白川佳果 営業マンが学ぶべき「銀座のママ」のビジネススタイル

お客様をコーチングで元気づけてお見送りする銀座ママ

今回の対談ゲストは、メンタルビジネスコーチの白川佳果(よしか)さんです。

白川さんの経歴上の特徴は、なんといっても「銀座のママ」を12年間されていたということです。
弁護士事務所の秘書や外資系企業に務めた後に、夜の銀座の世界に飛び込まれた白川さんは、銀座のクラブでママをしながら、なんとコーチングの勉強をしているんですね。白川さんがママを務めていたお店は「座っただけでウン万円」というようなお店!
お客様である富裕層ややり手ビジネス相手に、それとは気付かれないようなかたちでコーチングをしていた。「お客様をコーチングで元気づけてお見送りする」というのが、白川ママの得意技だったわけですね。

白川佳果氏プロフィール

元銀座のクラブママ、ビジネス&メンタルコーチ。

幼少期から両親の厳しい教育を受け、「生きるとは何か」を考える。外語大にて英語教員免許を取得後、弁護士秘書、外資系OLを経験。会社組織の中で歯車として生きることに疑問を感じ、「決められたレールではなく自分らしく生きたい」という想いが強まり銀座の高級クラブにて勤務。

その後、No.1からママに抜擢され、顧客満足と売上UPの両立を追及しながら、各界の著名人など3000人以上の富裕層をリピーターとし、不況下でも価格を下げずに繁盛店に。経営者、起業家からも多くの相談を受け、人と組織のらしさ、魅力を引き出し可能性を開くことをミッションとした会社設立。

銀座引退後も、事業主、起業家、セールスパーソンに対し、ビジネスにおける心理的障害を取り除きながら、本質的な魅力や価値を引き出し、「伝わる」「売れる」「濃いファンと繋がる」支援をしている。

飛び込んでいかないとわからない世界

大坪 外資系企業や弁護士事務所の秘書を務めていた白川さんが、夜の銀座の世界で「クラブのママ」として働くようになったいきさつを聞かせてください。

白川 弁護士事務所時代は、私自身が法律家を目指していたわけではないので、秘書業務を覚えると、今度はもっと別のことをしたいなと思うようになってしまって、その後、好きな英語を活かした仕事がしたくて、半導体やエレクトロニクス関係の外資系企業に就職しました。
でも私、根っから文系人間なので、英語は使えるんですけど、事業の内容にはあまり興味が持てなくて、段々大変になってきたんです。営業とか翻訳とかで、もう夜11時ぐらいまで残業しながら、「私、このまま終わりたくない」って思ったりしましたね。

大坪 そんな激務の中で、どうして「夜の銀座」との繋がりができたんですか?

白川 激務に追われながらも、「自分は何が向いているんだろう」って、自分探し的にいろいろ資格を取ったりしていたんです。FP、色彩検定、ハーブやアロマですとか、カウンセリングですとか、フードコーディネイターですとか……。
好奇心が旺盛だったので、たまたまご縁があって夜の銀座の世界へ、という感じです。
最初は「せっかくのチャンスなんだから、どういう世界かちょっと覗いてみようかな」っていう感じで、バイト感覚で働きました。
やっぱり、飛び込んでいかないとわからないことってあるじゃないですか。
飛び込んで、覗いてみたらですね、あの……とても楽しかったんですね。

大坪 楽しかった!

白川 はい。私はやはり機械相手の仕事より人が好きなんですね。物を言わない半導体を目の前に夜中までパソコン作業をしているよりは、ダイレクトに人に関わって、お客様から感謝とか笑顔がいただけるっていうのがすごく楽しいんです。大変な部分もあるけれども、そこで自分も癒されるという部分もあったりして。

大坪 最初に出会ったお客さんって印象深いでしょう? どんな人だったんですか?

