圧倒的に変わる!!自分をコーチングする技術【入門編】7「ゴールがうまく設定できない」

最新の心理学、認知科学をベースとしたコーチング理論を使って自分自身のパフォーマンスを最大化するセルフコーチングを実践し、個人はもちろん、スポーツチームや会社組織まで幅広い人々のパフォーマンスを高める専門家であるプロコーチによるセルフコーチング講座第7回。正しいゴールが設定されれば私たちのマインドはそこに向かっていきます。しかし、ゴール設定がうまくできないという人はたくさんいます。それはなぜでしょうか?

あなたの脳がゴールを見えなくしている?

私がコーチングを学んだ時、

最初にぶつかった壁。

それは「ゴール設定」

でした。

これまでの記事で書いてきた通り、

コーチングとは

「ゴールを達成するためのマインドの使い方」であり、

ゴールがないとはじまりません。

なおかつ、
そのゴールが、

自分のマインドの中に
大きなエネルギーとクリエイティビティを生み出してくれるような
”適切なゴール”である必要があるのです。

最初はこれが非常に難しく感じました。

 

「自分のゴールって何だろう?」

「自分のやりたいことって何だろう?」

「何をゴールにしたらいいんだろう?」

 

そんなことをいつも考えていました。

なぜ
ゴール設定が難しく感じるのか?

その原因は

”現実と常識に捉われた思考”

でした。

例えば
「自分が本当にやりたいことって何だろう?」
と考えた時、

それが全く思い浮かばないわけではありません。

しかし、
パッと思い浮かんだことを
頭の中で
様々な理由をつけて否定してしまう。

「独立して会社をつくる」

というゴールが浮かんだ時、

「収入が減るリスクが大きい」

「今の仕事を辞められない」

「家族がいるから」

そんな現実的な課題や常識が、
無意識にゴールを否定してしまっていたのです。

だからゴールを決めることができない状態に
陥ってしまっていました。

現実的な目標ではパフォーマンスは上がらない

前回のサッカーワールドカップの際、

日本代表の本田圭佑選手は、

目標は常に
「優勝」
と語っていました。

一般の方の中には
「日本の実力から見れば、現実的ではないのでは?」
と思っていた人もたくさんいたでしょう。

確かに、
日本代表のレベルを考えれば、
”ワールドカップ優勝”は
現実的な目標ではなかったかもしれません。

しかし、
この目標設定には大きな意味がありました。

日本代表にとって前例がなく、
今の実力よりもはるかに高い

現状の外にある目標に対して、
私たちのマインドは
「今のままではダメだ。何としてもそこに向かわなければ」
という強烈なエネルギーを生み出す性質があります。

これまでより厳しい練習に取り組む
モチベーションや、
新しい技術や戦術に挑戦する
創造性が発揮されるのです。

逆に日本代表にとって、
これまでも経験している
「予選突破」
という現状維持の目標を設定していたとしたら、

私たちのマインドは
「今のままでいい。だったら楽をしよう」
と考え、今以上の力は生み出さないのです。

ワールドカップを目指した4年間の取り組みの中で、
その差は如実に現れます。

事実、
本田選手たちは、
初のベスト8進出まであと一歩という
戦前の予想を覆す、素晴らしいパフォーマンスを
見せてくれました。

現実や常識を一旦外してゴールを考える

もしあなたが、
今の自分では考えられないような
大きなゴールを達成したいと願うなら、

本田選手のように、
それまでの実績や常識に
とらわれることなく、

自分が心からやりたいことを
純粋にゴールに設定することが大切です。

「日本の実力からいってそれは現実的ではないのでは?」
と思った人たちのように、

現実に捉われて
はじめからそれを否定してしまうと、

自分自身の本当の可能性を
閉ざしてしまうことになります。

子供のころ、
私たちは
将来の夢を誰に気兼ねすることもなく、
思い描くことができました。

「ウルトラマンになりたい」
「ノーベル賞を取りたい」

本当にできると確信して、
それを口にしていました。

ところが、
いつしか、
常識や現実に触れるうち、

やる前にあきらめて
たくさんのゴールを捨ててしまってきたのです。

しかも、
現状維持のゴールばかりで
あなた自身の本来のパフォーマンスが
発揮されるチャンスも失っていました。

それって本当にもったいないですよね。

今こそ、
あなたが本当にやりたいことを、

誰に気兼ねすることもなく、
自分自身で否定することなく、
考えてみてください。

すると
あなたのマインドは

それを実現するために必要な
エネルギーと創造性を生み出してくれます。

方法はあとから見つかります。

それがマインドの正しい使い方なのです。

▶次の記事:圧倒的に変わる!!自分をコーチングする技術【入門編】8「がんばることをやめないと…」

▶前の記事:圧倒的に変わる!!自分をコーチングする技術【入門編】6「ゴールは1つではダメ」

このシリーズの全記事はこちらから

奈良有樹

この記事を書いた人

パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング認定コーチ 2happiness代表 町田コーチングスクール主宰 プロコーチチーム「レ・アーリ」代表 コーポレートコーチングチーム「FUTICE COACHING」 代表 社会福祉法人の経理、経営管理として部門別採算制度の導入を主導し、数値の見える化、部門ごとの目標設定サポートなどを通して、1年で赤字2,000万円の事業所を6,000万円の黒字に変える。また、社会福祉法人における会計士監査制度導入への対応など、財務、経営管理の分野で豊富な実務経験を持つ。 他方、コーチとしても就労困難な方の一般就労や社会不安障害の方の社会復帰を実現するなど、過去ではなく未来にフォーカスするコーチングで多くの方の夢の実現をサポートしている。コーポレートコーチングの社内での実践経験も豊富で企業研修や、コーチングセミナー、コーチ向けの勉強会など様々な場所で講師としても活躍している。