友人に頼まれ保険営業の事前練習に付き合ったが…不毛な時間だった20代女性の体験談。

営業マンの体験談

友人に頼まれ保険営業の事前練習に付き合ったが…不毛な時間だった20代女性の体験談。

以前、仲の良い友人が保険会社の営業をしていた時の体験談です。私自身は、疑り深い性格なこともあり、これまで一方的に保険の営業をかけられたことはあまりなく、カルチャーショックでした。

当時、私は二十代後半で、関西のとある企業で契約社員として働いていました。今後、家庭の事情で引っ越しなどの予定もあり、いまは契約社員の方がなにかと便利が良いものの、この先どのようなプランを描いていこう、などの悩みごとがあったことも事実です。そんな折、学生時代の友人から連絡を受けました。「保険の仕事は始めたばかりで、いまは研修中なんだけど、実際にお客さんに営業に行く前に研修の一環として練習させてもらえないかな?」あくまで練習とのことだったので、私は快諾しました。友人はオンオフがはっきりしていて仕事は真面目すぎるほど真面目に取り組み、休日は少しマイペースで天然なところもあり、友人の数がそこまで多くない為、頼める人数も限られているとのことでした。

当日、待ち合わせ場所に着くと、友人と友人の上司が二名で席に座っており、どのような会社でどのような仕事をしていくかの説明を受けました。その会社は国内の大きな企業なので、別に不信感もないのに凄く丁寧に質問してくれるんだなぁと感心したのを覚えています。そこから、私の現在の収入や貯蓄などをもとに、もし急に大けがをしたり病気で働けなくなった時に、一体どれぐらいの年金がおりたり、どれぐらいのお金が必要なのかを試算してくれました。具体的な食費や生活費なども踏まえて計算してくれるため、とても勉強になりました。

そして、彼女の本来の目的はここからになるのですが、前述のとおり、もし働けなくなった時に足りないお金を補うための保険を提案されました。いろいろなケースを踏まえて提案されたその金額は月々でも万単位の金額だったので、当時、契約社員として働いていた私には払えるものではありませんでした。すると彼女は、では、もっと現実味がありつつも私の為になるプランを作成したいので、改めてまた時間を作ってほしいという話になりました。この流れも、実際のお客さん相手に対応していく練習として時間がほしいとのことだったので、比較的自由にできる時間が多い私は、一週間後に改めて会う約束をしました。

そうして二度目の約束の日、彼女はいくつかのプランを私に見せてくれました。怪我や病気の状態によって実際にかかる医療費や支給される保険額などがプランごとに事細かに記載されており、とてもわかりやすい資料だと感じました。一通り説明を終えた彼女は、この内容で契約をしてもらえませんか? という話を私へ持ち掛けました。確かに、この日提案されたプランは最初に試算されたものよりもだいぶ保険料が割安になっていましたが、それでも一万円弱という金額です。それも、年齢が上がるほどに金額が上がるタイプの保険だといいます。一人暮らしで契約社員の私にとってはとても割高に感じられ、しっかりとお断りをしました。

そこで引き下がってくれれば良かったのですが、いかに「もしも」大きなけがや病気になったら大変かという話を引き留められ、長々と不安を煽られ、段々と話を聞くことが辛くなってきます。備えあれば憂いなしということわざ通り、その保険に入っていることで安心できることはたくさんあると思うのですが、その保険はやはり私にとって現実味がなさすぎるのです。結局は、断っては不安を煽られを互いに繰り返し、長時間話し込むということを繰り返しました。

いま思えば、研修といえど、家族や友人知人からも契約をとってなんぼの世界だったとは思うのですが、大事なこととはいえ不必要に不安を煽られ、当の友人は数ヶ月でその仕事を辞めてしまい、もしその間に契約してくれた人がいるならば、とても不誠実だと思います。保険の営業の仕事にこれから就く方は、どうぞ、誠意を持って自分の言葉でお話をする、マニュアル通りの対応ではなく、目の前の人のライフスタイルに合った提案を心掛けてほしいです。