【怒り】保険営業の同僚から「お前とは口をききたくない」と言われた話

保険営業……当然のことながら、愉快なことばかりはありません。

何かに対する怒り、誰かに対する恨み。あまり表に出せない、こういった黒い感情はかっこいいことではありませんが、ふてくされたり、やけ酒で散らしたりするのではなく、仕事のエネルギーに転化できるのなら大いにアリだと思います。稼げないうち、ダメなうちはなんでも利用しましょう。

 

 

「お前と話すと……」!

 

私・大坪が「手取り月収を1万倍にした」経験は、私が34歳の時でした。

「私が頑張った理由は、身重の妻を抱えて家族を守るため!」……私の著書(『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術』)ではそう書いています。

しかし、実は今まで人に言ってこなかった理由がその裏にあるのです。

 

それは成績が低迷していた頃の話でした。そう、まさに「手取り1655円」あたりをウロウロしていた頃のことです。

保険会社では営業職員の日々の成績は完全オープンです。

キャンペーン時には壁にグラフが張り出されますし、実名入りの全社ランキングも社内オンラインでいつでも見られますからね。完全歩合制ですから収入までほぼわかっちゃいます。

そうすると自然と、支社の中で〝序列〟が出来上がります。

挙績が大きい人ほど上位になり、売れない人は肩身がせまい思いをします。

私の序列は当然、ずーっと下の方。

身体がデカくて目立つけど、なんかパッとしない新人」という位置付けだったと思います(笑)

 

隣の営業所に、時々世間話を交わす先輩がいました。仮に〝K先輩〟としましょう。

K先輩は、営業職員にありがちな、ピリピリとしたところがなく気さくな人で、私の中では「緊張感なく安心して会話できる先輩」という位置付けでした。

……その日までは……。

 

ある出社日のこと。

支社ミーティングも終わり、ふっと緊張が緩む時間帯があります。

その時にたまたま近くにいたK先輩に話しかけたのです。何のことだったかは忘れましたが、ちょっとした世間話だったと思います。

しかしK先輩は、私が話しかけてもこちらを見ず、硬い表情で作業の手を止めません。

あれ、聞こえなかったかな? と思い、もう一度話しかけました。

「K先輩……!」

 

そのとき返ってきた返事が、今でも忘れられません。

それが「口をききたくない」だったのです。

言葉は聞き取れたのですが、とっさにその意味が理解できず、「は?」と思わず聞き返しました。

そうすると今度ははっきりと私に向かって言いました。

「お前とは口をききたくない」

昨日までのK先輩の態度とのあまりのギャップに理解がついていかず、

「え? あ、いや……なんでですか?」

と聞くと、帰ってきた返事は……。

「お前と話すとツキが落ちる」

 

社内ランキングの低い私と得るものはないということです。

あまりのことに返す言葉が出てきませんでした。

気の弱い私は、角を立てるのも嫌なので公然と憤ることもできず、中途半端な愛想笑いでその場を収めました。

実は今でも、このことを思い出すたびに自己嫌悪で苦しくなります。

 

頑張るエネルギーの源が〝黒い感情〟でもいい

 

正直に言いますと、このことで私は深く傷つきました。

先輩に対する暗い怒り……。

「何もそんなこと言わなくてもいいじゃないか」と正直恨んだものです。

そして、何も言い返せなかった自分の不甲斐なさに対する怒り。

その後、仕事を頑張り、「月収1万倍」を実現させた背景には、この時「怒り」が明らかにありました。

黒い感情が、その後の爆発的な行動量のエンジンになったわけです。

わずかなチャンスをめがけて、人に会い続け、電話をし、プレゼンをし、紹介を真正面からお願いしました。時間が空けば新たな見込み客と会える場所に出かけていきました。

数をこなすうちに下手なプレゼンも上手くなってきます。

紹介も、最初はお願いした5人に4人からは断られるほど確度は低かったのですが、それでも件数はじりじりと増えてきました。

そうするうちにいつの間にか紹介だけで回るようになっていったのです。

終わってみれば、黒い感情を、人生を前に進める推進力にうまく転化することができたと言えます。

 

「行動」のためには、なんでも利用!

何かに対する怒り、誰かに対する恨み……。

あまり表に出せない、こういった黒い感情はかっこいいものではありませんが、ふてくされたり、やけ酒で散らしたりするのではなく、それを仕事のエネルギーに転化できるのなら大いにアリだと思います。

稼げないうち、ダメなうちはなんでも利用しましょう(笑)

 

K先輩は成長意欲の高い人でしたから、当時のダメダメな私と話しても得るものはない、という考えだったのでしょうね。支社で目立っていたトップセールスの先輩に話しかけているのをその後しばしば見かけました。

ちなみにK先輩とはその後は普通に話す仲になりました。

私は仕事に打ち込んでいく中で結果が出るものですから、仕事自体が面白くなっていきました。そうすると自分も成長していきます。その中でいつの間にかK先輩とのことはどうでもよくなってしまいましたね(笑)

正直に言えば、今でも多少わだかまりはありますが……うーん、感謝の方がちょっぴり大きいかな。なぜなら、私が行動するためのきっかけを与えてくれたわけですから。

 

こういった私の内面のことは一切本人には言っていません。本人は100%忘れているでしょうし。
まあ、こうして告白出来るくらい自分の中で昇華出来たわけですからOKとしましょう。

大坪 勇二

この記事を書いた人

【仕事のプロを育てるプロ】 コンテンツプロデューサー。人脈術と交渉術の専門家。

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