」と言われる人をどれだけ効率的に、お金を掛けずに、定期的に、安定的に増やしていくかが、保険営業マンにとってのマーケティングのポイントです。
ではそのために何ができるか?
保険営業マンが会社や先輩から教わる手法の代表が、「紹介」ですね。紹介をグルグル回していって見込み客を涸らさないようにしていく、というもの。この武器一本だけで、何年も保険業界を渡り歩いている猛者も居るのが、この保険業界の、そして保険営業マンの素晴らしいところではあるのですが……。
2 保険の「セールス」と「マーケティング」の違いを忘れるな!
じゃあ具体的に、いわゆる〝稼ぐ保険営業マン〟がやっているマーケティング活動とはどんなものなのでしょう?
まず、「マーケティング」と「セールス」を同じことと捉えている保険営業マンも多いので、その違いを改めて明確にしておきたいと思います。
セールスには「セールスプロセス」というものがあります。保険営業の世界であれば、まず「アプローチ」があって、「ファクトファインディング」「ヒアリング」「プレゼンテーション」「クロージング」があって、そして「紹介入手」がある。これが保険業界のセールスプロセスですね。セールスに関しては、このアプローチから始まる「クロージング」までの一連のプロセスが全てセールスということになります。
では、保険営業の「マーケティング」は?
それは、「セールスの一歩手前」ですね。ファーストコンタクト…アプローチをする前の状況を全般的にマーケティングと言います。
つまり、「あなたの目の前にお客様を座らせる」という行為を安定的に、効率的に、安価にやっていく活動全てがマーケティングなわけです。
そして「紹介入手」ですが、ここにはマーケティングの要素が入ってきます。紹介は、新たな見込み客、つまりあなたの前に新たなお客様を座らせるための活動の一種ですので、これはマーケティングになるわけです。
つまり……。
「保険の話はセールスのプロセスに入ってからしましょう」ということです。マーケティングの時点では基本的に保険の話はせずに、いかに自分が「お客様に役立つ情報」を持っているかというようなアプローチをするのです。あなたの魅力を前面に押し出して勝負できるか、というところが勝負になります。
1-3 マーケティングにはさまざまな「種類」がある
ここではマーケティングを広い意味では捉えずに、「保険営業マンのためのマーケティング」に絞ってお話をしていますので、例え「ダイレクトレスポンスマーケティング」「インターネットマーケティング」等には言及せず、「あなたの目の前にお客様を座らせる」ためのマーケティングの種類をご紹介します。
保険会社に入って保険営業を始めるときに、既にマーケティングはスタートします。おそらく全ての保険営業マンが経験する「最初のマーケティング」が、「100人の知り合いリストを書く」、つまり「ベースマーケットのリストを作る」というものでしょう。これが保険営業マンとしてのマーケティングの第一歩なんですね。つまり、「あなたの目の前に座る人のリストを作る」ということ。これは立派なマーケティング活動になるわけです。
あなたの〝マーケット〟は家族や親戚であったり、友人であったり、あるいは前職の知り合い、先輩・後輩あとは取引先であったりするわけですが、ここからどうやって――例えば100人で終わらせずに――広げていくかというのが、腕の見せどころ、保険営業マンとしての勝負なわけです。
そこで、まずやることといえば、このベースマーケットにコンタクトをして、まずは目の前に座って貰うという方法。
では、そのときにどういう手法を取っていますか? ということです。
ひとつは「電話をする」という方法。「電話を掛ける」というのは立派なマーケティング行為ですね。
「とりあえず会う」…すなわち「飛び込み」という形で営業開拓をしてきたという人もいらっしゃると思います。生保でもそうですし、損保で研修生を経験した人などは、「結構飛び込みをやったよ」という話を聞いたことがあります。これもまたマーケティングの1種類です。
また、セールスプロセスの中の最後のパート「紹介入手」も、それ自体が立派なマーケティング活動です。未だ見ぬ、あなたがまだ知らない、「今いるお客様の先にあるお客様」にアプローチをする…それはあなたの前に今度座って貰うための活動、準備ですから、これはマーケティング活動そのもの。多くの保険営業マンはこれを中心に仕事を進めているのではないかと思います。
