米国のトップ保険営業の見込客獲得方法は?
別の記事でも触れましたが、米国の保険・金融業界トップセールスがどうやって見込客を獲得しているかをテキサス州まで行って直接インタビューしたことがあります。
保険営業に限らず、セールスの本場といえば米国! そのトップセールスたちがどうやって見込客を獲得するのか?
彼ら彼女らの「見込客獲得3種の神器」と言えば……。
「リフェラル(紹介獲得)」
「セミナー」
「イベント」です。
その中でもやはり「リフェラル(紹介獲得)」の売上に占める比率がダントツに高く、およそ50%。
セミナーとイベントが、それぞれ25%ずつ、そんな感じです。
これは保険営業にとっては見逃せない事実ですよね。
ちなみに、「イベント」というのは、ゴルフコンペや、バーベキュー、料理教室など、人が集まるイベントを主催して、お客様にお友達を連れて来てもらい、見込客候補を増やしていく、という手法です。
保険営業に限ったことではありませんが、リフェラル(紹介獲得)が、最も重要な見込客獲得ルートであることは日米共通です。
何と言っても、紹介獲得は、
2)警戒心を解いた状態のお客さまとお会いできる。
3)紹介元であるお客さまとも関係が緊密になる。
と、強力なメリットのある最強のマーケティング手法です。
出会うお客様が警戒心を解いた状態であるので、人間関係を築きやすいし、そういうお客さんを相手にする結果、仕事自体が楽しくなります。
仕事が楽しい→モチベーションが上がる→ますます成果が出るという、良循環に入りやすいのも大きなメリットです。
保険営業のベテランほど紹介獲得営業の依存度が高いわけ
既存の顧客が増えれば増えるほど、それ相応に紹介も増えてきます。
従って、この仕事のキャリアが長いほどビジネスの安定性・収益性が増す、というベテランにとっては非常に嬉しい特性もあります。
私の肌感覚ですが、日本の場合は、紹介獲得が90%強、セミナーが5%、イベントに至っては3%あるかどうか、というところだと思います。
日本の保険営業は、紹介獲得の依存度がずっと高いのです。
それは裏を返せば、ゼロからの新規開拓営業がいかに大変かということでもあります。
(飛び込み営業なんて、キツイ営業の典型ですね)
若い頃は、そのキツさを体力と根性で乗り越えてこれたものの、誰しも年齢とともに体力気力はやがて落ちて来ます。
保険営業の世界を見てみれば、日本の場合、アシスタントをうまく使って仕組みでマーケティングしている人はまだまだ少なく、自分一人の才覚と営業センスに頼る職人芸の人がほとんど。従って、年月が経つにつれて、ラクな紹介営業の方に比重が大きくなるのは必然というもの。
というわけでベテランほど紹介営業だけで回すようになっていきます。
保険営業最強のマーケティング手法の隠れた弱点とは
紹介獲得営業……いいことずくめの究極のマーケティング手法ではありますが、弱点もあります。
なにぶん相手のあることなので、紹介が確実に出る保証などあるわけもない。
従って、見込客の供給が安定的ではない、というのが最大の悩みですね。
見込客……保険営業にとって、永遠のテーマですよね。
また、紹介をもらうこと自体がそう簡単ではない、ということも弱点として挙げられます。
特に商談のプロセスの中で直接顧客にお願いして紹介を出してもらう時は、やはり相当な力量が必要とされるでしょう。なぜかというと高い営業トーク力が必要とされるからです。
日本の保険営業は、〝トークの技で勝負する〟ことが善しとされ、「技を磨く」ことが尊重されます。そういう意味では、より職人的だと言えるでしょうね。
一方米国の場合は、セミナーやイベントなど獲得ルートを多様化して、また分業化することでアシスタントなどでも獲得できるようにしています。これは、チーム全体のマーケティングパワーを増大させることが可能であると同時に、保険営業の「職人芸」に依存して、そのパフォーマンスが落ちると全体も落ちていってしまうリスクを減らすことのできる優れたシステムです。
まさに、営業担当個人のセンスと職人芸で勝負していく日本に対して、システム化を進めてチームとシステムで稼いでいく、というのが日米の大きな違いと言えるでしょう。
そういう意味では日本の保険営業も「米国式」を取り入れることで、まだまだ生産性の向上の余地があると言えそうです。
私が最も成功して来た手法とは
ちなみに、私の場合は、勉強会を主催することで、人脈も増やしましたし、大きな案件につなげて来ました。保険営業時代に大変お世話になった5人のキーマンのうち、実に4人までがこれら勉強会がご縁で出会っているのです。
私は勝手にこれを「勉強会マーケティング」と呼んでいます。
また、保険営業の仕事に区切りをつけ起業した後も惜しみなく手を貸してくれ、物心両面で私を支援してくれたのも、やはり勉強会で長年切磋琢磨した仲間たちでした。
これは私に傑出したマーケティングセンスがあったわけではなく(笑)、「好き」を追求していったら意外にも手応えがあり、それを加速していったということです。
そういう意味では、米国的な「セミナー」「イベント」マーケティングの有効性を自ら証明してきたという自負があります。