ヘッドハンティングされ入社したが心が休まらず…外資系生命保険会社営業マンの体験談

外資系生命保険会社の保険外交員として11か月勤務しました。お給料は完全歩合制のため固定給は一切なく稼いだ分がその月の報酬でした。月収としては、最高で60万円、最低で11万円で平均すると25万円ほどでした。11か月勤務して300万円ほど稼ぎました。休日に関しては、週に2日の定例のミーティングに出席すれば、会社の決まりとしては出社の義務はなくその他の曜日は基本自由でした。ただ新人にはそういう自由は全くなく、朝から晩まで働きづめでした。ある1日の流れとしては、朝7時に出社し、研修やロールプレイを行い、日中はお客様のもとで商談をし、商談が終わった夜には日付が変わるくらいまでまた研修やロールプレイをするというものです。平均すると残業時間は100時間以上になるのではないかと思います。ただ会社規定でそういった残業代も含めて報酬体系が組まれているので労務的には問題ないようでした。

転職のきっかけはヘッドハンティングでした。元々この保険会社に保険契約があり契約の担当者から話を聞いてみないかと誘われ選考がスタートしました。話を聞くうちに、会社の魅力はもちろん生命保険の社会的使命、役割に共感しました。お客様へ保障を届けしお客様へ貢献すればするほどそれに応じて報酬も増え、自分自身も豊かになっていくシステムにとても魅力を感じました。転職前の会社でも休日や福利厚生も充実して、給料もそこそこ頂いていてしたのですが、家族にもっと良い生活をさせてあげたい、もっと自分のやりたいことを制限なくやりたいという思いがとても強くなっていました。しかも転職前の会社は銀行系のコールセンターで正直なところ、ルーティーン業務ばかりで仕事の自由度も低く、上司もイキイキと働いていなかったのであまり将来性を感じられませんでした。自分のやりたいことと現職の不満があったことから自分の実力がどの程度まで通用するかという意味も込めて思い切って転職を決意しました。転職した当時は「成功するためなら休んでいる暇はない、成功するためなら何でもする。」とかなり意気込んでいました。今考えると会社に洗脳されていたのかもしれません。また通常採用はしていない会社で、ヘッドハンティングでしか人を採用していない会社ということもあり自分自身ちょっと勘違いをしていました。選ばれし者ではないですが、自分を過大評価し周りを見下していました。成功して周りを圧倒させて驚かせてやりたいと考えていました。

営業スタイルは、紹介営業です。初めは家族や友人、前職の同僚などの関わりのある人たちからアプローチをして話を聞いてもらい契約の有無に関わらず、商談をした人から紹介をもらうという流れです。そしてテレアポに始まり、訪問・商談、クロージング、契約までで期間としては約2、3週間、面談回数としては平均して2,3回面談をしました。契約後には、半年に一度は面談を行いフォローをしていました。

小さな失敗としては、面談の場所や時間の間違えたり、必要書類を持ってくること忘れたりと多々ありました。大きな失敗としては、税理士からの紹介で法人の大きな商談をする際に、「問題なく加入できる」と断言していたのですが、加入の診査をしてみたら結果として謝絶されてしまったことです。決算前で税理士もその法人の社長も加入ができる前提で段取りを進めていたようで加入ができず、軌道修正や方向転換をしないといけなくなり多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。上司と共にお詫びに伺いましたが税理士と法人の信頼を失墜してしまいました。他には基本的には紹介営業ではありますが、空いた時間を使って飛び込み営業も行っていました。デビューしたてに無知の状態で飛び込みをした際に、飛び込み先で大目玉を食らったこともありました。飛び込みでは大体話を聞いてもらえることは少ないので軽い気持ちでやっていたら、予想外に応接室に通され、代表が出てきました。しかし知識もなく経験も浅い状態だったのでお察しの通りまともに話もできず、その様子を見てかなり怒られてその会社へは出入り禁止になってしまいました。また、会社の上司からは来る日も来るも数字や結果について言われていました。結果が出ていない時は夜中までトレーニングと称した説教で罵倒され続け、また数字の上がらない週は毎晩夜中の2,3時頃までずっと電話やラインをしてきたりすることもありました。休みの日に友達と遊んだり、親戚が集まったりした際にも保険の話をしろだとか行きつけの食堂やスポーツジムの人にもアプローチしろなど言われていました。そのせいで当然知人・友人も減り、契約が増えるどころか人間関係や繋がりが希薄になってしまいました。また寝てる間も保険のことを考えろなどと言われ、四六時中24時間365日心が休まる時が全くありませんでした。こういった生活を続けていたせいで当然家庭も上手くいかず、本当に離婚してしまうのではないかという最悪の状態にまでなってしまいました。このままでは何のために転職したのか分からなくなりそうだったので退職しました。

失敗した私が言うのもなんですが、「本当に成功したいか?覚悟はあるか?」と自問自答してほしいです。私の場合は、覚悟を決めて挑戦したつもりでしたが、結果として考えが甘かったと言わざるを得ないと思います。私の同期は今もその営業を続けていて結果を出し続けています。新人ながら支社でもトップの成績です。その同期の口癖は「嫌われて死ぬわけじゃない。俺が成功すれば嫌われようが何しようが関係ない。」でした。目標のためなら四の五の言わず最後までやり切る人間でなければ成功できないと思うので、今一度自分を見つめ直し自分が営業マンとして相応しいか考え直してみて欲しいです。その覚悟がなければやめた方が良いです。

 

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【編集部】

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