私がその営業マンに出会ったのは長女の出産を控えた27歳の時でした。大阪で美容師として正社員で仕事もしていたのですが社会人になってから一度も生命保険に加入した事の無かった私に、主人が加入を勧めた為でした。保険会社は国内生命保険会社で、主人の会社に出入りしている営業マンの方でした。初対面は陽気なおばさん、といった感じで親位の年齢に見えました。主人が休みの日に自宅に訪問して貰って、いくつか保険を案内してもらったものの…イマイチ保険の必要性を感じなかった私にピンとくるものは無く「そこまでお金かけて保険って本当に必要?」というのが本音でした。
煮え切らない私に、営業マンの方もピンときたのか…次に出してきたのは最初に提示してきたものよりグンと保険料の安いプラン。最初に案内してきたものより半額程になっていました。こうなると「それでも事足りるっていうなら、最初からこれを出してくれれば良いのに」とか「この人…なんでも良いから契約させようとしてる?」と不信感はどんどん募っていきます。そもそも、当時私は妊娠8か月。お腹は随分大きくなっていました。妊娠中、保険には入りにくい事位は何となく分かっていた私が「そのプランは妊娠中でも契約出来るのか?」と聞くと営業マンの方は「大丈夫大丈夫!入れるよ!でもちょっと待って!」とどこかに電話をかけだし…電話が終わると「このプランは出産後じゃないと入れなかった」と…正直この段階でもう帰ってくれ、と思いました。今までの話まるっと意味が無かったと思うと私もイライラしてきて…そんな空気を察して旦那は小さくなっていました。
それでも、営業マンは何事もなかった様に次のプランを…次に案内されたプランは正直、この金額でこの内容なら入っても良いと思うものでした。入院費日額5000円、入院一時金、女性のガンや先進医療特約等も確か含まれて3000円台だったと思います。勿論、妊娠中でも入れる。万が一帝王切開になった時には保険が下りる。等…主人も「これなら入っても良いんじゃないか」と隣で背中を押してきましたが私の中での不信感は最高潮で保険の内容に文句があるのではなく「この営業マンから買いたくない」という感情的なものになっていました。
主人が背中を押してきたのを良い事に、契約書を作りだし「こことここを記入して判子押してくれれば後はこちらで手続きするから」とトントン拍子に話を進めていこうとする姿勢についに私の堪忍袋が切れて今この場で契約するつもりは無い。と断言し、お引き取り願いました。玄関から出ていく最後の最後まで、今契約した方が良いのに…と明日何かあってからでは遅いのに、と本当にしつこく、姿が見えなくなると同時に私の怒りの矛先は主人へ「何て奴を連れてきたんだ!」と…
更にこの話には続きがあり、営業マンが帰って30分程した後主人の携帯に電話があり「最後に話したプランは妊娠中は入れなかった」と言ってのけました。じゃぁ、何の契約書を作るつもりだったのか!即決しなかった自分を大いに褒めてやりました。主人の会社関係でなければ、本社にクレームをつけてやりたかった位適当な営業マンで、その保険会社への不信も募り絶対この会社関連のものは使わないと決めました。
勿論、保険営業マンは契約ノルマが厳しいというのは良く聞くので多少しつこくなるのは仕方ないのか…と私は思っています。けれども、せめて最低限自分が販売しているものをしっかりと理解して説明して欲しいし判子さえ押させればこっちのもの…みたいな詐欺まがいの営業は絶対にやめて欲しいですね。結局、その後別の保険会社で契約しましたがその営業マンの方は大変誠実に自社の良い所、足りない所を説明して下さったので金額は予定より高いプランになりましたが契約しました。
あの、営業マンの様な方は少数派と思いますが私は今後絶対にあの会社の保険を利用する事は無いし近しい親族などにも利用させません。保険営業マンの方には、自社のブランドを掲げて仕事をしている自覚をしっかりと持っていて欲しいと思います。