コロナに打ち勝つ読書術 ショーン・エイカーの 「潜在能力を最高に引き出す法」

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書評家・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。非常事態宣言を受け、外出がむずかしくなってきました。自宅にいる時間が長くなると、コロナウイルスに関するニュースをついつい見てしまいます。

ネガティブな情報に触れ続けていると、自然とネガティブな気分に支配されてしまうので、注意が必要です。

 

今日は、ハーバード大学で人気の授業を行なっているショーン・エイカーの「

潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種」を紹介します。彼のアドバイスを取り入れることで、ストレスをコントロールできるようになります。

 

ネガティブな情報を遮断しよう!

 

人はポジティブな情報にもネガティブな情報にも影響を受けると著者は言います。

ポジティブな人間関係を生み出すことで、私たちは自分の行動を変えられます。

私たちは常時ソーシャルメディアにアクセスできるようになりましたが、タイムラインの中に潜むネガティブ情報にも注意が必要です。

私たちはポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、周りの人々のエネルギーにこれまでになく濃密に接しています。

そういうエネルギーを吸収すればするほど、個人のモチベーション、やる気、仕事ぶりだけでなく、チーム全体の「最大ポテンシャル」もまた大きな影響を受けることがわかっています。

実は、私たちは周囲の人からのポジティブな影響のことはあまり考えずにいます。

ネガティブでやる気のない人間に囲まれていると、こちらのエネルギーもポテンシャルも枯渇してしまいますが、逆にポジティブで、積極的で、やる気があって、創造性豊かな人たち に囲まれていると、人はポジティブになれるのです。

著者は次の公式でポジティブな影響の重要性を表現しています。

最大ポテンシャル=個人の特性×(ポジティブな影響ーネガティブな影響)

お互いのポテンシャルに良い影響を与えられるようなポジティブな特性を持つ人に囲まれることで、自分の力を発揮できるようになります。

ネガティブな人は、あなたのエネルギーを吸い取ってしまいますが、ポジティブな人は、こちらが落ち込んでいる時にエネルギーを与えてくれます。

 

ペンシルバニア大学の研究者たちは、「波及的メンターリング」というプログラムを考案し、仲間がどのようにポジティブな影響を与えるかを実証しました。

まず大学生たち に、何らかのコンピューターのテクニックを高校生に教えさせます。その高校生たちが、今度はそれを中学生に教えます。研究者たちは結果を評価して、次のようなことを発見しました。高校生たちは、かっこいい大学生たちがその技術をマスターしている様子を目にしただけで、自分たちもそうなりたいと強く思うようになったのです。また、中学生たちは憧れている高校生たちの意欲に満ちた様子を見て、自分たちも一生懸命勉強してもっと知りたいと思うようになりました。

つまり10代の子どもというのは、仲間の同調圧力によって、無茶な運転をしたり、授業をさぼったり、さまざまな危険な行動に走ったりすることもありますが、ポジティブな影響のほうに導いてやれば、もっと学びたいと思わせることができるのです。

学校だけでなく、職場でも同じような結果を出せます。

ポジティブな仲間と一緒に動き回っていれば、自分も自然とポジティブになっていきます。ギャラップの調査によれば、ポジティブでやる気のある社員はそうでない社員に比べ、ミスの数が60%少なく、事故の数が49%少なく、欠席日数がなんと67%も少ないことがわかっています。

ポジテイブな人と一緒にいるほうが、はるかに気分がいいのは当然なので、同僚、顧客、その他重要なかかわりを持つ人たちなど誰もが、ポジティブな人と接することを望むのです。

楽観的な人に囲まれていることで、ネガティブな人のストレスや無気力に感染するのを防ぐことができます。したがって、まずするべきことは、仕事においても生活面でも、私たちの能力と強みを引き出してくれるポジティブな人を見つけることです。

 

コロナのネガティブニュースを見ないようにする

「ポジティブな人たちに囲まれていることは、その人たちを直接知らなくても効果がある」

囲まれるのはポジティブな本でもよいとショーン・エイカーは言います。

著者は人生のある時期、非常に内向的だったので、知り合いのいない新しい街に引っ越す時には、自分に「ポジティブな影響を与えるもの」を持参したそうです。自分の好きな書籍を読み、著者との対話を楽しみました。

その人が読むものによって、その後の行動が決まることがわかっています。

ダートモス大学とオハイオ州立大学の研究者たちは、人が1冊の本に夢中になっている時には、その主人公に感情移入するだけでなく、主人公の特性や性格の一部を取り込みはじめるということを発見しました。

たとえば、強い社会的良心を備えた人物についての本を読んでいる人は、社会のために何かをしようと考えることが多いのです。

例えば、ネガティブな行為を称えるようなフィクションを読むとそのネガティブな影響が、現実の気分や自己イメージに波及します。怒りや幻滅や衝動をかきたてるものより、自分がより強く、賢く、いい人間になったような気持ちにさせてくれるものを読むと、ポジティブな気持ちになれます。

できるだけ、ネガティブなものを避け、自分の気持ちを持ち上げ、鼓舞してくれる本、雑誌、その他の読み物を身の回りに置くようにしましょう。

自分の可能性を広げる本を読み、よいと思った習慣を取り入れることで、自分を変えられます。ただ読むだけでなく、著者のよい面を盗み、真似することで、未来を明るくできます。私は本から多くの気づきを得ることができ、人生をポジティブなものにできました。

音楽やいつもスマホで聞いているポッドキャストにもこれを応用できます。ヘッドホンやスピーカーからひっきりなしにあなたの耳に流れ込んでくる言葉を、ポジティブで楽観的で人に優しいものにすることで、マインドセットを変えられます。ポジティブな言葉に囲まれていれば、ポジティブな変化が維持されやすく、それがさらに発展することにもなるのです。

最近では、コロナのネガティブな情報が日々報道されていますが、必要以上にニュースに触れるのをやめるべきです。それより自分の心と体の健康に気を配り、ポジティブな情報に接した方がよいのです。

リアルでポジティブな人に会えなくとも、オンラインで彼らと繋がり元気をもらいましょう。自分にエネルギーを与える人や書籍を選ぶようにすることで、不安な気持ちを退治できます。

意識的にポジティブなニュース、ポジティブな話題に触れることで、不安な気持ちを抑えられます。悲観的になりすぎず、明るい未来を考えることで、アフターコロナ時代を乗り越えられるようになります。

 

潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種
著者:ショーン・エイカー
出版社:徳間書店

徳本昌大

この記事を書いた人

複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。  サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。 https://tokumoto.jp/