今回は「トークスクリプト(営業トーク)」がテーマです。
保険会社・代理店に入社すると、営業研修がある会社は少なくありません。そこでトークスクリプトを学びます。私・大坪勇二も、かつてはそうでした。私は営業経験が皆無だったので、そこでしっかり学んでからマーケットに出ました。
そこで私から質問。皆さんがお客様と商談する際に、営業研修で学んだトークスクリプトは有効でしたか? 勉強した以外のケースが多く、困惑したことはありませんか?
そんな状況で私はどう対応してきたか?をお話しさせていただきます。
目次
保険営業トークスクリプトの前提条件
入社後の営業研修が終わり、保険営業として実際にマーケットに出てみると、必死に覚えたトークスクリプトが通用しない、勉強した前提条件とは大きく違うケースに遭遇します。
トークスクリプトの前提条件として多いのが、ご夫婦とお子さんが1人or2人といった標準家庭での設定です。実際のマーケットでは、独身の方や離婚されて1人でお子様を育てていらっしゃる方・会社員ではなく自営業の方など、いろんな方がいらっしゃいます。
教えてもらったトークスクリプトがそのまま使えるというのは、感覚的に60%程度に過ぎないように思います。つまり、それ以外の40%は自分で工夫していかないといけません。経験を積むうちに、次第にどんなケースにも対応出来るようになります。ただ、対応出来ずに辞められる方が多いのも事実です。非常に残念ですね。
保険営業より保険に詳しい?! 新人時代に苦手だったお客様のケース
私自身が新人の頃に苦手だったお客様のケースをご紹介します。
生命保険について非常に詳しいお客様で、よく勉強をしていらっしゃる・情報を収集していらっしゃる・私に議論を挑んでこられる、という方がいらっしゃいました。
こういうタイプのお客様は、こちらの言葉に対してひとつひとつ反論してこられるのが常です。こちらのシナリオ通りに商談を進めさせてはくれません。概して高いプライドをお持ちで、こちらがリードする商談にそのまま乗ってしまうのは「敗北・負け」と考えていらっしゃるタイプの方が多いです。
経験を積んでいくと心理的な駆け引きに長けてくるので、「いやー素晴らしいです!よく勉強されていらっしゃるんですね。是非私にご教授ください」と言えるようになり、上手に商談を進められるスキルが身につきました。そうすると、このようなタイプのお客様は、むしろ商談しやすくなります。
とはいえ、経験が浅いうちはほとほと困ったものでした。
保険営業と情報強者なお客様の「情報格差が縮まる」時代
そもそも、トークスクリプトというのは「保険営業の方が知識がある」ということが前提であることが多いです。保険営業が先生役で、お客様が生徒役というのが最初から決められてしまっています。
その前提条件が全く通用しないような情報強者が相手の場合、トークスクリプトが崩壊してしまいます。
今はスマホで簡単に情報を手に入れることが出来る時代なので、インターネットを使って本気で検索すれば、有益な情報が沢山集まってきます。お客様が持つ情報量やその内容がどんどん洗練され、これからもその傾向は益々強まっていくでしょう。
我々は、お客様との情報格差がどんどん縮まっているということを認識しながら、保険販売をしなければならない状況です。
マイトークスクリプトを作成しよう!
正直に言って、会社側も限界を感じながらもトークスクリプトを教えている状況です。会社から教えてもらったトークスクリプトも大事です。しっかり勉強し、練習しましょう。ただ、そのトークスクリプトはあくまでもあなたの「ひな型」であって、スタート地点に過ぎません。
まずはノートを1冊用意し、マイトークスクリプトA/B/Cを作成しましょう。
あなたのキャラクターやマーケットに合うトークスクリプトというのは、あなたのオリジナルでないと通用しません。最初は箇条書きでもいいので、シナリオを作っていきましょう。
「あ!この台詞いいな」と思ったら、思いついた瞬間に、そのノートに都度書き込んでいきましょう。
頭の中だけでシナリオを作成してはいけません。頭の中だけでトークスクリプトを組み立てて成功するのは、ごく一部の天才だけです。
今この記事を読んだ瞬間から、ノートを用意し書き込んでいくという覚悟を決めましょう。
その努力は絶対に裏切りません。是非今日から着手してみてください。