白川 そうですね。別のお客様が接待で連れてこられた方だったんですけど、本が好きな方で、話題が盛り上がって。「あなたと話をすることで本当に元気になれた。銀座って本当にいい場所だね」って言ってもらえたんです。
まだ新人の私なのに。接待をされている側の方からも感謝をされて。私も「好きなお酒飲んで、お話しして、感謝をされて……なんていい仕事なんだろう!」って思っちゃったんです。

銀座ママと保険営業の共通点?

大坪 そもそも銀座のクラブのお仕事って、どのようなものなんですか?

白川 そうですね……銀座のクラブというのは「永久指名制」なんです。

大坪 永久指名制? 何だかすごく重い言葉ですね。

白川 なので、1人の担当の女性が決まったら、そのお客様が店の中の他の女の子を気に入っても、会計係はその担当の女性なんですね。アカウントする係は決まっているんですよ。
慣れてきて、自分のアカウントのお客様が増えてくると、例えば「ノルマで月に幾ら売ってください」「これ以上売ったら、プラス分は乗せますよ」っていう契約があったり。それより上にいくと「このパーセンテージでやりましょう。折半でいきましょう」っていうかたちにもなって……。
これって、保険業界の営業職と似ている感じなんですけど。

大坪 クラブは「箱」(場所)で営業するわけですけど、中にいる女性たちは、基本的には個人事業主ということだ。債権回収まで、お客様の代金の振込まで責任持つということですよね?

白川 はい。お客様から入金がなければ、担当の女性が肩代わりして、それを全部お店に払わなきゃいけないんですよね。

大坪 辛いよねー‼

白川 なので、お客様は見極めないと、自分が大変なことになっちゃうんですね。

大坪 保険営業の場合は、代金回収は保険営業マンが責任を負うんだけど、もしも入らなくても、「あ、契約流れちゃったね」で終わるけど……そちらはそうじゃないですもんね。もう実損になって、それを……。

白川 そうですね。もう背負わないといけなくなりますね。売上だけを追っていると、マイナスになってしまうこともあるので。しっかり人を見極めないといけないですね。

大坪 でも、ビジネスとして、お客さんを確保してお金を使ってもらうわけじゃないですか。その場合はどういうお客さんを選ぶかによって債権回収できないとか、そういったトラブルもあるかもしれませんよね。どういう視点で、お客さんを選んでたんですか?

白川 うーん、やっぱりその方が長くお仕事をされているかとか……。やっぱり一発屋で……っていう方は……。

大坪 今、金回りがいいってだけの話ね。

白川 そうそう。それは〝上積み分〟として考えておいて。やっぱり「コンスタントにちゃんと計画を持ってお仕事をされている方」を見ている、ということですかね。

大坪 月の売上をつくるには、まずは手堅いお客さんがあって、で、ばーっとお金を使うような人はプラスアルファ上積み分で見るみたいなイメージってこと?

白川 そうですね。やっぱりね、毎月売上は上げていかなきゃいけないですし、年間でも上げていかなきゃいけない。どの仕事でも一緒だと思うんですけど。

銀座ママと保険営業マンの共通点?

大坪 〝銀座のママさん〟って、どんなようなライフスタイルなんですか? たとえば朝は何時に起るとか……。

白川 これは私独自のものになるんですけれども、私は割とリズムを守りたいタイプだったので、朝はやっぱり9時ぐらいには起きて、新聞とかニュースに目を通して。

大坪 へー、それは話題づくりのため?

白川 そうですね。あと、日によって違いますけれども。昨日来てくださったお客様にお手紙を出したり、メールを出したり。

大坪 へー! 僕たち保険営業と一緒だね(笑)

白川 そう、同じです。ちゃんとリスト化をしまして。あと、日によってはご挨拶回りということで、スタッフに車を出してもらって会社を回るんです。

大坪 へー! 足を運ぶんですか。

白川 はい。そうやって会社のご様子もちょっとうかがいながら、信頼関係を築いていく。お客様であるそこの社長さんだけじゃなくて、なるべく秘書さんも取り込んでしまうと。

大坪 なるほどね。その時は、和服で行くの?

