オーバートーク営業で受注するもクレームの電話が3ヶ月続き…広告会社営業マンの失敗談。

営業マンの体験談

オーバートーク営業で受注するもクレームの電話が3ヶ月続き…広告会社営業マンの失敗談。

私は、24歳に就職し会社員になりました。某大手インターネット広告会社の営業です。居酒屋の客引きのアルバイトを五年やってたのでなんとなく営業に自信をもってました。上場企業でしたので、残業時間も月の見込みで40時間、土日休みとしっかりしていました。給料は基本給プラス売り上げに対する歩合でした。居酒屋の客引き時代も歩合給で働いていたので特に抵抗はなく、働くことができました。入社当初はお金を稼ぎたいという気持ちがかなり強くあったため、会社で一番売り上げてやるぞという気持ちで毎日業務にはげんでいたのを覚えています。

商材はSEO対策でした。業務のフローとしては、朝にリスト作成をしひたすら電話をして契約をとるというテレマーケティングスタイルでした。リストは個人事業主から大手企業まで自分の判断で作成し荷電をしていました。メインは電話営業のため訪問はあまりありませんでした。ただどうしても会わないと契約はできないというお客様に対しては営業マンの判断で会ったりもしていました。ただそれも来社してもらうのが基本スタイルというかなりの殿様営業でした。基本的には電話のみで商談からクロージング、契約後のサポートまで行うながれでした。そうなると後に、言った言わないのクレームがかなり多く発生します。私は過去にどうしても売上を伸ばしたく、かなりグレーなオーバートーク営業をして契約を受注してしまい、その後とてつもないクレームへと発展してしまいました。

とある個人事業主のお客様だったのですが、「返金しろ。訴える。」と毎日のようにクレームの電話がかかってきました。会社の方針として返金はできない決まりでしたので、毎日かかってくるクレームの電話に私はただ「返金はできません。」と答え続けるのみのやり取りでした。そんなクレーム電話が発生して3カ月後のある日、ついにしびれを切らしたのかそのお客様がアポなしで会社まで来社してきました。受付から「とてもお怒りになられているお客様が来社いたしました」と言われたのを今でも覚えています。とりあえずいったん上司に報告をし、対応するためにお客様のもとへ向かいました。上司も一緒についてきてくれるかと思ったのですがまさかのついてきてくれませんでした。上司のこういった頼りのならなさが後に退職を決意する一つの決め手ではありました。

そしてお客様とお会いし、会議室へご案内しました。すると開口一番「ふざけんなよ。」とのことでした。そのお客様は自身の通帳を持参しており、その中身を激高しながら私に見せてきました。預金残高を見てみると5千円でした。お客様は言いました。「お前のせいで貯金がなくなった。どうしてくれるんだ」と。これにはさすがに困りました。そして約一時間ほど、この通帳を見せられながら罵声がとんできたりが続きました。私はとにかく「申し訳ございません。返金はできません」と言い続けました。最終的にはお客様の気持ちが折れてしまい、泣き寝入りをするような形で帰宅していったのですが、最後の最後で電車賃をよこせと言われてしまいどうしようかと思いました。さすがにお支払いできませんとお断りをしたところ、そのまま無言で帰っていきました。

これらの経験を踏まえた上で営業をするうえで大事だと感じたことは、お客様は大事にするということです。営業ですので、契約を取りたいという気持ちが大きくなってしまいオーバートークをしてしまうことは仕方ないと思います。ですが契約後のお客様のことを考えて、日々営業をしていくほうが、後に嫌な思いをしなくて済みます。一度こういう嫌な思いをすると営業活動自体のやる気もなくなってしまうのでいいことはありません。これから営業をしていきたいという人は、参考にしていただければ幸いです。