最新の心理学、認知科学をベースとしたコーチング理論を使って自分自身のパフォーマンスを最大化するセルフコーチングを実践し、個人はもちろん、スポーツチームや会社組織まで幅広い人々のパフォーマンスを高める専門家であるプロコーチによるセルフコーチング講座第7回。
「がんばります!」そんなことを言って本当にがんばっている人って意外と少ないと思いませんか?実は人間のマインドはがんばろうとするとがんばれないようにできているんです。
「がんばります」って言う人はがんばれない!?
「がんばります!」
人に対してこんな発言をしている人で
実際にがんばれていない人はたくさんいます。
逆に自分では
「全然やっていません」
なんて口にしている人の方が、
裏でものすごい努力をしていることがあります。
なんでこんなことになるか、
それは私たちのマインドの仕組みが
”がんばろう”とすると
”がんばれない”ようにできているからです。
「がんばる」
と人が口にするとき、
それは”がんばらないとできない”、
つまり、
”やりたくないこと”を
”意志の力で無理やりやる”
ということを意味しています。
コーチングの用語では
これを「Have to」といいます。
実は私たちのマインドは
1ミリでも「やりたくない」
と思ったことからは
無意識的に逃げ出そうとします。
やらない言い訳を探したり、
急に別の事をやりたくなったり、
時には体調を崩したりすることもあります。
がんばろうと思えば思うほど、
無意識にそこから逃げたいという気持ちが
強くなってしまうのです。
これではとんでもない重りを背負って
走っているのと同じこと。
「がんばります」
と言っている人が
がんばれないのは
意志の力が弱いとか
能力が足りないのではなく、
マインドの仕組みによるものなんです。
本当に努力をしている人は”がんばっていない”
一方で
自分では
「全然やっていません」
なんて言いながら、
きっちりと結果を出す人のマインドは
別の動きをしています。
先ほどとは逆に、
私たちのマインドは
”自分がやりたいと思っていること”
に対しては無意識にやりたくなってしまいます。
体が悪いと思っても
ラーメンを食べてしまったり、
どんなに仕事が立て込んでいても、
好きなアーティストのLIVEに行くためには
それを終わらせてしまったり、
そんな人を見かけませんか?
私たちのマインドは、
子供たちが
いくら怒られてもTVゲームを
夢中でやってしまうように、
本当にやりたいことに対しては、
意志ではなく無意識によってつくられた
強烈なエネルギーによって、
突き進みます。
それは「がんばっている」とは
まったく違う感覚です。
TVゲームをやっている子供たちに
「いつまでゲームやっているの」
などと怒っても
「まだぜんぜんやってないよ」
なんて平気で言い返します。
彼らにとってはそれが真実。
人はやりたいことをやっている時、
時間も忘れてしまうのです。
だから
はたから見ると、
とんでもないほど努力している人ほど、
「全然やってないです」
と本気で思っている。
それは当の本人にとっては、
紛れもない真実なのです。
無理やりやるのではなく自然体が最強
プロ野球の試合を見ていると、
ここぞの場面で力が入りすぎて、
パフォーマンスを落としている選手を見かけます。
どんなに能力の高い選手でも、
身体に力が入ると、
筋肉が硬直し、パフォーマンスは落ちてしまいます。
だからリラックスして集中する。
所謂
”ゾーンに入る”
ことが大切です。
それは
スポーツ以外でも同じこと。
「がんばります」
と口に出すことで、
私たちの脳も体も
「やらなくてはいけない」
と、
自然と力が入った状態になってしまい、
パフォーマンスを落としてしまいます。
リラックスして自然体で取り組める環境を
整えることが重要です。
自分が「がんばろう」と思ったこと、
その理由はなんだったのか?
それは本当に自分にとってやりたいことなのか?
それができたら自分にとってどんな素晴らしい未来が実現するのか?
そんな未来側のイメージをつくることが
そのための最初のステップです。
目の前にあることは
それ単体で見ればやりたくないことかもしれない。
でも、
その先の、
”心から実現したい未来”のために必要なのだとしたら、
それは本当はやりたいことなのかもしれません。
自分の中でそれが明確に見えて、
整理できたとき、
あなたがそれまでがんばることでしか
取り組めなかったことが、
夢中で取り組めることに変わります。
そのパワーは強烈です。
まさに人生が変わるような変化を起こせます。
ぜひ、味わってみてください。
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