白川 いや、それは目立ち過ぎるので、もう会社員のような格好で行きます。男性スタッフも一緒に行きます。会社の入り口前でお電話をして、私が行ったらまずいようでしたら、男性スタッフに「会社の者です」というかたちで行ってもらいますね。

大坪 へー!なるほどね。ちゃんと配慮するわけですね。

白川 はい。それがない日はジムに行って、飲み過ぎたり食べ過ぎたりした分を……。

大坪 あー、絞り出すわけね。

白川 そう、絞り出したり、ちょっとエステに行ったりするわけですね。私は途中からコーチングとかも勉強していたので、そういう時間も確保したりして。

やっぱり長いお付き合いしていただく……お客様のライフタイムバリューをすごく大事にしていたので、こちらも自分磨きに気を配りました

大坪 ライフタイムバリューね。

白川 会社として長くお付き合いする、人として長くお付き合いする。やっぱり人生いろんなことあるじゃないですか。辛い時も、すごく良かった時も。難しい説明なく、「あそこに行ったら話しができる」場所って必要だと思うんですね。特にリーダーの方って。

大坪 「夜の銀座のクラブ」というのが、そういう場所なわけね。お酒飲んで騒ぐわけじゃないのか。

白川 そういう目的の方もいらっしゃるでしょうけど、やっぱり長いお付き合いはしていくわけですから、父親から代がわりして、息子さんがお客様になってくださったりということもあります。

大坪 すごく聞きづらい話なんですけど、銀座のママさんの経済状態って、どんな感じなんですか? サラリーマンなんかだとほら、外資系だと年収1000万円はあったりするじゃないですか。それより…?

白川 それはもう全然…。

大坪 全然上なのか!!

白川 ですけれども、サラリーマンの収入ぐらいは、出ていきますからね。

大坪 へー、何に使うんですか?

白川 お洋服とか着物とか、お客様への付け届けとかで。
たとえばブランドショップに行くだけでも勉強になるじゃないですか。そのセンスとかデザインとか、どういうマーケティングをしてるのか、とか。

大坪 それに普通の生活だとなかなかきれいな服着て行くような場ってないですもんね。

白川 そうですね、日本だと社交の場って少ないですもんね。

大坪 夜の銀座の世界には何年間いらっしゃったんでしたっけ?

白川 気がつけば12年もおりました。うん、あっという間でしたね。龍宮城の浦島太郎じゃないですけど。

コーチングでお客様を〝エンパワーメント〟するというスタイル

大坪 白川さんの面白さはなんといっても、昼間にコーチングを勉強しながら、夜には仕事の場でそれを生かしたということですよね。
でも、そもそも、その光景が思い浮かばないんですよ。ママさんがいて、お客さんがいて、コーチングをしているっていう……。どんな感じだったんですか?

白川 お店の中での接客では、コーチング的な知識を持って会話をするけど、いかにものコーチングをしているわけではないですよ。

大坪 (笑)でも、どんなやり取りなんですか、その場合って。

白川 そうですね。結局は、お客様をエンパワーメントしたいということですね。

大坪 力づけるってこと?

白川 力づけたいっていうのがあるんですよね。ご自身の中に持っている幼少期にできた思い込み、ビリーフだったり、逆に何が原動力になっているかとか。
そういうことを言語化する。さりげなく会話で聞き出して、それをご自身で言語化されて「だから、自分は何をしたいんだ」っていうところまで持っていく。なぜそのお仕事をされているかということで、ご自身がすごく納得されたりするんです。

大坪 なるほどね。それを、気づかれないようにやるわけですか。

白川 そうですね。やっぱり人って、他人から言われるより自分で気づいたことのほうが気づきが深いじゃないですか。
自分で気づいたことじゃないと、動いたり動かされたりしないので。いかにも自分で気づいたように持っていくわけです。

大坪 なるほどね。そういうふうにお客さんと接して、お客さんは変わりましたか? 変わっていく人もいれば、そうでない人もいると思うんですが。印象的なお客さんっていますか? 差し支えない範囲で結構ですけど。

白川 もう、かなりでき上がった状態で知り合った方もいらっしゃいますけれども。

大坪 でき上がったっていうのは、ご本人がかなり経済的に成功しているということ?

