FPの仕事は自分に合っているけれど、他の仕事にも挑戦してみたい――。
令和の現在、賃金の停滞や働き方改革などによって副業をする人は多くなりました。
保険営業の仕事をする皆さんの中にも、今年の激しい物価高騰から「今まで考えてなかったが、家計のために副業で収入を増やしたい」という人もいるでしょう。
今回は、保険営業の経験や仕事に繋がるオススメの副業についてご紹介します。
FPにオススメの副業3選
保険営業に携わるFPには、どんな仕事がオススメなのか。
具体的には、以下の3つが特にオススメです。
①財務コンサルタント
②M&Aアドバイザー
③経営者専門コーチ(エグゼクティブコーチング)
まずは、①財務コンサルタントに注目して解説します。
経営者向けの保険営業をしていると、会社の財務部分に関わることがあります。
財務コンサルタントは資金調達戦略・財務分析・債権者交渉・資産価値算定・予算実績管理など…
財務に関する様々な経営課題と経営目標を解決する仕事です。
これには保険が大きく関わるため、具体的な保険の提案もしやすい利点があります。
だた、財務の仕事というと税理士で間に合っているのでは?と思いますよね。
税理士の本質的な仕事は、税金の計算(税務)です。
この仕事に追われる税理士は、「どうすれば資金繰りが楽になるか」といった詳細なアドバイスまでなかなか出来ません。
更に、アドバイスできる財務コンサルタント自体も多くありません。
業界ポジションが定着する前だからこそ、狙い目の仕事と言えるでしょう。
副業を評価する4つのポイント
副業の例として財務コンサルタントを紹介しましたが、
これだけでは“本業FPの副業”としての具体的なメリットとデメリットがよく見えず、判断し辛いと思います。
ここでは、判断の目安として4つの評価ポイントを紹介しましょう。
①社長へのアピール度
②保険契約への繋がりやすさ
③収益性
④習得までの難易度
財務コンサルタントを例に、ポイントごとに詳しく見ていきます。
①社長へのアピール度:◯
財務と聞いて「面白そう!」と飛びつく社長は滅多に見られません。「少し面倒臭そうだな、税理士に頼めばいいや」程度の反応が多数だと思います。ですが、「財務管理に弱いからサポートしてもらおうかな」と考える経営者もいるので、ある程度の需要は存在します。
②保険契約への繋がりやすさ:◎
先述したオススメの副業の中では、最も保険に結びつきやすい仕事です。貸借対照表(バランスシート)の内容を整理していくと、保険が関わることがあります。例えば、資金繰り改善の調査の中で、節税保険等がキャッシュを吸収し、資金繰りを邪魔しているケースです。この場合、解約して資金流出を抑え、保証のための定期保険を契約することが出来ます。
③収益性:◯
財務コンサルタントに支払われる月々の顧問料は約10万円が相場です。高いスキルを持つ人でも20万円程と言われています。
保険営業よりも収益は下がりますが、副業としては十分な収入ではないでしょうか。
④習得までの難易度:△
紹介した3つの職業の中で、スキル習得が最も難しい仕事です。
会計財務は分野そのものが巨大です。そのため理解するまで勉強しようとすると、膨大な時間がかかってしまいます。
全く経験がない人が一から挑戦するには高いハードルだと言えます。
冷静に副業を見極めよう
このように職業をポイントごとに分析すると、メリット・デメリットを可視化できます。
可視化されると「FPの仕事は継続可能か、両立できるか、副業にするだけの利点があるか」といった点を客観的に考えやすくなります。
副業を選ぶ際の基本として、是非覚えておいてください。
副業はスキルと経験がマッチしていなければ失敗しますし、様々なリスクがあることを理解する必要があります。
特に考慮すべきは、労働時間は本業と副業を合わせて通算することが労働基準法で定められていること。
通算労働時間の正確な管理のためにも、副業の詳細を本業の会社に申告するようにしましょう。
但し「未申告のため労働時間の把握が困難」「情報漏洩・流出のリスク」「長時間労働により本業に悪影響が出る」等の理由から、副業そのものを禁止している企業も多いです。
ご自身の会社が副業を認めているか、しっかり確認しておきましょう。
加えて、副業の年間所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告についても予め調べておくようにしましょう。
今回は3つの職業の中から財務コンサルタント、そして副業選びのポイントについて解説しました。
収入を増やしたい!と言っても、下手をすれば苦しい思いをするだけです。
無茶な働き方にならないよう、本業と副業の内容を見極めていただきたいと思います。