コロナ時代にアルコール依存にならない方法

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書評ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。コロナ禍の中で外出禁止が続き、ストレスからお酒の量が増えている人が増加しているというニュースを読みました。日経新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58568170Y0A420C2CE0000/)によるとオンラインの断酒の取り組みが始まっているそうです。

 

悪い習慣をやめられないのは、自制心がないから?

私は13年前まで筋金入りのアル中でしたが、習慣の力でアルコールの世界から脱出できました。今日はジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣を使って、アルコールやタバコとの距離の起き方について考えてみます。

 

ジェームズ・クリアーは、習慣術のプロフェッショナルですが、悪い習慣は自制心がないからだという世間の考え方は間違っていると指摘します。

 

「太りすぎていたり、煙草を吸っていたり、依存症だったりしたら、それは自制心がないからだと一生言われつづける。ひょっとしたら、悪人だとさえ言われるかもしれない。ほんの少しの自制心があれば、問題はすべて解決するという考えが深く根付いている」

悪い習慣をやめられないのは、自制心がないからだという考えが定説になっていますが、最近の調査は異なる結果を示唆しています。非常に自制心がありそうな人々を分析すると、そのひとりひとりは、自制できずに苦しんでいる人と大して違いがないことがわかりました。

「自制心のある」人は、実は生活設計に長けている人なのです。彼らは誘惑的な状況には、なるべく身を置かないようにしていました。もっとも自制心のある人は、たいていもっとも自制心を使わない人なのです。以前の私は酒漬けで、日々お酒のことばかり考えていました。なんどもお酒をやめようとしましたが、自制心に頼っていたために、失敗を重ねました。しかし、誘惑的な状況(お酒)と距離を置くことで、断酒に成功しました。

 

 

習慣を符号化させない!

脳内で符号化された習慣は、ふさわしい状況が起こればいつでも使える状態にあります。セラピストのパティ・オーウェルは煙草を吸いはじめた頃、友人と乗馬中に煙草に火をつけていました。彼女はようやく禁煙して、何年も煙草を吸わず、やがて馬に乗るのもやめました。その後、再び馬に乗ったとき、まさに数十年ぶりに彼女は煙草が吸いたくなったのです。きっかけがまだ自分の一部にあったために、煙草を思い出したのです。

「習慣が符号化されると、環境内のきっかけが再び現れるたびに、行動したいという衝動にかられる。このため、行動変化のテクニックが逆効果になることもある。肥満の人に減量についての説明をして恥ずかしい思いをさせると、ストレスを感じ、その結果多くの人が好きな対処法に戻ってしまう。つまり、大食いである」

真っ黒な肺の写真を喫煙者に見せると、ひどく不安になり、多くの人が煙草に手をのばしてしまいます。悪い習慣は自己触媒し、プロセスが悪習をさらに強めていきます。

気分が悪くなる→ジャンクフードを食べる→ジャンクフードを食べるから、気分が悪くなるのです。自分の健康について心配すると不安になる→不安を鎮めるために煙草を吸う→さらに健康を害し、もっと不安に感じるようになるのです。このように悪い習慣が暴走すると手をつけられなくなります。

研究者はこの現象を「きっかけが誘発する欲求」と呼びます。科学者の実験によると、中毒患者にコカインの写真をたった 0.033秒見せただけで、脳内の報酬経路が刺激され、欲求が生じたと言います。ほんの短時間でも脳が刺激を受けることで、薬物が欲しくなるのです。脳に刻まれた悪い習慣はそれほど怖いものなのです。

 

悪い習慣のきっかけを見えない所に隠そう!

悪い習慣のきっかけを「見えないようにする」ことで、自分の行動を改善できるのです。お酒を誘引するきっかけを見えないようにするのです。

「たったひとつのきっかけを取り除こう。そうすれば、習慣そのものが消えていく。自制心は短期的な戦略であり、長期的なものではない。一度か二度なら誘惑に勝てるかもしれないが、毎回欲求を抑えるほどの意志力を持つことはできないだろう。正しいことをしたいと思うたびに新たな意志力を奮い起こすかわりに、環境を整えることにエネルギーを使うほうがいい」

良い習慣のきっかけははっきり見えるようにし、悪い習慣のきっかけは見えないようにすることで、自分をよりよくできます。甘いものをやめたければ、チョコレートを戸棚に隠せばよいですし、お酒をやめたければ、飲み屋に近づかなければよいのです。お酒をやめた頃、私はコンビニのお酒売り場には一切近づきませんでした。飲み友達とも距離を置きました。自宅にあったお酒も全て流し台に捨てて、家中からお酒を排除しました。

もし、コロナでお酒の量が増えていて、アルコール依存のリスクを抱えているなら、お酒を見えないところに隠すとよいでしょう。

 

ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣

著者:ジェームズ・クリアー

パンローリング 株式会社

徳本昌大

この記事を書いた人

複数の広告会社でコミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、取締役や顧問として活躍中。インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO/Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役/みらいチャレンジ ファウンダー他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。  サードプレイス・ラボのアドバイザーとして勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。 https://tokumoto.jp/