白川 そうですね、もう社会的に成功されているような状態で知り合った方もいらっしゃいますけれども。起業されて、これからもっとっていう時に知り合った方がどんどん業績伸ばされて、マスコミにも出たりですとか、世界にも出たりされてると、すごく嬉しいなと思いますね。

大坪 じゃあ、そういう場面に何人も立ち合ったわけですね。

白川 そうですね、はい。

「銀座でモテる人」は、謙虚に学ぶ

大坪 一晩で最高いくらぐらい使う人がいるんですか?

白川 そんな話!?(笑)

大坪 絶対これみんな知りたいと思うんだけどな。どれくらい使えば、銀座ではいい顔ができるんですか?「あの人すげー」みたいに言われるには?

白川 伝説になるのは千万単位だと思うんですけど。

大坪 千万単位? 一晩で?

白川 そうですね。

大坪 ハー!!!

白川 まあ、何百万単位でもやっぱり「すごいな」ってなりますね。

大坪 一晩で?

白川 はい。

大坪 ……はー、桁が違いました。そうなんですね……。
あとね、これも聞きたい人が多いと思うんだけど、銀座でモテる人って、どんなタイプなんですか?

白川 女の子に優しいことですかね。

大坪 あれ、意外に平凡な答えですね。

白川 うん。まあ、いろんなモテ方があると思うんですけど。すごくお金を使ってとかあるかもしれないですけど。でも、お金使っても、すごくわがまま言われたり、精神的にストレスを与えられると、女性は「その時だけは機嫌をとろう」になっちゃうと思うんですよね。

大坪 へー。

白川 やっぱり「人間力」がある方こちらから話したくなるような方がいいですね。

大坪 それって、どんな人?

白川 うーん、懐が深い方。あと、「人間ができてるな」って思う方って、やっぱり謙虚なんですよね、すごく。お立場があられても、若輩者の私のような者からでも何かを学ぼうとされる。すごく謙虚に何かを学ぼうとしているし、感謝をされてるって思いましたね。

なぜお金持ちは銀座に飲みにくるのか?

大坪 そもそも銀座に足を運ぶ人の動機に繋がってくると思うんだけど、皆さん、なんだろう、癒されたいのかな。もちろん、ガーっとお金使ってパーっと遊びたいって思う人もいれば。そうじゃない人もいるってことですか。

白川 そうですね。ご自身のサードプレイスとして癒されたい場所

大坪 会社でもなく家庭でもなく、三番目の場所として。

白川 そうですね。そういうパターンの方と、やっぱりご自身の力を見せつけたいとか、みんなで騒ぎたいっていう方に、結構分かれるんですね。「絶対銀座では一人で飲みたい」って方と、「絶対一人では飲みたくない」っていう方に。

大坪 なるほどね。自分の力を見せつけたい人って、どんな人ですか、それ。要するに、自慢するってこと?

白川 そうですね、自分がやってきたことの成果を自慢したいとか、承認されたいとか。

大坪 そういう人を見てどう思いますか?

