クレームが発生しないためにはどうすればいいのか、企業はこれを考えるべきかもしれませんが、どのような企業でもクレームをゼロにすることは不可能でしょう。そう認識しながら経営、運営、そして営業活動をいっていかなければいけません。クレームや苦情が発生することを想定していなければ、もしそれらが発生した時の対応が遅れてしまうからです。
クレームや苦情が発生してしまった時、どのように対応すべきなのかを考えてみましょう。ここにあげる最低限の対応さえできれば、最悪の事態を招かずに済むはずです。
クレーム対応の第一の鍵はスピード
クレームが発生したときに、それを受けた企業側が最も重要視したいのが、いち早く解決することです。できれば、クレームの発生と同時に、それを解決すること。ただ、内容によってはそれが難しいケースも出てくるでしょう。その場合でも、いつどのように解決するのかをクレームを寄せてきた顧客や消費者に対して説明し、その通りに対応・処理していかなければいけません。
顧客管理の観点からいえば、そのクレーム内容や対応などをしっかりと記録として残し即座に対応できる状態にしておくとともに、実際に解決したのであれば、その方法や結果などもデータベースとして残せるよう整理しておくことが求められます。クレームへの対応が遅れれば遅れるほど、企業の信頼は失われます。どんなに贔屓してくれている顧客であっても、この対応の遅れによって離れてしまうことは珍しくありません。何よりもスピード感、これがクレームや苦情の対応・処理には必須であると認識しておきましょう。
「再発防止」も忘れてはならないポイント
次に企業が意識しなければならないのが、再発を防止することです。クレームや苦情の内容がおかしないいがかりなどではない限り、同じような問題やトラブルが発生する可能性は否定できないでしょう。すでに発生しているが、顧客や消費者がクレームを寄せてきていないだけかもしれません。知らない間に少しずつ企業の信頼が失われている可能性を否定しないことが重要です。
再発防止を徹底するためには、クレームや苦情を企業内や部署内などの組織の中で共有し、どのようにすれば再発を防止できるのかを徹底して話し合うことが求められます。クレーム処理した本人だけがわかっていても意味がありません。営業担当者個人に対する苦情であったとしても、同じ営業部内の別の営業マンが同じような苦情を受けないという保証はないわけですから、どのような顧客にどのようなクレームを受けたのか、また、どのように処理したのかを社内で共有し、それを今後の営業活動などに活かせるようにしておきましょう。
不満が小さなうちに解決しておくことの重要性
最初はごくごく小さなクレームであったとしても、処理の仕方を間違えるとそれが大きなクレームへと形を変え、企業を存亡の危機へと向かわせることも珍しくありません。
企業として強く意識しておきたいのは、クレームや苦情は小さなうちに解決しておくことの重要性です。
クレームを寄せるということは、大なり小なり不満を持っているということ。担当者が不満を持っている顧客や消費者に対して杜撰な対応や適当な態度を示そうものなら、その不満は徐々に大きくなり大爆発してしまう可能性も出てきてしまうでしょう。
それを回避するのが適切なクレーム対応や処理なわけですが、その適切な対応や処理というのは、クレームの内容や顧客・消費者の不満度などによっても変わってきます。ここは見極めが難しいところではあるものの、上であげたスピーディーな解決や誠意のある対応があれば、不満を大きくしてしまうことは避けられるはずです。
クレームを寄せた顧客などの不満が大きくなってしまう原因には対応スピードが遅かったり誠意が見えなかったりなどの他に、例えば、担当者がコロコロと変わりその都度顧客が説明を迫られたり、クレームの内容と対応内容に齟齬が生じたりなどが考えられるでしょう。
これは絶対にあってはならないミス。担当者が変わるにしてもしっかりとクレーム内容や顧客情報などを引き継げる体制を整えておくことも企業や営業部などには求められるのです。
クレーム発生時に営業担当者が考えなければならないこと
営業担当者がクレームを受けたとき、あるいは苦情の対応を行わなければならないとき、そのクレームや苦情を甘くみないこと、これが何よりも意識しなければならないこととなります。甘くみれば、上で説明したように対応が適当になるなどし、顧客の不満が巨大化するリスクが生まれます。
また、「クレーム対応は面倒くさい」、「できる限り関わりたくない」と考えるのもご法度。こういった考え方で頭の中が支配されてしまうと、それが対応にも必ず現れてしまうからです。クレームや苦情はもはや歓迎すべきことであり、それをきっかけに顧客や消費者のことを知ることができ、また、企業や商品・サービスの良さをアピールできると感じるくらいのメンタルを持たなければいけません。
もし自分のミスなどによってクレームが発生したのであれば、それを隠そうとはしないこと、これも重要なポイントです。自らが原因の苦情は自らがしっかりと対応し、そしてそれを社内や部署内で共有することが求められます。そもそも、そのクレームや苦情をなかったことにしたり、重要な案件であるにもかかわらず社内で共有したりしないなどがあってはいけません。同じような自体が起こる可能性を否定せず、同類のクレームを受けないための対策にも積極的に乗り出すようにしましょう。
営業活動を行う際にも、社内で共有したクレーム情報やその処理に関する情報などを整理し、顧客や消費者にアプローチすることを意識してください。こうしたことを頭に入れておけば、同じような失敗や苦情を避けることに必ず役立ちます。これの連続によって、企業や営業担当者は信頼や信用を得ることができ、商品やサービスの売り上げにもいい結果をもたらすと認識しておきましょう。