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「押しの弱さ」は生まれつきだから変えられない!
「2年以内に8割が辞める」……。
それが保険営業の現実だといわれています。
業界全体でいえば、毎年何十万人という人が保険営業の世界に入っているのだけど、そのほとんどの人は2年後にはもういない、というわけ。
最初は自信たっぷりで保険営業の仕事を始めるんだけど、その自信が見事に打ち砕かれて、早々に退場、なんて人もいっぱい見てきましたねー。
で、そういう人たちには、どうも共通する傾向があるんです。
厳しい言い方をしてしまえば、それは〝とんだ勘違い野郎〟だということ(笑)。
第1の勘違い「前職のポジションが高いから大丈夫」
前の仕事で、いいポジションにいた人……典型的なところでいえば「銀行の支店長」とか。そんな人が時々保険業界にそれこそ〝鳴り物入り〟で参入してくることがありました。
銀行マンとして出世のルートから外れた、あるいは先が見えてきたといったことで「ならば保険営業で稼いでやろう」と考えるのでしょう。
でも、そういう人が保険営業で大活躍したという例、滅多に聞きませんでしたね。
そういう人のほとんどは、半年くらいは前職の頃の付き合いを活かして、割とうまくいくものです。
でも、その後生き残っていけるかといえば……私が知っている人でいえば、ほんの1人くらいでしたね。
たとえかつて別の業種で活躍していたとしても、世の中の動きは早いもの。忘れられるのも早い。だから、前職で培った神通力が通用するのも、半年間がせいぜいというところなわけです。
おわかりのように、保険営業の世界は常に新規開拓の日々。
ゼロから新しい人間関係、信頼関係を構築して「商品を買ってもらう」ための付き合いをスタートさせなければならないわけです。
だから、ちょっとやそっとのアドバンテージがあったとしても、それが切れてしまえば、ゼロからのスタート。
元々営業能力があるわけではないのに「自分にすでに力があるから大丈夫」という勘違い。
そのせいで、うまくいかなくなったら、即退場です。
第2の勘違い「友達が多い(と思っている)」
私の保険営業の同期に、まあまあ売れている人間がいました。あるときその人に何気なく「どうやったら売れるのかねえ」と聞いたことがあります。
彼の答えは明快。「そんなの簡単だよ。友達や後輩に『買ってくれよ』と言えばいいんだよ」と。
彼は友達の多い、体育会系の〝兄貴分〟タイプ。私とは真逆のキャラでしたから、そんなことを聞いてうらやましく感じたものです。「お前、頼むから入ってくれよ~」なんて言える後輩、同僚、友達なんて1人もいませんでしたから……。
しかし、「友達、知り合いが多くて人気者であれば大丈夫」という考えも、実は勘違いです。
前述のように、保険営業の世界は常に新規開拓。
ベースマーケットはあっという間に枯渇してしまい、そこから先は初めて会った人とその都度信頼関係を築いていくというサイクルを回していかなければならないわけです。
今そのときにある友達関係なんて、あっという間になくなります。
実際にその同期も、入社半年後には辞めていましたね。
第3の勘違い「〝しゃべり〟が上手い(と思っている)」
「にぎやかで、場を盛り上げるのが得意。だから営業もうまくいくだろう」。これも実は大きな勘違い。
とはいえ「場を盛り上げる」と思っている人にも2種類あって、ひとつは本当に気配りができて場の空気が読めて、みんなと受け答えができるタイプ。
そしてもうひとつは「自分がしゃべりまくる」というタイプ。周りがあまりしゃべっていなくても、自分のしゃべりで場を盛り上げようとする人ですね。
保険営業で生き残れない、すぐに辞めてしまうのは、こっちのタイプ。
要するに、保険営業においては「しゃべる能力」って、あまり重要ではないんです。がんがん面白い話ができるからといって、保険が売れるわけではない。
じゃあ何が重要かといえば……そう、このメディアでも何度かお話ししていることですが、それは「聞く能力」。ヒアリング力のほうです。
「しゃべりが上手い」というのは、一見武器にみえて、実は弱点でもあるんです。
相手(お客様)があまりしゃべらないからといって、こちらが立て板に水のようにがんがん話す……これが相手にとって大きなストレスになるんです。
いくらしゃべらない人でも、相手ばかりがしゃべっていると「こちらの言い分も聞け」と思ってしまうのですね。
たしかに「しゃべりの勢い」で契約をいただけることもあるかもしれません。しかし、そのスタイルを続けていくのはとても難しいこと。
「無口な人」よりも「しゃべりが上手い人」のほうが、保険営業パーソンとしてはずっと弱いんですね。
いかがでしょう?
自分としては「強み」だと思っていることも、実は脆かったり、弱点であったり……。
あなたはそんな「勘違い」をしていませんか?
(大坪勇二)
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