白川 承認欲求は多かれ少なかれ誰にもあるとは思うんですね。あと、自分の克己心に繋がっているならば、それはいいと思うんですよ。「ここで飲むためにもっと頑張ろう」とか。

大坪 ほう、頑張ろうって。

白川 あと、お客様が長く飲んでらっしゃると、他のお客様が横目で見て、「あの人まだ飲んでるな」っていうのがあるらしいんですよ。「まだあの人飲んでるな。俺も頑張ろう」って。お互いに関係ない会社の人だけれども。

大坪 ああ、そこに居て長く飲んでいるっていうのは、ステータスってことなんだ。

白川 そうそう、そこに居て、ずっと飲み続けてる。「あの人はずっと成功して頑張ってる。俺も負けないように頑張ろう」みたいなのがあるらしいんですね。

大坪 へー! 面白い。でもお互いが言葉を交わすわけじゃないんですね。

白川 あ、でも何か言っていただければ、私もその場でマッチングとかしてましたので。「何かできそうだったら、ご紹介しますよ」とか。

大坪 そうやってお店でビジネスが繋がることもある、と。

白川 そうですね。

アフターフォローでリピーターを増やす

大坪 その銀座をもう卒業されて、今はビジネスメンタルコーチをされている白川さんですけど、銀座時代の経験は、今、どういうふうに活きてますか?

白川 やっぱり〝かたちのないもの〟を売っていたので、どうやって人の気持ちを読んで、気持ち良く、押し売りではなくて、ご自分のために買っていただくかとか。どのような情報を聞き出して、どんなアフターフォローをしていってリピーターさんを増やしていくか……という発想ですね。

大坪 なるほど。白川さんは店舗のコンサルティング的なこともされますよね。

白川 そうですね。でも今は個人様の方が多いかもしれないですね。

大坪 その個人の方は、先ほどもおっしゃったように、ご自身で会社を経営している人とか、個人事業主とか、要するに自分でビジネスをやってる人ですよね。そういう人に対するコーチングをやってらっしゃるわけですね。

白川 はい、そうですね。

大坪 クライアントさんは男性女性、どちらが多いんですか?

白川 今は半々ぐらいですね。

大坪 あ、女性も多いんですか。

白川 はい。

大坪 話は銀座時代に戻っちゃうんですけど、白川さんって、お店としてのクライアントは男性だったじゃないですか、明らかに。

白川 はい、銀座時代はですね。……クライアントって (笑)

大坪 一方、ママさんとして女性を率いていたわけでしょう?

白川 はい。

大坪 (気持ちを)切り換えなきゃいけないですよね?

白川 うーん、自分の中ではそんなに切り換えている意識はなかったんですけどね。まあでも、女性の方が、やっぱり「共感されたい」というのはあると思いますね。

「伸びていく人」「没落する人」「復活する人」

大坪 また銀座の話で恐縮なんですけど、お客さんを見ていて、「この人、伸びていくな」とか、「この人はちょっとトラブル起こしそうだな」とか、そういことを読めたりする感覚はありましたか?

白川 伸びていく人は、そうですね……うん、使う言葉が前向きなんですよね。

大坪 使う言葉が違う。しかもそれは、前向きな言葉

白川 そうですね。たぶん、いろんなトラブルは起こってると思うんですけど。そこをやっぱり、すごく前向きに……前向きというか〝学び〟に捉えている

大坪 へー。じゃあ、逆のケースで、なんかこう「いつの間にか店に来なくなる」とか、明らかに没落しちゃったような人もきっといると思うんですけど、そういう人の特徴って?

白川 そういう人は、なんだか意固地になってたりしますね。人のアドバイスをあんまり聞かないんじゃないかなって感じることがあります。そう……悪い意味でガンコ。〝夜も寝ないで頑張ってる自分がエライ〟みたいに思ってたり。

大坪 へー、そうなんだ。

白川 緩急を付けるのが上手くないのかなって思ったり。

大坪 そういう人の場合は、接客のプロとしてはどういうふうに接するんですか?「そういうもの」として(割り切って)扱うわけですか?

白川 そうですね。

大坪 そういう人に対してコーチングを試みたりは?

白川 あの、お説教はされたくないと思うんですよ、お客様は。

大坪 そうですよね(笑)

白川 お説教はされたくないと思うので、だからその本人に対して言っているっていうふうにしないで、「たとえばこんな人がいてね」みたいな話をすることはありますね。

大坪 おー、そうなんだ。その人の人生に良い気付きを与えようとか。

白川 そうですね。でも、いったんはポシャっても、復活してくる方もいらっしゃって。

大坪 へー! そういう人の特徴ってどんなものですか?

