保険営業マンに効く読書 「ああ、これが地獄というものか…」北嶋一郎著『生きぞこない』

北嶋 一郎 著 ポプラ社
『生きぞこない』

 

あぁ、これが地獄というものか・・・!

本書は、メルマガ読者の方から教わったものです。

その語り出しが秀逸。

ちょっと長いけど引用してしまおう。

 

「きれいな歯をしてますね」

僕は人からよく、そんなふうに言われる。

でも、言ってしまおう。

僕の歯は入れ歯。自分の歯は下の六本のみだ。

 

2009年9月12日、僕は自殺を図った。

意識不明のまま病院に搬送された僕の口は固く閉じられていたらしく、

胃洗浄のチューブを通すためには歯を粉々に砕くしかなかったらしい・・

 

こんな出だしから始まる本書に、のっけからぐいぐい引き込まれてベッドの上で一気に読了してしまいました。

あとがきによると、どうやらライターさんがいるらしいが、それでもこの迫力は見事。

 

絶頂からどん底へ

 

著者は、バブルの華やぎが絶頂だった1989年に新卒で

誰でも知っている有名大手外資系IT企業に営業として入社、

なんと入社1年目から年収1000万円を超え

(私は彼と1年違いですが初年度の年収なんて400万円なかったぞ。くっそー)、

以来、仕事と出世と女性と高級車に全精力を注ぎ込んできました。

転職を繰り返して最終的には年収2000万円に到達

 

しかし、最後の会社を辞めてから、まったく転職のお声がかからなくなり、

高級マンション、ポルシェとその改造費、そして高級腕時計コレクションなどでたまりにたまった借金は億を超え

著書は経済的破たんばかりか、双極性障害(躁うつ病)を発症し、同居していたパートナーにも暴力をふるうなど、

精神的にも破たんしていくのです。

 

この絶頂からどん底へは、もうまっさかさま

なんせ、年収2000万円でスカウトされた翌年は、ドラッグストアやカレーうどん店で時給バイトなのですから。

人を幸せにするのは、能力ではなくて、自己イメージ

ここまで読んで、

「うーん、私が著者だったら、この時点で保険屋になって、昔の仲間に保険を売りに行くな」と思いました。

 

外資系高給リーマンは、収入が高い一方でどこか将来に不安を抱えているので貯蓄意欲は高いし、

その上意思決定が早くて、仕事時間中でも自由に会えると、保険屋さんにとってありがたい、

最高級のお客さまなのです。

 

著者は頭がよくて仕事ができそうだし、業界の人の気持ちもわかっているだろうし、

たぶんあっという間に保険屋として年収2000万円以上は稼いでいたでしょうね。

現に私はこの会社出身でもっぱらこの会社の社員だけをお客さんにして

年収5000万円以上を稼いでいた人を知っています。

 

それに複数回の転職を含め経験豊富な人なので、絶好のライフアドバイザーとして

お客さまから重宝がられたことでしょう。

ガチガチの外資系で激しい競争を繰り広げるより、フルコミッションの自営業として

自由に働いた方が絶対に楽しいし。

うん、成功間違いなし。やったぁ!逆境バンザイ!

 

まあ、とは言え実際問題として、著者がその時点でそのチャンスに気付けた可能性は

ほとんどなかったでしょうね。

人間の脳はとても指向性が強いので、客観的に見たらどんなに大チャンスに遭遇していても、

それが当人のコンフォートゾーンに入っていないと絶対に見えない仕組みになっているのです。

 

著者の自己イメージは、おそらく「エリートサラリーマンでしか輝けないオレ」というものだったのでしょう。

そうであれば、再就職先が見つからない現状には、

「いよいよ追い詰められた、どうしよう。」という意味しか見いだせないので、

結果その世界観通りの情報だけをキャッチして、ますます追い詰められていくでしょうし、

 

どんな苦境でも必ず突破口を見つけるカッコいいオレ」という自己イメージを持っている人は、

「まてよ。これって何かのチャンスが潜んでないか?」とチャンスを見つけていくでしょう。

 

人を幸せにするのは、能力ではなくて、自己イメージなのです。

もっと上に行きたいあなたに役に立つかどうかわからないけど、絶対読んでおいたほうがいい一冊です。

 

 

北嶋 一郎 著 ポプラ社

『生きぞこない』

 

大坪 勇二

この記事を書いた人

【仕事のプロを育てるプロ】 コンテンツプロデューサー。人脈術と交渉術の専門家。

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