「飛び込み営業」と聞いて、あなたはどんなイメージが思い浮かぶでしょうか?
「〝気合いと根性〟の古くさい営業…」
「〝数打ちゃ当たる〟的な、不確実なやり方…」
「すぐに追い返される、かわいそうな営業マン…」
などなど、あまりいいイメージはないかもしれません。
しかし、「飛び込み」はれっきとした見込客集めのための一手法であることは確かです。
今回は、法人保険営業における「飛び込み」というスタイルについて考えてみましょう。
そもそも「飛び込み」は〝やってはいけない〟営業なのか?
本メディア執筆陣の〝保険営業の虎〟の一人・今野洋は、かつては不動産関連の会社で法人への飛び込み営業を何度も経験してきたという経歴があります。会社は典型的な「ブラック企業」。とにかく長時間働くこと、営業は訪問件数をこなすことが〝正義〟とされ、エリア内のビルに入る会社をしらみつぶしに訪れた=飛び込んだといいます。
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◎成功する保険営業の「飛び込み」とは?
今野氏曰く、飛び込み営業はマーケティング的には見込各への「個別対応」であり、もしも相手(法人保険営業の場合は社長さん)に会うことができれば、有効な手段だともいえるといいます。
テレアポやDMなどによる見込客集めでは対人トークスキルが使えないのに対して、飛び込みでは、いきなり見込客へのアプローチが始められるのです。
だから、一概に「飛び込み営業は無駄」だとは言えません。
ただし、「社長さんに会うことができれば」という前提が必要。実はこれが一番高いハードルなのであって、ただやみくもに何件も何件も飛び込んでいるだけでは、それは「時間と労力の無駄遣い」なのかもしれません。
飛び込みで法人保険の営業…こんなトークはNGです
飛び込み営業に限らす、営業マンにとって重要なことは、まずは「相手の立場に立ってものを考える」ということです。お客様のニードを引き出す際も、それに応えるべく商品を提案する際も、この前提がなければ、ただの「自分都合の押し売り」でしかありません。
たとえば法人への飛び込み営業であれば、まずは社長さんに会うために、会社の「受付」を突破する必要があります。このとき、「○○生命と申しますが、社長さんいらっしゃいますか?」と言っても、事前のアポイントがない限り、受付で追い返されて当然でしょう。受付の方の立場を考えれば、社長に「なんでわざわざ会わなければならないんだ」と思わせないようにすることが大事なわけですからね。
せめてこれくらいであれば、受付の方の仕事として、「○○○○に関する情報」が社長さんにとって必要かどうか?くらいの確認はとってくれるかもしれません。
「社長さんに会いたいから合わせてください」…これは完全に自分都合なわけです。
「ぜひ一度ご挨拶を」
「保険のご紹介を」
……これらもまた、自分都合のトークです。相手にとって、自分の挨拶は必要なことなのか? いきなり保険の話をされるのが得なことなのか? ということです。
「誰にでも通用するトーク」はあり得ない?
飛び込み営業では、とにかく「自分都合のトーク」はしてはいけない、と心がけましょう。
たとえばあなたがどんなに保険商品の知識があっても、そしてどんなに自慢の商品があったとしても、相手が必要だと思わない限り、そのことを話すのは「自分都合のトーク」でしかありません。
いかに応酬話法を練習しても、いかに時間をかけてトークスクリプトを作り上げても、「相手の立場」を考慮したうえで使わなければ、何の意味もないのです。
「誰もがイエスと言う、魔法の一言」
…そんなトークスキルを求める営業マンもいることでしょう。しかし、お客様が10人いれば10通りの「立場」がある以上、「誰にでも通用するトーク」は、あり得ないのでしょうね。