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書評家・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。人生100年時代を迎えた今、私たちの働き方や生き方は様変わりしています。多くの可能性があるにもかかわらず、人は無為に時間を過ごしてしまいます。時間の使い方を間違えると、亡くなるときに後悔することになります。終末医療の専門家は多くの人が、自分の人生を振り返る時に、後悔を口にすると言います。後悔しない、充実する人生を送るために、私たちは何をすべきで、どう時間を使うようにすればよいのでしょうか?
予防医学研究者の石川善樹氏の最新刊「フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略」にその答えを見つけました。今日は本書を参考に、どう働き、どう時間を使うべきかを考えてみたいと思います。
Well-BeingとWell-Doingの時間を増やそう!
著者は、人生100年時代を充実させるためには、以下の2つの時間軸に分け、上手にバランスをとるべきだと言います。
■Doing(する)の時間―「Think(考える)」「Work」
■Being(いる)の時間―「Feel(感じる)」「Private」
限りある時間の中で、DoingとBeingのバランスをとるためには、 自由+規律=自律することが求められます。戦略とは、ゴールを目指すために、どこに重きを置くか決めるか?=重心を決めることであり、自由と規律のバランスをとることだと石川氏は指摘します。そのうえで、Beingの時間を、よりよいWell-Beingの時間にするための、努力を重ねましょう。Doingの時間も同様に、Well-Doingの時間にすることで、私たちは後悔の少ない充実した人生を送れるようになります。
私たちビジネスパーソンは結果を出すために、ハードに働きがちですが、しかし、それだけで人生がうまくいくわけがありません。仲間や家族との時間を大切にし、彼らとよりよい関係を作ることで、幸せな時間を増やせます。Doばかりを意識するのではなく、Beの時間をよりよくするようにしましょう。
人生は3つのステージに分かれる。
仕事において重要な戦略は、他者からの信頼を得ることです。自分のビジョンを明確にし、それを実践することで、充実した人生を送れるようになります。仕事を3つのステージに分けて考え、その時にやるべきことをしっかりと行うことで、仲間やクライアントから信頼を得られます。3つのステージの信頼が、あなたを後押しし、結果、自分のビジョンを実現できるようになります。
2、ブランディング期
3、アチーブメント期
1、ハードワーク期
「ハードワーク期」は、成功の度合いが直線的ですが、この時には「質の高い仕事をすること」が必要です。周りから一目置かれるような仕事を積み上げていくことです。年上の人からの評価を高め、彼らから引き上げてもらうことで、チャンスが広がります。目の前の仕事に集中すると同時に、未来のビジョンを語るようにしましょう。
2、ブランディング期
周りからの信頼を集め、仕事の幅を広げながら自分というブランドを固める時期です。成功のカーブが右上がりに転じて、加速的に結果が出始めます。
3、アチーブメント期
成功曲線は垂直に近い軌道を描きます。この時期は、仕事で社会に貢献できるようになり、仕事が志事になります。早い人では、50歳ぐらいで、このステージに到達します。
これら3つのフェーズは、「誰の信頼を得ながら仕事をするのか」という意味で、重心の置き方が変わります。ブランディング期は、「他分野からの信頼」を獲得する時期で、「他部署からの信頼」や「他業界からの信頼」を目指しましょう。
ハードワーク期は仕事を「深める」時期ですが、ブランディング期は仕事を「広める」時期だと捉えるようにし、様々な分野の人たちと出会い、知見を吸収していきましょう。自分の幅を広めると共に、自分という存在を広めることで、より多くの人に自分と齟齬とを知ってもらえます。
アチーブメント期になると、もはや自分自身の能力や人間的な魅力はどうでもよくなると石川氏は言います。仲間や若い人の能力や魅力を磨くことに専念し、その上で自分のビジョンを語り、それを広める努力を重ねるのです。この時期に付き合うべきは、「次世代の若い人」で、若い人との時間の使い方を増やすようにしましょう。
フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略
著者:石川善樹
出版社:ニューズピックス