さあ、ここまでは「頑張れば無料で何とかなる」という、お金を掛けずにできる方法なのですが、場合によってはお金を掛けて人を集めることも考えられるでしょう。それが「広告」ですね。これは会社によって出来る、出来ないはあるかもしれませんが、例えば新聞の広告やインターネット広告を出して見込み客を集めるというマーケティング活動もあります。
では、広告の先に何があるか? これもマーケティングの活動のひとつと言えると思いますが、「セミナー」というものがあります。まだ見込み客になりきれていない人に対して、継続的に有益な情報を与えて――「教育」と言いますけれども――こちらが何をやっているか、何が出来る人間なのかということを丁寧に伝えていって、タイミングが合えばセミナーに来てもらって、そこで情報発信する。その結果、個別相談ないしは面談の機会を得て、その以降に保険の商談に繋げていくという手法です。
これは既存のお客様に対しても提供できるサービスですし、「一度で大量に未だ見ぬお客様を集めてくる」というマーケティング手法として、有効な手段だと言えます。
保険営業マンがお客様を集めるとすれば、ベースマーケットの開拓、テレアポ、飛び込み、紹介、そして広告からのセミナー…たくさんの種類のマーケティングがあります。
あなたにとって一番しっくり来る、やりやすい、方法を試みるのが理想のかたちではないかなと思います。
1-4 マーケティングにはさまざまな「ツール」がある
実際にマーケティング手法を上手く展開していく上では、マンパワーだけではどうしても限界があります。そこで、上手く「ツール」を使いうことによって、さらに効率的に人を集めていくことができます。
保険営業のマーケティングで私がまずぱっと思いつくツールといえば、「はがき」。アナログに感じられるかもしれませんが、このネットの時代でもかなり有効なツールです。また、はがきより大きなA4サイズなどのDM、封筒に入れる郵送DMなどいいでしょう。
これらは、お客様に対する「お手紙」と考えればいいでしょう。例えばベースマーケットにアポを取ろうと思って急に電話をします。「○○生命の今野です。保険の業界に入ったので話聞いて下さい」というようなアプローチをするわけですよね。話す内容はさて置き、いきなり電話を掛けるのではなくて、例えば先にはがきやお手紙で挨拶文を送るということが有効なんですね。転職の挨拶を送ったり、「今度電話をします」という予告。「つまらない話はしませんので、15分だけ時間をください。つきましては今度電話をするので、そのときに返事を聞かせて下さい」というようなはがきを送るのです。これを送ってから電話をするのと、何もしないで電話をするのとでは、アポイントが取れる確率が格段に変わってくるという事例があります。
もちろん、インターネットを使ってコンタクトをする方法も有効です。
メールやメールマガジン、LINEやFacebookなどのSNS…。こちらから定期的に情報を発信するというやり方ですね。
基本的には何かしら、どこかしらで繋がりのある人たちに対するメッセージの発信ですので、知っている人も居ればちょっと関係が薄いという人も居るでしょう。でも、ここで相手に対して役に立つ、有益な情報を発信していくこと、あるいは「私はこんなことを勉強している」「私はこういうことが得意ですよ」ということを自己開示をすることで、相手とのメッセージのやり取りが始まったり、具体的な面談に進んでいくという事例は多々聞いています。それは例えば会社の社長さんであったり、お寺の住職であったり、その他富裕層であったり…様々な層にアプローチできるというのがSNSの良いところでしょう。
このようにマーケティングに有効に使えるツールはたくさんあるのですが、結局のところ、我々保険営業のマーケティング・セールスの限界というのは、「一度に一人(一組)のお客様しか相手をできない」ということです。これでは時間的に限界があって、売上の天井も見えますね。
一方で、セミナーセールスを行うと、一度に5人とか10人とか、場合によっては20人という方に対して影響力を持って話ができる手法…それが前述の「セミナー」ということになります。アプローチないしはヒアリングのパートをぐっと短縮できるということで、セミナーというマーケティングは非常にメリットが高いと思っています。
保険営業マンにとっての「マーケティング活動」…その必要性がおわかりいただけたかと思います。
「目の前に座る人」がいなければ、営業は始まらないのです。