保険営業見込み客獲得三種の神器
本場米国トップセールスに聞く

最初に結論を言ってしまいます。

保険セールスの本場米国のトップセールスたちの、見込み客獲得3種の神器と言えば、

 

・リフェラル(紹介獲得)

・イベント

・セミナー

 

です。

 

「ふーん、日本とほぼ同じだね、なーんだ」、と思ったあなた。

セールスの本場を舐めてはいけません。

この仕組化・システム化がすごいんです。圧倒されますよ。

 

 

見込み客獲得の裏ワザ?

 

かつて米国を訪問して、同業者の仕事ぶりを取材したことがあります。

当時からIT化が進んでいる米国のこと、何か私たちの知らないネットを使った超裏技でもあるに違いない、それが取材の狙いでした。

 

ちなみに、米国では日本的な意味で「保険だけ売っている保険営業マン」という職種は絶滅しました。生保は資産運用をメインとするファイナンシャルアドバイザーに吸収され、損保はネット通販にほぼ吸収されました。

 

(余談ですが、この辺り日本の保険業界の将来像を暗示しているようですね)

 

さて、ファイナンシャルアドバイザーの見込み客獲得のルートとしては、半ば予想していたことですが、やはり「リフェラル(紹介獲得)」の売上に占める比率がダントツに高いことが彼らを取材して確認されました。

 

FPA(米国のファイナンシャルプランナーの団体)の統計によると、新規顧客の獲得手段別シェアは、

 

紹介・・・50%

イベントとセミナーが25%ずつ

 

ということでした。

 

日本においても、また米国においても、見込み客の紹介の獲得が、保険・金融系のセールスの成果を左右するということは私がいまさら言うまでもありません。

 

そして、紹介をもらうことがそう簡単ではない、ということもまた、同様ですよね。

ですから、米国での同業者がどうやって紹介を獲得しているのかが私の非常な関心事だったのです。

 

テキサス州フォートワースに事務所を構えるTさん。取材先の一つです。アメリプライズという米国を代表するファイナンシャルアドバイザー会社のエージェントとして、その同社のビルの中にオフィスを構えています。スタッフは4名。

 

ちなみにTさんは、米国人らしくオープンな人柄で、年間の手数料収入まで教えてくれました。

なんと2億円近くでした。

 

「なるほど、やはり紹介獲得が、見込み客獲得の主力だということがわかりました。

では、どんな風に紹介をお願いするのかその方法を教えてもらえますか?

 

Tさんはこんな風に答えました。

 

「ええと、まず、食事会だよね。それに私はゴルフが好きだから、ゴルフコンペ。そしてカメラ好きを集めて撮影会をやることもあるね。それから、奥様たちを集めてフランス料理教室を開くこともある・・・」

 

最初はうまく質問が伝わらなかったのかと思い、通訳を通して確認しました。

「あの、紹介をもらう方法をお聞きしているのですけど・・」

彼はけげんそうな顔をして答えました。

「そうだよ。だから答えてるじゃないか。参加してくれるお客様にお願いするんだよ。『お友達を連れてきて下さい』ってね!」

 

 

保険営業の本場の仕事ぶりは凄かった!

あ、なるほど。

彼の言わんとするところがちょっとだけ理解できました。

 

私が意図したのは、紹介をお願いするときにどんなセリフでお願いするのか、といういわゆる営業トークレベルをきく質問だったのですが、Tさんは、いや本場アメリカのトップセールスはそんな小手先のテクニックでは勝負していなかったわけです。手法自体は、日本と同様、意外にベタなのですが、実にダイナミックな仕組みで、しかも高度にシステム化されていました。

 

それから彼は驚くべきものを見せてくれました。

 

それは、彼が抱えている4人のスタッフの職務分担表と、彼らのボーナスの計算表(!)でした。

 

4人のスタッフの分担はこうなっています。

まず一人はオフィスの運営管理

一人は彼の秘書

二人の仕事は、プランの作成と契約書などのドキュメントの管理です。

秘書の職務の中に、見込み客にアポイントを取るという仕事が入っています。

つまり、既存のお客様が連れてきた人たち(=見込み客)に対して後日電話を掛け、彼との面談に誘うという役目です。

 

秘書のボーナスは、何件面談をセットできたか、そしてそれは年初に設定した目標に対しての達成度はどうか、という指標をもとに計算されるのです。

 

電話で秘書が話すスクリプト(=脚本)も用意されています。

さらに驚いたのは、次に見せられた年間のマーケティング活動計画表でした。

 

何と驚いたことに通年のマーケティングに関する行事のスケジュールを、1年先まで決めてあるのです。

カラフルな活動計画表には、確かに1年後までの予定が記されていました。

何という緻密さ!

何という計画性!

米国人といえば、陽気でおおざっぱで不器用(失礼!)な国民性という印象が強いのですが、物事の仕組化・システム化となると、無類の緻密さを発揮します。

これを読んでいる読者の方のいったい何人が、一年先のマーケティング計画まで立てていることでしょう。

 

こういう緻密さは、それは米国MDRT本部のアニュアルミーティングの運営を観てもそう感じました。

 

結論です。

保険営業の本場、米国でも見込み客獲得の手法そのものは、裏技はありませんでした

ただ、その運営の緻密さシステム化の徹底度がまるで違っていました。そして、恐らくは、目標達成に対する執念も。

大坪 勇二

この記事を書いた人

【仕事のプロを育てるプロ】 コンテンツプロデューサー。人脈術と交渉術の専門家。

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