自分が「女性・新卒であること」を武器にして…人材派遣営業の失敗談。

営業マンの体験談

自分が「女性・新卒であること」を武器にして…人材派遣営業の失敗談。

10年近く前になります。
新卒で入社し、7年間務めた人材会社。そこで、人材派遣の営業をしていました。
人材派遣のニーズが増え、少々コンプライアンスを無視した時代から、リーマンショックを経て、コンプライアンス重視のより法律にのっとった運営へ…
私の7年間は本当に目まぐるしく、慌ただしく過ぎていきました。
朝早くから、時には日付をまたいでの仕事は辛かったですが、当時のやる気に満ちた私にはとても刺激的で、やればるほど成果も上がるのが楽しく思えました。
休日もほとんどなく、クライアントや派遣しているスタッフからの相談、問い合わせで、私の会社用ケータイは鳴りっぱなしです。

この会社に就職したきっかけはなんだったか、今ではあまりよく思い出せません。
ただ、人材業界は変化が激しいためか、社員の年齢構成が他の職種に比べると若く、責任者が20代、30代なんてことも多いです。
そのため、風通しは比較的良く、意見を言いやすい環境だったと思います。
みんな体力もある年齢なので、遅くまで働いて、仕事終わりに一杯…というのもよくあり、楽しかったです。
様々な会社、職種を知ることができました。
クライアントは中小から大企業の人事担当者で、だいたいが年配の方ですので、失礼のないようにと、基本的なビジネスマナーを身につける事もできました。

こんなやる気満々の新卒時代、私はある失敗をします。

私は女性で、見た目も(自分で言うのは何ですが)そこそこ悪くなく、仕事柄、愛想の良い方です。
良く言えば、「男性ウケ」するタイプです。新卒の初々しさもあり、会社の人事担当者にすれば、一日に何件もある人材会社の営業の中でも印象に残りやすかったんだと思います。当初の私はどんどん新規の受注を獲得できました。もちろん、自分の「女性」「新卒」は武器になるというのを意識的につかって、業務にあたっていました。

そんな中、ある中~大手規模の会社から仕事の依頼を受けます。取引を開始し、何度かトラブルもありましたが、やっと軌道に乗るかな…という時期でした。人事担当者から、食事のお誘いを受けます。何度か上司も含めてのクライアントとの食事には誘われた経験はありましたが、どうも2人でということのようでした。

「まさか、一回り以上歳の離れた、取引先の営業マンに本気になることはないだろう。」
「気に入ってもらえればさらに仕事をまわしてもらえるかもしれない」
と私はその担当者と食事に行きます。
もちろん、やましいことは何もなかったですが、仕事の話にはならず、すごくプライベートな会話ばかりで、明らかに私に好意を持ってくださっているような印象でした。
そして2度目のお誘いがありました。
私は何だか気まずくて、仕事が忙しいのを理由にお断りします。

すると、次の日から担当者の態度が急変。来月から当社との契約は終わらせたいと言ってきたのです。
すぐに私の上司にもその連絡があり、一方的に契約を終了されてしまいます。
当社は派遣していたスタッフに対し、途中契約修了者も発生してしまったため、いわゆる違約金のような手当を支払わなければいけなくなりました。
もちろん、その会社への出入りは今後禁止です。

きっと「女であるだけで仕事が獲れる」と調子にのっていたのでしょう。大きな失敗になってしまって、とても落ち込みました。ありがたいことに、上司からはこんな風に励まされました。

「営業マンである以上、女であることより、人としての評価を得なさい。」

なるほど…。「人として評価、信頼を獲得する」それがこの先も仕事を続ける中で一番必要なことだと感じました。その言葉は今でも私の「仕事をする上での軸」となっています。

働く女性が多くなったこの世の中で、「女性である」ということに甘えず、「女性である」事だけを武器にせず、自分の仕事にプライドをもって働ける女性が増えればいいな…
と思っています。

働く女性のみなさん!色んなことありますが、頑張っていきましょう!!