白川 そういう人は「絶対にこれをしてやろう」っていうがあったり、あと、やっぱり「人に可愛がられてる人」ですね。ダメな時にダメな自分をさらけ出すことができて、人に助けを求められてるんだなって。

大坪 「助けてくださいよ」って、なかなか言わないですもんね。

白川 うん、特に男性はそうなのかな。

大坪 言わないですよ。男性って男性に弱みを見せるのって、ダメなんですよね。犬がお腹見せるみたいなものっていうか、よっぽどじゃない。あれはね、覚悟が要りますもんね。

白川 うんうん。

人と上手くやりながら、たくさん稼ぐ

大坪 これからのビジネスではどんな方向にいきたいですか?

白川 私は小さい頃から本が好きだったり、大学時代に外国語にこだわっていたってこともあるんですけど、やっぱり「言葉」っていうものは切り離せないものだと思っていて……。クライアントさんの能力を引き出したり、業績を上げたりっていうのもあるんですけど、その方の「伝えたいもの」を何かかたちにしたいっていう思いがすごくあるんです。ですので、今その出口として、電子書籍ですとかポッドキャストのプロデュースもしてるんですけれども。

大坪 ちなみにポッドキャストのタイトル、なんていうんですか?

白川 「魅力とビジネスをプロデュースする 元銀座ママ白川佳果の No.1 になる人の秘訣」です。

大坪 No.1になる人……メチャメチャ肉食系なタイトルですね。

白川 肉食じゃないんですよ。〝No.1〟っていっても「独り勝ちしよう」っていうんじゃなくて。今は共生の時代。みんなで共に生きる時代の中で、自分の使命……使命っていうと大袈裟ですけれども、そういうものを際立たせて人の役に立つにはどうするか?っていう視点で話しています。

大坪 なるほど、そういう意味のNo.1ですね。他人を蹴落とすとか、出し抜くとかじゃなくって。

白川 はい。それだと自分も苦しくなっちゃうんで。
私もそういう〝戦う〟とかいうことは苦手なので。人と上手くやりながら、たくさん稼げる方法を考えたいと思います。

大坪 なるほど。人と上手くやりながら、社会に対して良いことを提供しながら稼げる方法か。

白川 そうですね。

まとめ

大坪 いかがでしたでしょうか? 私・大坪はお酒が飲めないということもあって、銀座には今までほとんど足を踏み入れたことがなかったし、たぶん今後の人生でも踏み入れることはないでしょう。それだけに興味深い話がいっぱいで、面白かったです。

銀座の女性……ホステスさんたちというのは、要するに個人事業主なんですよね。最初は時給だけど、格が上がってくるにつれて、最終的には売上と収益を店と折半する。「銀座のクラブ」という箱を借りた、完全な個人事業主だということがわかりました。それだけに、たとえば代金回収とかマーケティングとかも本人がやらなきゃいけないわけですね。

白川さんは面白いことに、銀座時代からメルマガを出していたといいます。僕としてはそれ、非常にウケたんですよね。営業マンとしは、見習うべきことがたくさんですね。
で、今回は明らかにはしませんでしたけど、実はこっそり、銀座のママさんたちの具体的な年収とかも聞いちゃったんですよ。びっくりしました。生命保険業界のトップセールスマン並なわけですよ。
でも、生命保険営業マンよりもリスクが高い。お客さんが売掛金をもしも払わなかった場合は、その損害を彼女たちが店に対して払う。そういう意味では、保険営業マンよりはるかに高いリスクを背負ってやっている、真剣勝負なわけですよ。
だからこそ、相手を見る目を養わなきゃいけない世界なんだということがわかりました。

大坪 勇二

この記事を書いた人

【仕事のプロを育てるプロ】 コンテンツプロデューサー。人脈術と交渉術の専門家。

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