保険営業で一番イヤだったこと、それは……。
「テレアポ(テレフォンアポイント)」……保険営業にとっては避けて通れない、必須の作業ともいえるでしょう。
でも、このテレアポ、「苦手だわー」「できればやりたくないんだよね」という人も結構いるはずです。
だって、いきなり電話をしても、相手が迷惑がるのはわかっているから。
特に、遠慮がちで〝グイグイ行けない人〟、ガラスのハート、豆腐メンタルで傷つきやすい人なんかは、「相手に嫌がられたらイヤだ」「怒られたらどうしよう……」なんて思いから、ついつい躊躇してしまうものですよね。
それ、まさにかつての私です。
20数年にわたる保険営業生活のなかで、何が大変だったか、何がイヤだったかといえば、それは「テレアポをやること」に尽きました。
今はメールやSNSが一般的になっていますが、当時はもう、連絡の手段といえば電話が中心(とはいえ後輩営業パーソンに聞くところによると、まだまだテレアポはさかんです)。
かつては電話口で怒鳴りつけられたり、ガチャ切りされることもよくありました。
そのたびに「あ~もうイヤだ……」と凹んだものです。もうね、電話機を見るのもイヤになったりね(これ、本当です)。
あなたはテレアポって、得意ですか? 好きですか?
そういう人はもうこれ以上お読みいただく必要はないかもしれません(うらやましい……)。
でも、そうでない人、「テレアポ、嫌い!」という人は、ぜひ読み進めてみてください。
ぶつかり合うピリピリした気持ち! 何とかしなきゃ!
「テレアポをしないと突破口が開かない」「営業が前に進まない」。かつての私にとっても、それはまぎれもない事実でした。
だから、テレアポは〝絶対に〟やらなければならない。つべこべ言ってられないわけです。
でも、自分の弱いハート、傷つきやすいハートはいかんともしがたい。でも乗り越えなければならない。
そこで私が何をしたかといえば、要するにテレアポに対する〝プレッシャー〟を軽くしたのです。
どういうこと?
テレアポに際しては、こちら側としては「何とかしてアポイントを取らなければ!」という思いでいっぱいいっぱいですよね。
それに対して見込客である相手側は?
たとえば仕事中にかかってきた電話が、いわゆる〝営業電話〟だった。
そこでぶつかり合う「何としても!」という思いと「迷惑だよ!」というピリピリした思い、緊張感……。これがピークになるのが、私としては何ともプレッシャーだったわけです。
そこで、この緊張感を何とかして下げたいと思ったわけです。
テレアポのハードルを下げる〝単純な〟一手
そこで何をしたかといえば、それは本当に単純というか、オールドスタイルのやり方。
「はがき」を書いたんです。
私の著書『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす 月収1万倍仕事術』(ダイヤモンド社)でも詳しく書き、さまざまな機会にお話ししている、ヘタレな私の〝対・テレアポの必殺技〟ともいえるのが、この「手書きはがき」作戦だったのです。
これ、相手の関係性のハードル、緊張感を下げる手段として、メチャメチャ効果的でした。
「拝啓 貴家ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて突然のお葉書まことに恐縮であります。
ひとつお願いがあります。15分間だけ時間を割いて、私から保険の話を聞いて頂けないでしょうか……(以下略)」
なんていう、馬鹿正直な簡単な文面。これを手書き(筆ペンで)書く。文字のうまさとかは関係なし。
これを事前に相手に送っておくことで、テレアポの結果にハッキリと差が出るんです。
はがきを出さなかった場合:アポが取れる率は20%くらい。
はがきを出していた場合:その約3倍、50%超え。
これってすごいことですよね。
要するに、はがきを送っていることで、相手にとって私は、初めての相手ではないわけです。もうそこですでにお互いのハードルが下がっている。
「もしもし、大坪と申しますが……」
「ああ、あのはがきの……」
って感じです。
当時としても、わざわざ手書きのはがきを送ってくる人なんて少なかったですからね。印象に残ってるんです。
だから、電話をしてその場で関係性を築く必要はない。たとえ断られたとしても、厳しい言葉はもらいません。
「まず事前にアプローチしておく」……ちょっとしたことですが、これでガラスのハートは守られるのです(笑)
「テレアポが苦手」「嫌いだ」というあなた、ぜひ試してみてください。